新型コロナウイルスの影響は世界中に広まり、収束時期も不透明なためいつ株価の乱高下が収まるのか見通しがつきません。

そのため今後を見越し、株を売却して譲渡損失を確定させるのも選択肢になりますが、その際に確定申告を行うことも選択肢に入れてください。

なぜなら、確定申告には売却損を来年以降に繰り越す制度があるからです。

譲渡所得税の徴収方法

株価とノートパソコン

株の譲渡所得税は、利益に対して20.315%です。

「源泉徴収有」口座の場合

証券会社で特定口座の「源泉徴収有」を選択している場合、証券会社が代わりに利益部分の税金を支払うため、確定申告は不要です

「源泉徴収無」口座の場合

一方、未公開株式や一般口座、特定口座で「源泉徴収無」を選択している場合には、確定申告により、譲渡所得税を納めなければなりません

上場株式の赤字は最大3年間繰り越せる

株の譲渡所得税は年間の売却損益の合計に対して課されますが、損失が発生した場合、給与所得や年金など、他の所得との損益通算はできません

しかし上場株式の売却損については、3年間の損失繰越が認められています

翌年以後に利益が発生した場合には、繰り越した損失と利益を相殺可能です

そのため、利益が全額相殺されれば譲渡所得税の対象金額はゼロになりますので、税金は課されません

今後も株の売買を行う人は、株の売却損が発生した場合に損失額を繰り越すことも検討しましょう。

「源泉徴収有」でも損益通算で税金が還付される

確定申告書と電卓

証券会社で特定口座の「源泉徴収有」を選択している場合には、証券会社ごとに税金が天引きされます。

そのため複数の証券会社で株の取引をしている人で、口座ごとに利益と損失が発生している場合には、確定申告により双方の損益を通算することになります。

そして「源泉徴収有」を選択している口座の売却益と、それ以外の売却損を損益通算する場合には、「源泉徴収有」を選択した口座で納めた譲渡所得税が還付されます

ただ上場株式に対する譲渡所得税は、国税が15.315%・地方税が5%と分かれているため、納めた税金は1度には戻ってきません

譲渡損失の繰越制度は確定申告が必須

株の譲渡損失の繰越制度は、確定申告で繰り越す申請を行わないと適用されない制度です

また特定口座の「源泉徴収有」を選択している場合、株の譲渡所得の内容を除いて確定申告を行うと、申告期限後に「源泉徴収有」の損失繰越の追加申告はできません

ただし、申告期限内であれば訂正可能です

なお確定申告の手続き期間は、通常「翌年2月16日から3月15日までの1か月間」ですが、令和元年分の所得税の確定申告期間は、新型コロナウイルスの影響で令和2年4月16日まで1か月延長しています

これから令和元年分の手続きを行う方は、申告期限に気をつけて手続きしてください。(執筆者:平井 拓)