サヤ取りは、サヤの動きがわかりやすい2銘柄のペアに同時に仕掛け、サヤの開閉で利益を得る手法です。

これがサヤ取りの基本ですが、サヤ取りがうまくなると、このような基本パターン以外でもサヤ取りを活用できます。

サヤ取りの応用

BuyとSellのダイス

例えば、一般的によく行われている買い・売りどちらか一方向の投資においても、サヤ取りによって損失リスクを軽減できる場合があります。

「片張り」と「片玉」

買い・売りどちらか一方向に仕掛けることを「片張り」といいます。

また、片張りしたポジションのことを「片玉」といいます。

「片張り」「片玉」といった単語は、やや古い相場の本などで使われることが多いものですから、あまり聞きなれない単語かもしれませんが、本稿の説明ではこのように表現をします。

「片玉をサヤにつなぐ」テクニック

片張りで仕掛けるとき、例えば安いと思って買ったものの、なかなか値上がりせずに横ばいの動きをしたり、値下がりしたり、うまくいかないことも多いものです。

値下がりをした場合には、早めに損切りするか、そのまま様子を見るか、ナンピンで買い下がるか、いくつかの選択肢が考えられます。

できるだけ早めに対処すべきですが、損切りした後に値上がりに転じることもあり、なかなか判断が難しいところです。

このとき、サヤ取りを応用することによって、この状況から利益を得られます。

すでに仕掛けた片玉に対し、サヤが有利になっている銘柄に仕掛けてサヤを取ることで、損失の軽減、あるいは利益をねらえるのです。

これが、「片玉をサヤにつなぐ」というテクニックです。

具体例

以上の説明だけでは分かりにくいので、「片玉をサヤにつなぐ」具体例を見てみましょう。

銘柄Aを1,000円で買ったところ、950円まで下がったとします。

50円の含み損が出ている状況です。

ここで損切りすれば50円の損失ですが、ここでサヤが有利に動いている銘柄を仕掛け、片張りからサヤ取りに切り替えることで対処を図ります。

(1) 銘柄Aとサヤ取りできる銘柄Bを探す

株価をみるビジネスマン

まずは銘柄Aとサヤ取りできる銘柄Bを探します

(2) 銘柄Bを売りサヤ取りの形を作る

銘柄Aとサヤ取りできる銘柄Bのペアで、サヤが50円~200円の範囲で開閉しているとします。

このようなペアであれば、通常のサヤ取りでは、

・ サヤの拡大を取る仕掛け:サヤが最小の50円の水準に達したら、銘柄Aを売り、銘柄Bを買う

・ サヤの縮小を取る仕掛け:サヤが最大の200円の水準に達したら、銘柄Aを買い、銘柄Bを売る

を考えます。

サヤ取りの基本的な仕掛けについて、詳しくは以下の記事を参考にしてください。

【関連記事】:【株式サヤ取り】基本の仕掛けは2パターンだけ すぐに実践できる方法と具体例を解説します

銘柄Aが950円の現在、銘柄Bは1,150円となっており、サヤが最大の水準である200円となっていました。

この場合、上記の通りサヤの縮小を取るよう仕掛けます

すでに銘柄Aは買っているため、銘柄Bを売ることでサヤ取りの形を作ります

(3) サヤが縮小すれば利益が得られる

その後、サヤが縮小すれば利益が得られます

銘柄Aが下落を続けても、傾向としてはサヤが50円の水準に向かって縮小していくものと考えられます。

例えば、銘柄Aが900円、銘柄Bが950円となり、サヤは50円に縮小するといった流れです。

ここで両銘柄を同時に決済すれば、

・ 銘柄A:1,000円で買ったので100円の損失

・ 銘柄B:1,150円で売ったので200円の利益

となり、差し引き100円の利益が得られます。

片玉となっていた銘柄Aをサヤにつないだことで、含み損を利益に転じられました。

応用も見すえて練習を

片玉をサヤにつなぐ手法は、サヤ取りの応用型です。

はじめからサヤ取りを目指すのではなく、結果的にサヤ取りに切り替えるため、基本的なサヤ取りができなければ実践しにくい方法といえます。

逆に言えば、基本的なサヤ取りをマスターしていれば、このような応用も可能です。

これからサヤ取りを学ぶ人は、このような応用も見すえて練習していくことをおすすめします。(執筆者:兼山 艮)