
使い道のない土地は市役所に寄付すればいい、と考える方は少なくありません。ですが自治体に受け取る義務はなく、受け入れの条件を公表して、合わない土地は断ることがあると案内している市もあります。手放す先はほかにもありますが、どれも荷物を置いていくようにはいきません。
寄付を受けるかどうかは、使い道か売れる見込みで決まる
自治体が土地の寄付を受けるかどうかは、その土地を行政が使えるか、売ってお金に換えられるかで判断されます。新潟市は寄付の受け入れ要件として、行政活用価値または換価価値が見込まれること、将来に紛争や苦情が発生するおそれがないこと、将来に多額の維持管理費を要するおそれがないこと、農地であれば宅地への転用許可が受けられることなどを公表しています。あわせて、建物などが付属する土地や、権利関係が複雑で換価価値がないと判断した場合は断ることがあるとしています。
基準は市区町村ごとに違うので、この内容がそのまま自分の住む地域に当てはまるわけではありません。まずは財産を担当する部署に、寄付の受け入れ基準を公表しているかどうかから尋ねることになります。
農地は、譲る相手を農業委員会が見ている
農地は当事者どうしの話し合いだけでは動きません。農地の所有権を移すときは、原則として農業委員会の許可が必要だと農地法が定めています。知り合いに譲るつもりでも、許可が出なければ名義は移せません。
一方、相続で農地を取得した場合は許可の対象ではなく、遅滞なく農業委員会へ届け出ることになっています。農地として使えるかどうかを地域で把握するための手続きなので、相続の話が落ち着いた段階で済ませておくと後が楽になります。
相続放棄をしても、その日から手が離れるとは限らない
いらない土地があるからと相続放棄を選ぶ人もいますが、放棄は財産を選り分けてできるものではありません。土地だけを外して預貯金は受け取る、という使い方はできない仕組みです。
さらに、放棄した時点でその財産を現に占有していた場合は、相続人や相続財産清算人へ引き渡すまでの間、自分の財産と同じ注意を払って保存する義務が残ります。引き渡すまでの義務なので、永久に管理し続けるわけではありませんが、放棄したその日に手が離れるとも限りません。

空き家バンクは、自治体が把握している空き家や空き地の情報を集めた仕組みです。国土交通省の枠組みで情報の形をそろえ、自治体をまたいで検索できるようにしたものが平成30年4月から動いています。
動かす前に、名義と地目を確かめておく
どの出口を選ぶにしても、最初に必要になるのは名義と地目の確認です。共有のままなら相手と話をつける必要があり、地目が農地なら農業委員会が関わります。ここがはっきりしないうちに窓口へ行っても、話は前に進みません。登記事項証明書と固定資産税の通知を手元に置いて、市区町村の担当課に相談するところから始めてみてください。


