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【贈与税】対象になる財産 「生活費」「入学金」「学費」「引越し費用」負担してもらうと課税対象になるのか

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【贈与税】対象になる財産 「生活費」「入学金」「学費」「引越し費用」負担してもらうと課税対象になるのか

春先には、大学の入学祝いや就職祝いをもらったり、祖父母から引っ越し費用や入学金・授業料を援助してもらう人もいるかと思います。

これらのお金は贈与税の対象になる可能性があります。贈与税はもらった人が申告する税金です。

一定金額を超える贈与を受けると贈与税の確定申告手続きが必要ですので、贈与税の対象になる財産について解説します。

【贈与税】の課税対象

「生活費」「教育費」は贈与税の非課税対象

財産を無償でもらった場合には、基本的には贈与税の対象です。

お金や物以外にも、ご飯を奢ってもらったり借金を帳消しにしてもらうなどの経済的利益を受けた場合も贈与税の対象です。

しかし、贈与を受けた場合でも扶養義務者との間で生活費に充てるもののうち、通常必要と認められる贈与は非課税対象です。

扶養義務者は、民法では次の方々のことを指します。

扶養義務者の範囲

・ 配偶者

・ 直系血族(両親、祖父母)

・ 兄弟姉妹

・ 家庭裁判所の審判を受けて扶養義務者となった3親等内の親族

・ 3親等内の親族で生計を一にする者

「通常必要と認められるもの」とは、贈与を受ける側(受贈者)の需要と、贈与する側(贈与者)の資力などを勘案し、社会通念上適当だと認められる範囲の財産のことを言います。

親が子の学費の負担することは通常範囲内に該当しますし、大学生活のための仕送りも通常必要と認められる範囲であれば贈与税は非課税です。

一方で、親から高級腕時計や車をもらった場合には「通常必要と認められるもの」とは考えにくいため贈与税の対象です。

「入学祝い」は贈与税の対象になる可能性がある

「入学祝い」としてもらう財産は各家庭で異なりますし、贈与税の課税対象に該当するかどうかは受け取った財産ごとに判断します。

もしも入学祝いでもらった財産が贈与税の課税対象になったとしても、実際に贈与税の申告手続きをするケースはほとんどありません。

贈与税には110万円の基礎控除額があり、贈与財産が110万円以下であれば贈与税の申告は不要だからです。

一般的なご家庭であれば入学祝いで110万円を超える財産をもらうことはほとんどないと思いますので、贈与税をそこまで気にしなくても大丈夫です。

別世帯の祖父母が「入学金」を負担した際には要注意

将来の学費は贈与税の対象

民法上では祖父母は孫の扶養義務者ですので、孫の入学金を支払ったとしても贈与税の非課税対象になると思われるかもしれません。

しかし、祖父母と両親・子が別々の世帯の場合に祖父母が「入学金」を負担することが、贈与税の非課税対象となる「通常必要と認められるもの」に該当しない可能性もあります。

また、贈与税非課税になる「生活費」や「学費」は、必要になった都度受け取ることが条件となっているため、将来の学費を事前に受け取った場合には贈与税の対象です。

なお、

贈与税には特例制度として「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度」

があります。

教育資金の非課税制度は、直系尊属(祖父母など)からの教育資金の贈与が最大1,500万円まで非課税になる特例です。

もらったお金は、原則として30歳までに「学費」などの教育目的で使い切ればよいため、一度にまとめて学費の支援を受ける際には教育資金の非課税特例の利用も検討してください。

贈与税は年間でもらった合計金額が対象

贈与税は、1月1日から12月31日までの1年間でもらった贈与財産の合計金額が対象です。

1年のうちに複数回の贈与を受けた場合には、金額を合計して110万円の基礎控除額を超えるかどうかを確認してください。

基礎控除額を超えた場合には贈与税の申告・納税が必要ですので、対象年分の2月1日から翌年3月15日までに贈与税の確定申告手続きをしてください

なお、令和2年分の贈与税の申告期限は、令和3年4月15日です。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)

《平井 拓》
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平井 拓

執筆者:元税務署職員 平井 拓 平井 拓

12年勤務した税務署を退職し、ライターとして活動してます。税務署時代は資産課税部門に所属しており、相続税・贈与税・所得税が専門でした。 脱税は嫌いですが、節税は好きです。少しでも税金を身近に感じていただける文章をお届けします。 寄稿者にメッセージを送る

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