モノを大切にするのはいいことですが、かといって、たくさんのモノを所有することが良いということではありません。
モノが多いほど、お金は出て行きます。モノが多いと片づけや掃除にかかる時間がとられてしまいますし、かと言って片づけをしなければ家は居心地が悪くなってしまい、仕事のパフォーマンスにも影響するかもしれません。
モノを少なくすれば、
モノを買う頻度が減るのでお金を使う機会が減ります。
片付けや掃除も楽なので、時間の節約にもなります。
モノの管理も楽になるので、気持ちにもゆとりがでます。
でも、分かっていてもモノを減らせない人も多いんですよね。モノを減らすのが上手な人と何が違うのでしょうか?
目次
モノを減らして困ることはないの?
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わたしはモノをよく手放すのですが、たまに「困ることは無いの?」と聞かれることがあります。モノを捨てられない人は、「困るかもしれない」という不安のせいでモノを手放せないのですから、疑問に思うのも当然です。
結論から言えば、困りません。
モノを手放せない人の言う「困る」というのは、「今まで使ってきたものが無いから困る」ということですが、わたしが思う「困る」の意味合いとは違います。
困るというのは、生活に支障をきたす、という意味です。
あるモノを手放すことによって
・仕事ができなくなって収入が減る
・衣食住の何かが欠ける
・命に関わる
こういったことがあるなら、それは「困る」ということです。
ところが、たいていのモノは、手放したところでこういった支障をきたすことがありません。
お客様用の布団を手放す場合、捨てられない人は「来客時に布団がなくて困る」と言いますが、捨てられる人は「レンタルすればいい」と思っているので困りません。
そもそも、頻繁に泊まりの来客があるならまだしも、たまにしかない機会のためにとっておく方がもったいないのです。それにより、押入れの容量、たまに天日干しする手間、労力、シーツの買い替えなどの費用がかかっていますからね。
わたしの場合は「死ぬわけじゃあるまいし」と考えることが多いですよ。
捨てられる人は「見えない不便」に気付いている
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モノを持たない快適さというのは、分かりにくいものです。1つモノを手放したぐらいでは、何も状況は変わりませんのでその快適さに気付けない。
一方、モノを買う快適さというのは、「欲しいものを手に入れた」という喜びや、「欲しいモノが買える」という満足感など、分かりやすい自由を手にすることです。
話は変わりますが、健康のためにサプリメントを飲み始めても、三日坊主になる人は多いですよね。「本当に効いているのかな?」と効果が分かりにくいからです。飲み続けていれば風邪をひきにくくなるなどの効果はあるのに、効果が分かりにくいためにいつのまにか飲むのをやめてしまいます。
モノを捨てるということも、これに似ています。モノを持たない暮らしというのは、続けてみてようやくその快適さが分かります。分かりやすい快適さを重視しているうちは、頭では「モノを減らした方が節約になる」と分かっていても、モノを手放すことができないのかもしれません。
1つモノを捨てただけでは何も変わらなくても、ここ1年間着ていない服をすべて処分したり、押入れに押しこめてある頂きもののタオルや食器をすべてリサイクルショップに売ったりすれば、生活はガラリと変わります。
まず家の中が広くなり、広くなれば片づけがしやすくなり、モノを買うときにも「家が狭くなるから嫌だな」と思うことで買う頻度が減り、日々の片づけも、モノのお手入れも、すべてが楽になります。
モノを手放すのが上手な人というのは、この快適さの方を大事にしているため、躊躇なくモノを手放すことができるのです。
思い出の品であっても、いつまでも残しておけば虫食いができたり色が変色したり、カビが生えてしまったりと劣化してしまうもの。それよりも、キレイな状態で写真におさめて、現物は処分してしまった方がいいというのがわたしの考え方です。
「大切にする」という言葉の解釈が違う
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モノを捨てずに手元に置いておくのが「大切にする」ということではありません。
モノを大切にするというのは、「いつも身近に置いておき、きちんと手入れしている」ということです。
押入れに押し込めて、たまに片づけするときに眺めてまた片づける、というのは大切にしていることだと思わないのです。
日本には古来からアニミズム信仰だとか八百万の神といった言葉がありますが、わたし自身もなんとなくモノを擬人化して接するクセがあります。
だから、ろくに換気もしない収納スペースにモノを入れっぱなしにすることに抵抗がありますし、それぞれのモノに快適に過ごしてもらうには、モノをギュウギュウに詰め過ぎない、ということが大切なんです。
そして、時間も体も有限ですから、自分が手入れできるモノの量にも限界があります。「自分がちゃんとお手入れできる量のモノしか持たない」ということが、モノを大切にするということだと考えているわけです。
とは言え、考え方は簡単には変えられません。節約のためにも快適な暮らしのためにもモノを減らしたいと思うなら、まずは実際にモノを手放すことから始めましょう。
衣類や本は「いる・いらない」の判断が比較的しやすいので、手始めに整理してみるのがおすすめですよ。(執筆者:吉見 夏実)
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