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仕掛けの基本的なパターンは2種類のみ

今回は株式サヤ取りの建玉について、具体例を挙げながら解説します。
2銘柄間の価格差を利用して利益を得る「株式サヤ取り」を実践するには、仕掛け(売買)の方法を知っておく必要があります。
サヤ取りの仕掛けは単純で、基本的なパターンは、
・ サヤの拡大を取る仕掛け
の2パターンのみです。
これを知っておけば、サヤ取りはすぐにでも実践可能です。
1. 縮小を取る仕掛け
縮小を取る仕掛けとは、サヤの縮小によって利益を得るものです。
サヤが開いている状態で、今後サヤが縮小していくと考えられる場合に、価格の低い銘柄を買い、価格の高い銘柄を売ります。
具体例
サヤ取りのペアに選んだ2銘柄のサヤが、おおむね0~350円程度で推移していたとします。
ある日のサヤを調べたところ、
・ 銘柄B:1,500円
・ サヤ:300円
となっていました。
サヤは350円程度まで拡大する可能性がありますが、300円前後になれば仕掛けてよいでしょう。
サヤが350円まで拡大せず、縮小に転じた場合にチャンスを逃してしまう恐れがあるからです。
この場合、仕掛けは、
・ 銘柄Bを100株買い
となります。
その後、サヤが縮小していき、
・ 銘柄B:1,680円
・ サヤ:20円
となりました。
ここで決済すれば、
・ 銘柄Bの損益:+1万8,000円
となり、合計の利益は2万8,000円となります。
これが、縮小を取る仕掛けです。
2. 拡大を取る仕掛け

拡大を取る仕掛けは、サヤの拡大によって利益を得るものであり、縮小を取る仕掛けとは逆の仕掛けとなります。
すなわち、サヤが閉じた状態であり、今後サヤが拡大に向かうと考えられる場合に、価格の低い銘柄を売り、価格の高い銘柄を買います。
具体例
サヤ取りのペアに選んだ2銘柄のサヤが、おおむね-50~200円程度で推移していたとします。
ある日のサヤを調べたところ、
・ 銘柄B:1,550円
・ サヤ:-50円
となっていました。
この後、サヤは200円へ向けて拡大に転じると考え、
・ 銘柄Bを100株売り
と仕掛けました。
その後、サヤが拡大していき、
・ 銘柄B:1,480円
・ サヤ:220円
となりました。
ここで決済すれば、
・ 銘柄Bの損益:+7,000円
となり、合計の利益は2万7,000円となります。
これが、拡大を取る仕掛けです。
まずは2パターンのサヤ取りを練習しよう
サヤ取りの仕掛けを見てみると、非常に単純な方法であることが分かるでしょう。
単純であるからこそ、迷うことなく売買でき、安定した利益も期待できるといえます。
まずはこの2パターンのサヤ取りを実践し、練習を積むことをおすすめします。(執筆者:兼山 艮)