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新居の「住宅ローン控除」と以前の自宅売却の「譲渡所得の特例」は併用できないケースがある

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新居の「住宅ローン控除」と以前の自宅売却の「譲渡所得の特例」は併用できないケースがある

ローンを組んで新しく住宅を購入した場合には、「住宅ローン控除」の適用で所得税の還付を受けられます。

ただし、今まで住んでいた自宅を売却して「譲渡所得の特例」を利用する際には注意してください。

「譲渡所得の特例」の種類によっては「住宅ローン控除」と併用できない制度もありますので解説します。

新居の「住宅ローン控除」と以前の自宅売却の「譲渡所得の特例」は併用できないケースがある

譲渡所得3,000万円控除との併用は不可

「譲渡所得の特例」で最も有名な制度は、自宅の売却利益に対して適用できる「3,000万円控除」です。

「3,000万円控除」は非常に節税効果の高い特例ですが、「住宅ローン控除」との併用適用はできません。

したがって、両方の特例適用要件を満たしている場合には、どちらか一方の特例適用を諦めることになります。

また、「3,000万円控除」を適用する場合には、一定期間は「住宅ローン控除」を受けられませんのでご注意ください。

「住宅ローン控除」の適用を受けられない期間

「住宅ローン控除」の適用を受けられない期間は、

【令和2年4月1日以後に譲渡した場合】

 居住の用に供した年と、前2年・後3年の計6年間

【令和2年3月31日以前に譲渡した場合】

 居住の用に供した年と、前後2年の計5年間

です。

「住宅ローン控除」の適用を取りやめて「3,000万円控除」を適用することは可能

先に「住宅ローン控除」の適用を受けると、一定期間は「3,000万円控除」の適用を受けられません。

しかし、

前年以前に適用された「住宅ローン控除」を取りやめる内容の修正申告書(期限後申告)を提出すれば、「3,000万円控除」の適用を受けられる

ようになります。

「住宅ローン控除」は基本的には年末のローン残高の1%を還付する仕組みなので、住宅ローンが少額だった場合には「3,000万円控除」の適用も検討してください(「住宅ローン控除」の内容は、適用年分やローン残高によって異なります)。

なお、先に「3,000万円控除」の適用を申告した場合には、翌年以降に「住宅ローン控除」の適用を受けるために「3,000万円控除」適用取りやめの修正申告書は提出できません

したがって、「3,000万円控除」の適用を受ける際には、申告する前に「住宅ローン控除」の適用を受けるか否かの判断を済ませてください。

「譲渡損失の特例」との併用は可能

「譲渡所得の特例」には、自宅を売却して損失が発生した場合に適用される「譲渡損失の損益通算および繰越し控除の特例制度」(措法41条の5,措法41条の5の2)もあります。

譲渡損失に関する特例制度は「3,000万円控除」とは違い、特例の適用要件を満たせば「住宅ローン控除」と併用することが可能です。

特例を適用する際には期限内に申告手続きを完了させる

「住宅ローン控除の特例」および「譲渡所得の特例」を適用する場合には、期限内に申告手続きをしてください。

特例制度は原則として期限内に申告した人を対象としていますので、期限を過ぎた後に申告書を提出すると、特例を受けられないケースもあります。

また、特例の適用を申告する際には、添付しなければいけない書類もありますので、申告する前に必要書類を確認して確定申告期間中に申告書を提出してください。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)

《平井 拓》
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平井 拓

執筆者:元税務署職員 平井 拓 平井 拓

12年勤務した税務署を退職し、ライターとして活動してます。税務署時代は資産課税部門に所属しており、相続税・贈与税・所得税が専門でした。 脱税は嫌いですが、節税は好きです。少しでも税金を身近に感じていただける文章をお届けします。 寄稿者にメッセージを送る

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