日本は高齢化社会を迎えており高齢者率が増加しています。
そのため、加齢や疾病に伴い身の回りの事を自分で行う事が困難な方もまた増加しています。
自分自身の身の回りの事が難しくなった時、健康と生命を維持するためにまず満たしておく必要があるニーズの1つとして「食事」が挙げられます。
今回は安定した食事を維持するために、自宅までお弁当を宅配してくれる便利な「配食サービス」をご紹介します。
配食サービスの料金だけをみると割高と感じることもありますが、お得な面もあります。

目次
メリット1:栄養バランス
配食サービスは、開始当初に比べて進化しています。
配食サービスの1番のメリットは、栄養バランスの良い食事が食べられるという事です。
高齢者の方は持病がある方が多くいます。
その中でも高血圧症や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病を患っている方は多く見られており、それを悪化させないためには栄養バランスの整った食事をとる事が重要となります。
しかし、塩分やカロリー、脂肪分の量を考え、かつ食材バランスを考えて食事を作る事は負担が大きく、毎日作り続ける事は難しいです。
配食サービスで提供される食事は、普通食のみならず、減塩食や低カロリー食など、その人に合わせた栄養バランスの良い食事を提供してくれます。
栄養バランスを整えるためには、さまざまな食材を購入しなければなりません。
自分でそろえるとなるとその労力と費用はとても高くなります。
また、高齢者世帯は単独または夫婦のみの世帯が増加しているため、自分たち以外で食事をとる人がいなければ、それらの食材を期限までに消費する事も難しくなります。
配食サービスを利用する事で食材ロスもなくなり、結果的に食費を減らす事にもつながります。
メリット2:調理の手間が減り安全な食事
高齢者の方の中には、噛む力や飲み込む力が低下している方も多く、食事の形態を細かくしたり軟らかくするなどの工夫が必要な方もいます。
家族での食事の際には手を加える必要があります。
食事は毎日のことですので、特別な形態の食事を準備する事は介護者の方の大きな負担となります。
また、食材を分ける必要が出る場合もあり、家計の食費の大きな負担となってしまいます。
近年は単身で生活する高齢者も増えているため、自分で食事を準備する方もいますが、万が一その方が認知症を発症していた場合、火の元の管理が困難になっている事もあります。
火の消し忘れによる火災は、自宅のみならず近隣の住宅にも被害を与える恐れもあることですね。
お湯を沸かしたまますっかり忘れて、ドキッとしたという経験があるという方もいるでしょう。
配食サービスの利用は、安全な食事の確保につながる事となるため活用を検討してみると良いでしょう。
メリット3:公的な補助が受けられる場合もある

配食サービスの利用にあたっては、市区町村からの補助が受けられる可能性がある事も、配食サービスを活用するメリットの1つです。
配食サービス利用料の補助は、介護保険の必須事業ではないため、市区町村によって補助内容が異なります。
多くの市町村で採用されている方法としては、指定を受けている配食業者の宅配弁当を注文すると、その料金の1部を補助するという物です。
補助を受ける前のお弁当の単価にもよりますが、1食当たり500円前後の料金で購入が出来るよう料金の調整をしてもらえる事が多いです。
補助を受けるための条件として、その人が属する世帯の課税状況であったり、対象者の方の年齢や介護認定の有無などがある場合があります。
条件はお住まいの市区町村によってことなるため、助成制度があるかどうかを含めて市区町村役場の担当窓口に問い合わせてみると良いでしょう。

配食サービスで便利・お得・安全が実現
健康な生活を送る上で食生活は重要な要素となりますが、それを毎日作り続ける事は困難な事です。
食事は毎日のことですが、配食サービスを無理して毎日利用する必要もありません。
例えば、週に1回から試してみることから、週に3回は栄養バランスの良い配食サービスに頼り、そのほかは自分で好きなものを調理するというように、利用方法は自分のライフスタイルに合わせて決められます。
配食サービスを活用する事で、時間と食費の節約が出来る可能性があります。
地域が担う介護サービスの中には、もっと早くお願いすればよかったと思う支援の手もあります。
ぜひ、お住まいの地域の配食サービスも検討してみてください。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)