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早期退職、割増退職金だけで決めて大丈夫?税金・失業給付・再就職まで確認

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早期退職、割増退職金だけで決めて大丈夫?税金・失業給付・再就職まで確認
早期退職、割増退職金だけで決めて大丈夫?税金・失業給付・再就職まで確認

会社から早期退職の募集があり、割増退職金の金額を見て応募を考える人もいるでしょう。ただし、提示額がそのまま手元に残るわけではありません。税金を差し引いた手取りに加え、退職後の住民税や健康保険料、失業給付を受け始める時期、再就職までの生活費も確認が必要です。応募前に押さえたいポイントを整理します。

早期退職制度とは

早期退職制度は、定年を待たずに退職できるしくみの総称です。大きく「早期優遇退職制度」と「希望退職制度」の2つに分かれ、どちらも定年前に会社を離れる点は同じですが、目的や性格が異なります。

早期優遇退職制度は、恒常的な制度として設けられていることが多く、対象年齢などの条件を満たした人が応募できます。退職金の割増などの優遇が用意されている場合があり、選択定年制と呼ばれることもあります。

一方の希望退職制度は、会社が経営改善や組織の見直しを目的に、期間を区切って退職者を募るものです。いつでも使えるわけではなく、募集があったときに限られます。応募しても会社の承認が得られず、希望退職制度の対象にならないこともあります。

まずは、自分が使えるのがどちらの制度なのか、募集の背景も含めて確認することが出発点になります。

退職金がもらえるかは会社の規程しだい

早期退職で気になるのが退職金ですが、退職金は法律で支払いが義務づけられた制度ではありません。厚生労働省も、退職金制度を設けるかどうかは会社ごとの任意としています。つまり、早期退職なら必ずまとまった退職金が出る、とは限りません。

退職金の有無や金額、割増の条件は、勤め先の就業規則や退職金規程によって決まります。常時10人以上の労働者を使用する事業場で退職金制度を設けている場合は、支給の要件や計算方法、支払い時期を就業規則に定めることが求められています(労働基準法)。まずは自社の規程を確認し、自分がどれだけ受け取れるのかを把握しておきましょう。

早期退職では退職金が割増されるケースもありますが、割増の幅は会社や募集内容によってさまざまです。「早期退職なら大幅な上乗せ」と思い込まず、実際の金額を募集要項で確かめることが大切です。

自己都合か会社都合かで失業給付が変わる

早期退職は、離職の事情によって「自己都合」か「会社都合」かが分かれ、失業給付(基本手当)の受け方に差が出ます。

早期優遇退職制度を使った場合は、自己都合退職として扱われるのが一般的です。自己都合退職では、7日間の待期のあと、原則1か月の給付制限期間があり、その間は基本手当を受け取れません。この給付制限は、令和7年4月1日以降に離職した方から、それまでの原則2か月より短縮されました。ただし、退職日からさかのぼって5年間に2回以上、正当な理由なく自己都合退職し、受給資格決定を受けた場合は3か月になります。

希望退職制度に応じた場合は、募集に至った事情などにより「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当することがあり、給付制限を受けません。特定受給資格者は、年齢や被保険者であった期間によっては所定給付日数が手厚くなる場合があります。すぐに再就職先が決まらなくても、給付を早く受けられるのは大きな安心材料です。ただし、自己都合と会社都合のどちらになるかは、制度の名称ではなく離職の事情をもとにハローワークが判断します。募集の条件によって扱いが変わることもあるため、自分がどちらに当たりそうか事前に確認しておくと安心です。

なお、令和7年4月1日以降に受講を開始した対象の教育訓練等を、離職日前1年以内に受けた方(途中退校を除く)、または離職日以後に受けている方は、正当な理由のない自己都合退職でも給付制限の解除を受けられる取り扱いが設けられました。ただし、対象にあたるだけで自動的に解除されるわけではありません。受講開始以降、受給資格決定日、初回認定日、または受講開始日直後の認定日など、所定の期限までにハローワークへ申し出て、訓練開始日または修了日を確認できる書類などを提出する必要があります。離職後に受講を始める場合、給付制限を受けないのは受講開始日以降です。生活設計に関わるため、受講を考えている方は早めにハローワークへ相談しておきましょう。

退職金にかかる税金の基本

退職金にも所得税・住民税がかかりますが、長年の勤務に報いる性格から、税負担が軽くなるしくみが用意されています。退職金は「退職所得」として、給与などとは分けて課税されます。

課税の対象となる退職所得は、原則として次の式で計算します。

・退職所得=(退職金の収入金額 − 退職所得控除額)× 2分の1

退職所得控除額は、原則として勤続年数に応じて決まります。勤続20年以下の部分は1年あたり40万円、20年を超える部分は1年あたり70万円で計算します(20年以下で80万円に満たない場合は80万円)。勤続年数に1年未満の端数があるときは、1年に切り上げます。

早期退職、割増退職金だけで決めて大丈夫?税金・失業給付・再就職まで確認

ただし、障害者になったことが直接の原因で退職した場合や、前年以前に退職金を受け取ったことがある場合、同一年中に2か所以上から退職金を受け取る場合などは、控除額の計算が異なることがあります。

たとえば勤続期間が29年2か月で退職金が2,300万円の場合を考えてみます。勤続年数は30年となり、退職所得控除額は、800万円+70万円×(30年 − 20年)=1,500万円です。課税対象の退職所得は、(2,300万円 − 1,500万円)×2分の1で400万円となり、退職金の額そのものより大きく圧縮されます。

なお、役員等以外としての勤続年数が5年以下の短期退職手当等では、退職所得控除額を差し引いた額のうち300万円を超える部分には2分の1の計算を適用しません。役員等としての勤続年数が5年以下の特定役員退職手当等には、2分の1の計算を適用しません。

このしくみを受けるには、会社に「退職所得の受給に関する申告書」を提出しておくことが大切です。提出があれば会社が適切な税額を源泉徴収し、原則として確定申告は不要です。提出がないと、退職金の額に一律20.42%を掛けた額が源泉徴収され、あとで確定申告を行うことにより精算します。

応募する前に確認したいこと

早期退職は一度応募すると後戻りが難しいため、募集内容をよく読み、次の点を確認しておきましょう。

  • 自己都合退職か、会社都合退職か

  • 退職金の額と割増の有無、支払いの時期

  • 未消化の有給休暇を退職前に取得できるか。会社独自の買い取り制度があるか

  • 求職活動のための特別休暇があるか

  • 再就職のあっせんやサポートがあるか

特に自己都合退職で給付制限の対象になる場合は、失業給付を受け取れるまでに空白期間が生じます。再就職までの生活費や、退職金にかかる税金を差し引いた手取りを見積もり、当面の暮らしが成り立つかを確かめておくと安心です。会社からの再就職支援がない場合は、自分で求職活動を進める必要があるため、資金と時間の両面で余裕を持って準備しましょう。

早期退職は「準備」で差がつく

早期退職を検討するときは、割増退職金の額だけで判断しないことが大切です。まず、通常の退職金と割増額を分けて確認し、税金を差し引いた後にいくら残るのかを把握しましょう。

失業給付の扱いは、「希望退職」「早期退職」という制度名だけでは決まりません。恒常的な早期退職優遇制度への応募は自己都合として扱われることが多い一方、人員削減を目的とした募集などでは、離職の経緯によって特定受給資格者に該当する可能性があります。最終的な判断はハローワークが行うため、募集要項や会社からの案内は保管しておきましょう。

退職後には、生活費だけでなく、住民税、健康保険料、年金保険料などの支払いも続きます。退職金の手取りと失業給付、再就職後の想定収入を並べ、再就職まで資金が持つかを試算してから応募することが、後悔を避けるポイントです。

《編集部》
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