「高齢になってきたから家をバリアフリーに改修したい」
など、住宅をリフォームする理由はさまざまです。
大規模なリフォーム工事をする場合には費用が数百万円になることもあるため、リフォームローンを組まれる方も多いと思います。
リフォームローンを組んで所定の要件を満たす人は、リフォームローン控除によって所得税の負担を軽減できる場合があります。
特に省エネ住宅やバリアフリーなどにリフォームするときはより節税効果が高くなります。
そこで今回は、省エネ住宅やバリアフリー住宅にリフォームする際のリフォームローン控除の控除額や要件、注意点について解説します。

目次
リフォームローン控除の控除額
リフォームローン控除とは、リフォームローンを組んで自宅をリフォームした際に行える所得税の税額控除です。
特に住宅を省エネ性能やバリアフリー性能を与えるリフォーム工事などを施した場合は控除額が大きくなります。
省エネ化・バリアフリー化向けのリフォームローン控除の控除額は、次の計算式で求められます。
A:リフォームのための住宅ローン等の年末残高の合計額のうち、バリアフリー化の工事又は省エネ改修工事等に要した費用の額の合計額に相当する部分の金額(特定増改築等限度額250万円)
B:リフォームのための住宅ローン等の年末残高の合計額(最高1,000万円)
参照
借入金を利用して省エネ改修工事をした場合(国税庁)
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1217.htm
借入金を利用してバリアフリー改修工事をした場合
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1218.htm
たとえば、リフォーム費用の総額(= B)が500万円、うちバリアフリーの改修工事の費用(= A)が200万円であった場合の控除額は、次の通りです。
= 4万円+3万円
= 7万円≦12万5000円 ∴7万円
なお、控除期間は最大で5年間です。です。
そのため合計控除額は、最大で62万5,000円です。
また、
です。
そのため、リフォームローンを借り入れた本人の所得税額から直接控除されます。
仮に、所得税額が20万円で控除額が7万円であった場合には、所得税額は13万円まで減額されます。(実際の納税額は復興特別所得税を加味して計算することになります)

省エネ化・バリアフリー化のリフォームローン控除の要件
省エネ化・バリアフリー化向けのリフォームローン控除の適用条件のうち、ローンの借入期間や工事費用に関するものは次の通りです。
5年以上
【リフォーム費用】
改修費用から補助金を差し引いた金額が50万円超
上記以外にも、改修した物件への入居期間や借り入れる本人の所得、住宅の床面積のうち本人や家族が居住用に使用する広さなどが指定されています。
また、省エネ改修工事やバリアフリー改修工事なども所定の要件を満たしたものでなければなりません。
たとえば、省エネ改修工事の場合には、住宅の全ての居室にある全ての窓に対して断熱改修工事を行う必要があります。
床や天井壁の断熱工事を行う際にも窓の断熱改修工事は必須です。
リフォームローン控除を適用する際の注意点
リフォームローン控除は、新たな住宅購入や一般的なリフォームの際の住宅ローン控除や投資型減税といった他の控除制度と併せての利用はできません。
複数の控除制度の適用条件にあてはまる場合には1つを選ぶ必要があります。
また、このリフォームローン控除を受けた際には、確定申告をしなければなりません。
会社員のような給与所得者がリフォームローン控除を受ける場合でも初年度は確定申告が必要であるため、忘れずに申告しましょう。(執筆者:品木 彰 監修:税理士 鈴木まゆ子)