毎月のように脱税事件のニュースが流れてきますが、国税組織はすべての脱税情報を把握しているわけではありません。
そのため脱税犯を捕まえるため、税務署は国民からの脱税関係の情報提供を呼びかけており、情報提供に基づいて税務調査をすることもあります。
ただ、単なるうわさ話を情報提供しても税務署は相手にしてくれませんので、税務署が必要としている情報についてご説明します。
情報提供は脱税の摘発と抑制効果がある
現実的にすべての申告漏れや脱税を税務署が摘発するのは困難です。
そのため国税組織は、国民の納税意識を向上させることで調査件数を減少させようとしています。
また脱税をさせないために有効的なのが、脱税の摘発や情報提供に基づく税務調査です。
人は誰かに見られている心理が働くと、悪いことはできません。
脱税も同じで、「もしかしたら密告されるかもしれない」との心理が働く環境が整えば、必然的に脱税を試みる人は減少します。
【関連記事】:
【脱税は重罪です】フリーランスは要注意! あの芸人の会見内容から学ぶ「税金管理」の重要性物的証拠を持って情報提供する
自分の目の前で脱税行為が行われていると、税務署に情報提供したくなります。
しかし税務署は、脱税についての情報を欲していますが、具体的な手掛かりがないと行動(調査)に移しません。
したがって、税務署が調査に値する情報と判断する材料をそろえることが、上手な情報提供の方法です。
役立つ情報提供の内容
・ 飲食店のお会計でレジを使う曜日とレジを使わない曜日がある
・ 伝票の種類が日によって異なる
・ 二重帳簿の記載指示を受けている
【関連記事】:
元税務署職員が断言「脱税は必ず見つかる」 税務署が申告漏れを暴く3つの方法情報提供は国税庁HPからも可能
脱税の情報提供手段としては、税務署窓口や手紙などいろいろありますが、1番手軽にできるのが国税庁ホームページからの情報提供です。
国税庁ホームページには、情報提供専用ページが用意されており、課税・徴収漏れに関する情報提供を随時呼びかけています。
情報提供をする際、どこの税務署に連絡すればいいかわからない場合でも情報提供は可能ですので、積極的に活用してください。
参考元:国税庁
情報提供しても調査結果は教えてもらえない
税務署に情報提供をした場合、自分の情報が有効に活用されているか気になります。
ただ残念なことに、税務署に情報提供した内容の調査結果を知ることはできません。
税務調査の内容は調査対象者の個人情報であり、情報提供者に調査結果を伝えることは国税組織によっては情報漏えいと同じです。
そのため情報提供をしても、脱税の取り締まりに貢献した実感を味わうことはできません。
ただ、適正に申告している人が損をしない環境づくりのための貢献はできますので、気が付いたことがありましたらぜひ税務署に情報提供をしてください。(執筆者:平井 拓)