
証券会社から新規公開株(IPO)の申し込み受付の案内が届き、応募するか迷っている方もいるでしょう。抽選と聞くと運任せに思えますが、個人への配分の一部を抽選で決めることは、日本証券業協会の規則に定めがあります。抽選の割合や扱いは、各証券会社が配分の基本方針として定めています。
案内が届いてから購入するまでの順路
新規公開株は、まだ上場していない会社が取引所に上場する際に、募集や売出しで投資家に渡る株です。流れは大きく、仮条件の提示、需要の申告、公開価格の決定、配分へ進みます。購入の手続きは、申し込む証券会社の案内に従って確認します。
日本証券業協会の規則では、仮条件は需要の調査(ブックビルディング)の際に投資者へ示す価格などの範囲とされ、会社の事業内容や財政状態、専門家の意見などを勘案して決まります。投資家は需要の価格や数量を申告しますが、配分を確保する目的の過大な申告や、同じ需要に基づく複数の申告は、需要の調査に含めてはならないとされています。公開価格は、そこで把握した需要の状況をもとに、払込日までの値動きのリスクなども勘案し、引受けをする証券会社が発行する会社と協議して決めます。
抽選で決まる部分と証券会社ごとの方針
気になるのが、誰に配分されるかです。日本証券業協会の規則は、新規公開株を個人に配分するとき、原則として、その証券会社が個人に配分する予定の数量の10%以上について、抽選で配分先を決めるよう定めています。需要が積み上がらない場合や、抽選の申し込みが抽選する数量に満たない場合などは、割合を下げたり抽選をしなかったりできるとも定めています。
抽選以外の方法で個人に配分する部分も、特定の顧客への過度な集中配分や不公正な配分をしてはならないとされています。そのうえで証券会社は、抽選の割合や扱いを盛り込んだ配分の基本方針を定め、店頭の掲示やホームページなどで投資者に知らせることになっています。申し込む証券会社の基本方針を先に読むと、自分の申し込みがどう扱われるのかが見えてきます。
申し込む前に目を通したい目論見書
見落としやすいのが目論見書です。金融商品取引法は、届出が必要な有価証券などを募集や売出しで取得させるとき、目論見書をあらかじめ又は同時に交付するよう定めています。交付を受けないことに同意した一定の人などには、例外も定められています。
日本証券業協会の細則では、一定の範囲内なら、改めてブックビルディングを行わずに仮条件の上限を上回る、または下限を下回る公開価格を決められます。その可能性と範囲は目論見書などに記載され、証券会社は公開価格が決まる前に、その範囲や決まった価格の確かめ方を投資者に説明することになっています。

当たり外れの前に読んでおきたい書類
新規公開株の抽選は、業界の規則と各証券会社の配分の基本方針に沿って行われます。申し込む前に基本方針と目論見書に目を通し、公開価格が決まってから購入するかを考えても遅くはありません。わからない点は、申し込む証券会社に問い合わせて確かめてみてください。


