老若男女問わず、おやつが嫌いな方というのはまずいないのではないでしょうか。
高齢者にとってのおやつは、食べる楽しみだけでなく栄養補給につながっています。
高齢の方は、だんだんと食が細っていきます。
食が細っていくと、栄養不足や水分不足になる方がいます。
そんな時には、栄養補給としておやつを上手に取り入れることで、解決できる場合があります。
今回は、高齢者のおやつの選び方やおすすめのおやつをご紹介します。
目次
高齢者のおやつの選び方
高齢者は食欲や摂食・嚥下能力の低下などにより食べる量が減ると、栄養が足りない状態になります。
また、1人暮らしの方で、食事内容がごはんとお漬物のみということでも栄養が偏ります。
食事量が低下していると1日3回の食事だけで、栄養不足を補うことは難しいです。
1人暮らしの方が、毎食、いろいろな食材を使った食事内容にすることも難しい場合があります。
栄養状態の改善には、食事の質を見直すだけではなく、おやつで足りない栄養を補うことも重要になります。
おやつを選ぶ際には、
- 何が不足しているのか、
- 何が必要な栄養素なのか
を把握しておくことが重要です。
また、摂食・嚥下能力の低下がある方は、状態にあった食形態を選ぶことが必要です。
骨粗しょう症の方の場合のおやつの例
かむ力、飲み込む力が問題ない方は、チーズなどがおすすめです。
また、かむ力・飲み込む力が衰えている方におすすめなのは、ヨーグルトです。
栄養補助食品をおやつとして取り入れよう
栄養補助食品は、おやつとして取り入れたい食品の1つです。
- タンパク質が多い・少ない、
- カロリーが高い・低い
など、病気で注意しなければならないポイントをおさえた栄養補助食品は、おやつにぴったりです。
栄養補助食品は、ドラッグストアや福祉用具貸与事業所で購入することができます。
ただし、どんな食品にも言えることですが、体に良いからと言って毎日同じものを食べると飽きてしまいます。
また、味が好みに合わないということもあります。
飽きてしまう時は、味をいろいろそろえたり、摂食・嚥下能力に問題がない方の場合には、ゼリータイプだけでなく、ドリンクタイプなど味以外でものどごしのちがうものを試すと良いでしょう。
また、ドリンクタイプの栄養補助食品の味がいまいちと感じる方は、
- 凍らせてシャーベット状にしたり、
- 牛乳で割ることで
飲みやすくなります。
栄養補助食品は、ゼリーやドリンクタイプが多いです。
おやつをすべて栄養補助食品にすると、毎日のおやつの変化がなくなり、おやつを食べる楽しみがなくなります。
他のおやつとうまく組み合わせたり、食後のデザートとして何回かに分けて食べたりすることも、栄養補助の役割を持つおやつを続けるコツになります。
疾患別おすすめ栄養補助食品・ケアフードなど
疾患別におすすめの栄養補助食品やケアフードなどをご紹介します。
病名 | 商品名と価格 | おすすめポイント |
糖尿病 | やさしくラクケア まるで果物のようなゼリー 1個 118円 | 60gで、10kcalと低カロリーのゼリー 糖分が多い果物の風味を、低カロリーで味わえる |
腎臓病 | エネプリン 1個 237円 | MCT配合で高エネルギー タンパク質ゼロ |
褥瘡 | エンジョイ 小さなコラーゲンゼリー 1個205円 | 褥瘡治療で重要な栄養素、亜鉛・アルギニンが入っている |
低栄養 | エンジョイクリミール 1本216円 | ドリンクタイプで、少量でカロリーやビタミン、ミネラルがとれる |
脱水 | アクアソリタ 500ml 1本 221円 | 低カロリーで水分・電解質がとれる |
参照:介援隊 WEBカタログ 介護食品総合カタログVOL.13
生活の楽しみや栄養補給としておやつを活用しよう
おやつは生活の中の楽しみの1つです。
おやつの楽しみを保ちつつ、健康な生活を送ることができたら、素晴らしいのではないでしょうか。
食事制限の為におやつをあきらめていた方も、からだに合った栄養補助食品で、おやつの楽しみを持つことができます。
おやつを毎日楽しみながら栄養や水分摂取の補助として捉え、元気に過ごす生活の手段として、おやつを見直してみてください。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)