コロナショックのタイミングで投資信託を購入する際は、毎月分配型ファンドに注意する必要がある旨を前回書かせていただきました。
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他にも今の時期のファンド選びでつまずきやすいと思われる事項があります。
それは、新ファンドの購入です。
特に投資初心者には新ファンドの購入はおすすめしません。
今回はその理由について書いてみたいと思います。
目次
【理由1】想定通りの運用にならないことが多い
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新ファンドは過去の運用実績がないため、商品性が商品の良し悪しを判断する上で特に大きな比重を占めます。
その商品性をみると、金融工学を駆使して理論上とてもよく考えられた投資信託であることが少なくありません。
その内容を知るととても理にかなった商品であると感じられます。
しかし金融商品では、理論上は素晴らしい仕組みで設計されていても、実際に運用を開始してみると思うような収益を上げられないものが少なくありません。
また運用が当初は良好に推移していても、長い目で見れば持続しないケースもあり得ます。
過去の事例
いわゆる国際分散型の投資信託がその一例です。
これは、さまざまな地域、金融資産に細かく分散投資をして価格変動を抑えつつ利益を目指していくファンドです。
しかし高コストのためなかなか利益になりにくく、リーマンショックのようなときには他のファンドと同様に大きく値を下げました。
また、リスクコントロール型と言われる投資信託も例として挙げられます。
これは、運用する時期によって運用内容を見直し価格変動を抑えつつ利益を目指していくファンドです。
こちらも実際には利益になりにくく、リスクも十分にコントロールできていないとも考えられるケースが散見されました。
【理由2】商品性がわかりにくい
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新ファンドは今までにないタイプの商品を作ろうとするあまり、商品性が複雑になったりわかりにくかったりするケースも少なくありません。
投資に慣れていない方であれば、商品性をよく理解できないまま投資をしたり、商品性を誤解して投資してしまったりすることもないとは言えません。
直近の事例
直近の例では、「グローバル3倍3分法ファンド」が挙げられます。
2019年度には、さまざまな金融機関で売れ筋のファンドでした。
この投資信託は先物取引の仕組みを利用して大きな利益の獲得を目指す一方で、複数の資産に分散投資しリスクも抑えるという商品です。
しかし、コロナショックでは分散投資型ではない他の投資信託と同様に価格が大きく下落しています。
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この点、当ファンドの重要事項が記載されている目論見書を見ると、大きな利益を目指す他の運用と比べればリスクを抑えられるものの、価格変動リスク自体は小さくない旨が明記はされています。
しかし、商品名の「分散」という言葉からリスクが低いファンドであると勘違いしやすい側面がある点も否めません。
過去の運用実績を確認可能なファンドから商品を選ぶ
特に投資初心者であれば、過去の運用実績があるファンドから商品を選んだ方がよいでしょう。
もちろん、過去の運用実績があることと将来の運用成績がよいこととは、論理的に必ずしも一致しません。
しかし、運用担当者がどのように投資をしているかは過去のデータから確認できます。
新ファンドではそのような情報がないため、ある程度「勘」に頼って購入の意思決定をせざるを得ません。
そういった「勘」を持っているのは、投資経験が豊富な投資家です。
ですので、投資に不慣れな方が新ファンドに投資をすることはおすすめしません。
投機ではなく投資をするのであれば、失敗する確率が低い運用実績のあるファンドで資産運用をするのが大切です。
新ファンドの購入は慎重に
新ファンドを購入する場合は慎重な判断が必要です。
過去の実績がない分、購入の判断は簡単ではありません。
もし気になるファンドがある場合は、実際に運用が始まったあとに運用成績などを確認してから投資判断する方が無難です。
投資初心者の方は特に注意してください。(執筆者:佐藤 彰)