目次
はじめに
エンディングノートや生前供養など、一時の終活ブームは過ぎ去り、今では皆さんそれぞれが自分自身にあった最期は? と考え、情報収集をされている方もいます。
皆さんはご自身の遺言を書いたことはありますか?
中々、遺言を書くというタイミングや習慣はないですよね。
私は実家のマンションを購入した際に、遺言を書きました。もしも私になにかあった場合、財産分与で揉めることがないようにという対策として準備しました。
もちろん、遺言を書くのは初めてのこと。
実際に書いてみると、それまで抱いていた遺言のイメージ(暗い、重いなど)とは異なり、所有する財産を誰に使って欲しいか、という「公式のメモ書き」のようなイメージでした。
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遺言とは
人が自分の死後、その効力を発生させる目的で、あらかじめ書き残しておく意思表示。
遺言が法律上の効果を生じるためには,民法の定める一定の方式に従ってなされることを要する(→ 遺言証書。960条)。遺言でなしうる行為は、認知、後見人の指定、相続人の廃除、遺贈、寄付行為、相続分(→ 相続)の指定、遺産分割方法の指定、そのほか法律で定められているものにかぎられ、それ以外の事項に関するものは法的効果を生じない。
(ブリタニカ国際大百科事典 )
上記の説明の通り、遺言は意思表示となります。
家はこうして欲しい、ペットは○○さんに飼育して欲しい、財産の50%は△△財団に寄付して欲しい、など様々です。
その方がこれまでお世話になった方へ遺されるケースやペットのように、その後もお世話になる方へ遺されるケースが多いと聞いております。
遺言を書くタイミング
家計の見直しの場合は、ライフイベント(就職、結婚、家の購入、出産、退職など)に変化のあるタイミングで行うのですが、では、遺言を書くタイミングはいつが良いのでしょうか?
遺言を書くタイミングは難しいですよね…
公正証書遺言を依頼される方は60歳代から増えてくるそうです。
確かに、後世に残したい財産などが形成されるのは定年に近い年齢とも言えるのかもしれません。
しかし、30歳代でも40歳代でも大切なものは、たくさん所有しているはずです。
お若い方でしたら、健康診断の節目検診のように30歳、35歳、40歳などで書いてみるのも良いかもしれません。
現に、リタイヤされた方々は還暦、古希、喜寿、など節目の年に書かれているそうです。
遺言の種類
遺言には3つの種類があります。
自分で遺言の全文・氏名・日付を自書し、押印する
(2) 公正証書遺言
本人と証人2名で公証役場へ行き、本人が遺言内容を口述し、
それを公証人が記述する
(3) 秘密証書遺言
本人が証書に署名・押印した後、封筒に入れ封印して公証役場で証明してもらう
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遺言書には、決まった様式(フォーマット)はありませんが内容の書き方には要件や形式があります。
要件を満たせず無効になってしまう場合がありますので注意が必要です。
先ずは、メモ書きから始まり、ある程度の準備が必要になってきたら、自筆証書遺言を書いてみるのも良いかもしれません。
最終的には費用は掛かりますが、公正証書遺言が一番、有効性が高く安心・安全な遺言になりますので公正証書遺言を準備されるのが良いかと思います。
遺言がもたらす効果
今回のコラムを書くにあたり、自分自身が「今」書くとしたらどのような遺言を残すのかシミュレーション(メモ書き)をしてみました。
・ 不動産、預貯金
法定相続割合で相続して欲しい
・ 洋服や書籍
親族で分けてもらい、いらないものはリサイクルショップや寄付(特に書籍は必要としてくれるところへ寄付して欲しい)
・ 会社の権利等
お客様のフォローやご契約の維持等
→ 東京都の方は株式会社○○へ、神奈川県の方は△△株式会社へ移行をお願いする
・ 供養
3回忌までの法要代を遺し、後は共同供養へ
書籍はどこへ寄付したら良いかな、会社はどこが安定して引き継いでお客様を大切にしてくれるかな、など、これから考える課題もたくさん見つかりました。
遺言を書くことで、これまで大切にしてきた人や物を改めて確認し、今とこれからの生き方を大切にしたいという想いを与えてくれるという効果がありました。
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おわりに
「遺言」と聞くと、硬く、暗く、重たいイメージが私はあったのですが一度、書いてみることで、そのイメージは払拭されます。
解決しなくてはいけないこと、これから対策を取らないといけないこと、様々なことが分かります。
同時に、自分自身や自分を取り巻く環境に感謝する気持ち、これからやるべきことなどが見えてきます。
よく、お墓の準備をすると長生きすると言われます。
不安やストレスが解消し、ホッとすることで穏やかな時が過ごせるのかもしれません。
遺言もその1つ。メモ書きするだけでも、その後の生き方や暮らし方に影響を与えてくれます。何事も準備が早い方がラク!
病気になってから、高齢になってからではなく、健康なうちに、節目の年に書いてみるのも良いかもしれません。
老後の不安が1つでも軽減できれば幸いです。(執筆者:藤井 亜也)