税務署は公言しませんが、税務署職員と確定申告書の提出件数を比べると、現実的にすべての申告書を調査することはできません。
そのため誤った申告書を提出したり、無申告の方でも税務調査を受けない可能性もある一方、何度も税務調査を受ける人や、申告誤りをすぐに指摘される人もいます。
そこで今回は、税務署から狙われやすい納税者の特徴について解説します。

目次
申告書の記載内容に不備がある
税務署が税務調査を実施するのは、申告内容の誤りにより過少になっている納税額を是正するためです。
確定申告内容に不備がなければ、税務調査を受ける可能性は低いですし、追徴課税を支払うこともありません。(申告内容が正しくても、内容確認調査を実施する可能性はあります。)
申告内容の誤りで指摘されやすいのは、
・ 記載ミス
・ 特例適用誤り
の3種類です。
計算ミスは手計算した場合に起こりやすく、税務署側もミスを把握してすぐに指摘します。
記載ミスとは、確定申告書に記載する場所を間違えてしまうケースです。
たとえば譲渡所得は総合譲渡所得と分離譲渡所得の2種類あり、分離譲渡所得を総合譲渡所得の欄に記載すれば、計算過程が変わるので正しく税額を算出することはできません。
特例適用誤りは、本来適用できない特例制度を利用している場合です。
住宅ローン控除は年末時点で10年以上のローンを有している人が対象なので、10年未満でローン控除を適用する申告をすれば否認されます。
過去に税務調査を受け申告誤りを指摘された人
個人事業主の方は毎年確定申告が必要なので、事業を継続していれば税務調査を受ける可能性は高くなります。
税務調査をまったく受けない個人事業主の方もいますが、過去に税務調査を受けたことがある人で、申告誤りを指摘された経験がある場合は要注意です。
税務署は税務調査を実施できる件数が限られている以上、税務調査によって税金を回収できる納税者に対して調査を実施する傾向があり、過去に申告誤りがあった事実が税務調査を行う決め手となることもあります。
特に意図的な脱税を図ろうとして税務署から指摘を受けた経験のある人は、その後正しく申告していたとしても税務署は疑いの目をもち続けますので、税務調査を受ける確率は他の人よりも高いです。

突発的な収入があるのに無申告
競馬などによる利益は所得税の対象となるので、原則申告しなければなりません。
申告義務のある人が申告していない場合、税務署から指摘される可能性は高いですし、仮想通貨など世間的に話題になったものについては、調査の優先度が高くなっています。
また個人事業主の方で収入が急に増えると、節税するために経費を多く使う人もいますが、経費計上できるのは事業収入に直接関わった費用のみです。
生活費やプライベートで使う車の購入費は経費にできませんし、経費が前年と比べて格段に増加すると税務調査の対象となりやすいので注意しましょう。
税務調査は下半期が盛んに実施される時期
税務調査が盛んになるのは、7月から12月の下半期です。
1月から4月までは確定申告、5月6月は確定申告の後処理を主に行うため、上半期に税務調査が実施されることは少ないです。
一方で、下半期は所得税の確定申告の作業がありませんので、税務署は税務調査に専念できます。
税務調査は最長7年間行われる可能性がありますので、少しでも納める税金を少なくしたい場合は、合法的な方法で節税しましょう。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)