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注目記事お金の価値観診断を更新「旅行・レジャーのお金のかけ方診断」2026年7月

単身の約3割が貯金なし。慌てないための備えと貯め方

ライフ 貯金
単身の約3割が貯金なし。慌てないための備えと貯め方
単身の約3割が貯金なし。慌てないための備えと貯め方

お盆に実家へ帰り、家族とお金の話になって、「自分はほとんど貯金がない」と急に不安になった人もいるのではないでしょうか。J-FLECの2025年調査では、金融資産を保有していない単身世帯は30.1%。約3人に1人にあたります。とはいえ、急な失業や病気に備えるお金がない状態は、できるだけ早く抜け出したいところです。貯金ゼロから何を優先し、どう積み上げていけばよいのか。無理なく続ける順番を家計目線で整理します。

貯金がない世帯は珍しくない

「貯金がない」と一口にいっても、年齢や収入の割に少ないという意味なのか、蓄えがほとんどゼロなのかで、話はまったく変わってきます。ただし、ここでいう「貯金なし」は、銀行口座の残高がゼロという意味ではありません。J-FLECの調査でいう「金融資産を保有していない世帯」で、日常的な出し入れのために置いている預貯金などは金融資産に含めず集計されています。

同じ調査によると、こうした世帯の割合は単身世帯で30.1%、二人以上世帯で15.7%にのぼります。単身なら3人に1人ほど、二人以上では6世帯に1世帯ほどが当てはまる計算です。貯金がないのは特別な状況ではなく、多くの世帯が同じ立場にあることがわかります。

年代別に見ると、次のような傾向があります。

単身の約3割が貯金なし。慌てないための備えと貯め方

目を引くのが50歳代です。単身で35.2%と、全年代のなかで最も高くなっています。二人以上世帯では20歳代の21.6%が最も高く、50歳代も18.2%と低くありません。20歳代は収入がまだ少なく貯金に回しにくい時期なので想像がつきますが、老後が視野に入る50歳代でも一定数いるのは見落とせない点です。準備を始めるのに遅すぎるということはなく、気づいたときに手を打つことが大切です。

貯金がないと直面しやすい出費

貯金がなくて困るのは、収入が途切れたり、思わぬ出費が重なったりする「いざというとき」です。まず起きやすいのが、勤め先の倒産や解雇などで急に収入が止まる場面です。こうしたときには雇用保険の失業給付があり、一定の期間は生活費の支えになります。ただし受け取れるまでには日数がかかり、給付にも期限があるため、当座をしのぐ手元のお金はあったほうが安心です。

病気やケガも家計を揺らします。医療費そのものは、高額療養費制度によって重い負担になりにくい仕組みが整っています。医療機関の窓口で支払う自己負担が年齢や所得に応じた上限を超えると、超えた分が払い戻されるためです。とはいえ、療養中に思うように働けず収入が減ることまでは防げません。会社員などが加入する健康保険には、働けない期間の所得を補う傷病手当金もありますが、それでも減収を完全に埋めるものではなく、蓄えがあるほど落ち着いて療養できます。

結婚や出産、住宅の購入といったライフイベントにも、まとまったお金が必要です。補助金や税の優遇を使える場面もありますが、頭金や当面の資金がなければ計画は思いどおりに進みません。さらに、家族の介護が始まれば、住宅改修や介護用品などの一時的な費用に加え、毎月の継続的な負担ものしかかります。公的な備えは心強いものの、すべてを肩代わりしてくれるわけではありません。だからこそ、自分の貯金という土台が要になります。

どれくらい貯めれば安心か

では、いくらあれば安心なのでしょうか。必要な金額は家族構成や暮らし方で大きく変わるため、万人に共通する正解はありません。高すぎる目標を掲げると続かないので、まずは手が届く水準から考えるのがおすすめです。

最初の目安になるのが、収入が途切れても当面の暮らしを守れる「生活防衛のお金」です。毎月の支出の数か月から半年分ほどを、すぐ引き出せる預貯金で確保しておくと、失業や病気で収入が減っても慌てずにすみます。ここが整ってから、老後や住宅などの中長期の目標に進むと、優先順位を付けやすくなります。老後に必要な金額は暮らし方しだいで幅が大きいので、世間の平均額を追いかけるよりも、自分の家計に合わせて目標を決めるほうが現実的です。

無理なく貯金を続ける段取り

貯金は、気合ではなく仕組みで続けるものです。取りかかる順番を決めておくと、迷わず進められます。

はじめに、いつまでにいくら貯めるという目標を具体的に決めます。金額と期限がはっきりすると、毎月いくら回せばよいかが見え、続けるはげみにもなります。次に取り入れたいのが先取り貯金です。給料が入ったら生活費より先に一定額を別口座へ移し、残りで暮らす方法で、使ってしまう前に自然とお金がたまっていきます。

そのうえで、毎月の支出を見直します。使っていないサブスクの解約や外食の回数など、無理なく削れるところから手を付けるとよいでしょう。効果が大きいのは、毎月ほぼ決まって出ていく固定費です。住宅ローンや自動車ローンは借り換えで利息の負担が軽くなることがあり、複数の保険は保障の重なりを整理すると保険料を抑えられます。携帯電話を格安の料金プランに変えたり、電力会社のプランを見直したりするのも、一度手続きすれば毎月効き続けます。節約は削りすぎると続かないので、暮らしの心地よさとのバランスを保つことが肝心です。

貯金を増やす選択肢

手元の備えが整ってきたら、お金に働いてもらう選択肢も見えてきます。ただし投資には預貯金と違って元本割れの可能性があるため、長い期間をかけて資産や時期を分ける、長期・分散の姿勢が基本です。

代表的な制度がNISAです。2024年に始まった現行のNISAは恒久的な制度として使え、投資で得た利益に税金がかかりません。年間に投資できる枠は、つみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円で、合わせて360万円までです。非課税で保有できる金額は生涯で1,800万円が上限となり、このうち成長投資枠は1,200万円までとされています。少額から始められるので、まずは無理のない金額でこつこつ積み立てるのが向いています。

老後資金づくりに絞るなら、iDeCoも選択肢です。自分で掛金を出して運用し、原則60歳以降に受け取る私的年金で、公的年金の上乗せになります。掛金の上限は職業や勤め先の年金制度によって異なる点はおさえておきましょう。このほか、民間の個人年金保険もあります。決めた年齢まで保険料を払い込み、その後に年金として受け取る貯蓄型の保険ですが、早くに解約すると払い込んだ額を下回ることがあるため、続けられる保険料で契約するのが安全です。

まずは少額から習慣にする

貯金がない世帯は珍しくなく、単身では約3割、二人以上でも1割台半ばにのぼります。だからといって安心はできず、失業や病気、ライフイベントや介護など、まとまったお金が要る場面はいつ訪れるかわかりません。公的な備えはあっても、それだけで暮らしを丸ごと支えるのは難しいのが実情です。だからこそ、目標を決めて先取りし、固定費を整えるという段取りで、無理のない一歩を踏み出すことが力になります。備えが整えば、NISAなどでお金を育てる道も開けます。夏の家計の見直しをきっかけに、少額からでも貯金を習慣にしていきましょう。

《編集部》
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