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安心の老後のために「やっておくべきこと」ベスト5 ちなみに投資は最下位

シニア 退職金
安心の老後のために「やっておくべきこと」ベスト5 ちなみに投資は最下位

「老後の資金がありません!」という映画が、公開2日で観客12万人を動員し、ヒットの兆しを見せています。

私もちょい役で出させてもらっているのでいろいろな人から話を聞きますが、

「とにかく、老後が不安。どうすればいいの」

というようなことをよく聞かれます。

そこで今回は「老後が不安だけれど、何をしたらいいのかわからない」という人のために、豊かな老後を迎えるためにやっておかなくてはいけないことを、優先順位をつけて1番から5番まで、私なりに考えました。

安心の老後のためにやっておくべきこと5位まで

豊かな老後を迎えるために「やっておかなくてはいけないこと」ベスト5

1番:借金をなくす

2番:子供を稼げる社会人にする。

3番:共働きをする

4番:収入の1年分を貯金をする

5番:投資をする

これを見ると、「投資」と言うのは順位がかなり低いです。

政府が言うように、iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)やNISAをやれば老後が安心というわけではないことがおわかりいただけると思います。

そこで、1つずつ見ていきましょう。

1番:借金をなくす

なぜ、「借金を無くす」ということが1番にくるのかといえば、借金を抱えたままだと返済に追われて、豊かな老後など望めないからです。

たとえば35歳で住宅ローン2,000万円を金利1.5%、35年返済で借りると、月々の返済額は6万1,236円です。

65歳で年金生活に入ってもこの額を70歳まで払い続けることになり、ただでさえ不安な年金生活を、ますます不安なものにしかねません。

ですから、まだ子供が小さくて教育費がそれほどかからないあいだにしっかり貯金して、45歳くらいまでに250万円ほどの繰上げ返済をしておけば、年金生活前に住宅ローンを終わらせることができます

ちなみにこのケースでは、45歳までに250万円の繰上げ返済をしておくと、350万円以上ローンの総返済額が減ります。

250万円投資して、確実に10年程度で350万円になる投資先などありませんから、投資と比べてもいかに有利かわかるでしょう。

2番:子供を稼げる社会人にする

働かず、いつまでの親元にいる子供が増えています。

「子供・若者白書」によれば、満15歳から満39歳で、求職活動をせず、家事の手伝いや通学などもしていないで家に閉じこもっている、一般的に言われる「ひきこもり」の若者と、近所のコンビニくらいまではいくけれどそれ以上は外に出られないという若者が、2018年時点で約61万人いるそうです。

もちろん、精神を患うなど病気で外に出られない子供には親の庇護が必要ですが、そうでなければ働かせる。

文部科学省の調査では、せっかく大学まで卒業したのに、13.6%の子供が進学も就職もしていない状況です。

7人に1人は、大学を卒業したのに、就職もせず親のスネをかじっているというのですから驚きます。

今、大学を出るまでの教育費は子供1人約1,000万円かかります。

教育費のために借金する親もいますが、肝心の子供が働かずにスネをかじり続けたら、それだけで親の老後は不安だらけになってしまいます。

子供を良い大学に入れることよりも、働いて自立できる社会人に育てることのほうが大切な時代なのです。

子どもの自立が老後の安心の礎

3番:共働きをする

終身雇用・年功序列が守られていた時代には、会社を辞めるまでは給料が上がり続け、辞める時の高い給料を基準に退職金や年金をもらったので、老後は安泰でした。

けれど今は、50代になると役職定年で給料が下がり、60代は雇用延長で給料が下がります

そんな時代にあっては、ご主人1人の細腕で家族を養っていくのは大変です。

妻にも働いてもらい、ダブルインカムを目指しましょう。

そのためにきは、家事の分担など、ご主人も協力しなくてはいけません。

4番:収入の1年分を貯金をする

借金もなく、子供も働き、妻も働く家庭になっていたら、イザと言う時のために、最低でも年収1年分くらいの現金貯金をしておきましょう。

先の見えない時代なので、もしかしたらリストラなどということも起きるかもしれません。

そんな時に、最低でも年収1年分の蓄えがあれば、失業保険と合わせて1年半から2年くらいは、慌てて悪い条件で再就職しなくても、スキルアップして良い就職を探す余裕ができます。

最低でも年収1年分の現金貯金を

5番:投資をする

1番から4番までできている人は、5番目に投資を考えましょう

投資は増える可能性もありますが、減る可能性もあります

ですから投資をするなら、あらかじめ借金をなくし、貯金を確保した上で、それ以上あるお金で投資口座をつくりましょう。

もうかればいいですが、

目減りさせて投資口座のお金が底をついたら、そこでスッパリ投資をやめる

そうすれば、生活していく上での悪影響は防げます。

もちろん投資に自信がある方なら、こんなアドバイスは無用だと思いますが「投資をしてお金を増やさないと老後が不安になる」などという金融機関の言葉にあおられ、すすめられるままに投資商品を買っているような人の場合には、まずこれくらいの用心は必要でしょう。(執筆者:経済ジャーナリスト 荻原 博子)

《荻原 博子》
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荻原 博子

執筆者:経済ジャーナリスト 荻原 博子 荻原 博子

経済ジャーナリスト 1954年生まれ。経済事務所勤務後、1982年からフリーの経済ジャーナリストとして、新聞・経済誌などに連載。女性では珍しく骨太な記事を書くことで話題となり、1988年、女性誌hanako(マガジンハウス)の創刊と同時に同誌で女性向けの経済・マネー記事を連載。難しい経済やお金の仕組みを、生活に根ざしてわかりやすく解説し、以降、経済だけでなくマネー分野の記事も数多く手がけ、ビジネスマンから主婦に至るまで幅広い層に支持されている。バブル崩壊直後からデフレの長期化を予想し、現金に徹した資産防衛、家計運営を提唱し続けている。新聞、雑誌等の連載やテレビのコメンテーターとしても活躍中。「私たちはなぜ貧しくなってしまったのか」(文藝春秋)「一生お金に困らないお金ベスト100」(ダイヤモンド社)など著書多数。 寄稿者にメッセージを送る

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