現代日本では高齢化が進行しており、それに伴い介護が必要な方も増加しています。

家族などの介護が必要となった際に専門職に介護をお願いする介護保険サービスを利用するという方も、介護保険制度が開始した当初に比べると大きく増加しました。

しかし、介護保険サービスは有料であり、その費用が生活の負担となっている人も少なくありません。

今回は、介護サービスをたくさん利用している方必見の「高額介護サービス費支給制度」を紹介していきます。

「高額介護サービス費支給制度」の対象者は多い

高額介護サービス費支給制度の上限額

≪画像元:渋谷区役所

高額介護サービス費支給制度」は、上限額を超えて介護サービスの利用料を支払った場合に、上限を超えた費用が還付される制度です。

世帯員の収入状況や世帯の構成人数などによって、介護費用を負担する上限額は人それぞれ異なります

負担上限額は1か月単位で定められており、月額1万5,000円~4万4,400円の間

です。

収入によって上限額に規定はありますが、

・ 市県民税が課税されている人

・ 一般の所得よりも多い収入があるとみなされている人

であっても、上限額を超えて支払いをした場合には利用可能であるため、対象者が非常に多い制度と言えます。

また、「高額介護サービス費支給制度」は、介護保険料の滞納がある場合には利用できないため注意しましょう。

「高額介護サービス費支給制度」の適用対象

高額介護サービス費の適用対象になるお金について見ていきましょう。

介護サービスの支払いは、介護保険適用部分と適用外(実費)部分に分かれます。

高額介護サービス費の対象となる支払いは、このうちの介護保険適用部分のみです。

介護保険の適用外部分の例としては、

・ 通所介護や短期入所介護を利用した時の食事代や居室料

・ 散髪代

・ 日用生活品費

などが挙げられます。

対象料金の確認方法は領収書

介護保険の適用外部分は高額介護サービス費の支給対象として含まれないため、注意してください。

介護サービスを利用して料金を支払うと事業所から領収書が発行されます。

そこには、介護保険適用部分と適用外部分の料金が分かるように記載されているため、確認してみるとよいことでしょう。

介護保険サービスの中にも対象外アリ

また、介護保険が適用されるサービスの中でも、「住宅改修費支給」と「福祉用具購入費用」は高額介護サービス費の支給対象とはなりませんので注意が必要です。

高額介護サービス費の支給申請には時効がある

高額介護サービス費の支給申請には時効が定められているため、高額介護サービス費の支給を受けられる可能性がある場合には、早めに申請をすることをおすすめします。

実際に介護サービスを利用して対象となった月が発生してから2年以内に支給申請をしなければ、その月に対象となった高額介護サービス費を支給する権利が消滅してしまいます。

申請の期限が切れるからといって、そのお知らせが改めて届くということもありません。

2年を過ぎてから気付いて申請したとしても受給できないため、早めに支給申請しましょう。

また、高額介護サービス費の支給申請は、

手続きを一度してしまえば、その後は高額介護サービス費が発生する事象が発生した際に自動的に指定口座へ振り込まれます

ので安心です。

もしも何かの事情があって、振込口座を変更したい場合には書面での手続きが必要です。

特に、対象者が死亡した場合にはその方の口座が凍結されてしまうため、残された家族が手続きをしなければそのお金を受け取ることができません。

忘れずに手続きしてください。

申請しなければ還付は受けられない

高額介護サービス費の支給制度は、該当する方が比較的多い制度です。

日本で設けられている経済的負担の軽減制度は、利用者からの申請制となっているため、申し出がない限りは還付は受けられません。

初めての手続きは億劫に感じてしまうものですが、該当する可能性があると感じた方はぜひ申請してください。

分からないときには担当のケアマネージャーに相談しましょう。

また、どの程度の介護サービスを利用すると高額介護サービス費の支給制度の対象になるのかなどを知っておくことも安心材料になります。

いつまで続くかわからない介護を支援してくれる制度はいろいろとあります。ぜひ利用しましょう。(執筆者:老人ホーム施設長 佐々木 政子)