サッカー日本代表、W杯決勝トーナメント進出おめでとうございます。
私はサッカーには全く興味ありませんが(『クローズアップ現代』など好きな番組がカットされてしまうのが残念でならない)、素直に賛辞を送ります。
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目次
日本人のスタイルは「ほっといてほしい」
さて私が興味を持っているのはサッカーそのものよりも、その周辺です。
今回も日本サポーターは観客席でゴミ拾いをして世界から注目されているらしいですね。
しかし、これまでは賛辞一辺倒だったこのサポーターの行為にも、今回は賛否両論が起こっているとか。
こういうの、賛否の「否」のご意見が気になります。マイナーであればあるほど…。
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はい。「否」はようするに、清掃員の仕事を奪うじゃないかというご意見です。
それはごもっともですね。ということは日本のスタジアム運営って、その分コストを抑えられているのでしょうか。
これは「効率が良い」と評価すべきか「雇用の妨げだ」と評価すべきか、悩ましいですね。
私はきっぱり前者の立場にいますが、「失業率が増えるじゃないか」とか「分業化こそが経済発展だ」とか言われると、ちょっと弱い。
でも私はこの件に関しては、こう思うのです。
「ほっといてほしい」
だって、文化じゃないですか。日本人はそうなんでしょうよ。
子ども時代を過ごした学校では、掃除や給食の配膳を自分たちでやってきたんですよ。
大人になっても、自分で食器を返却口に持っていくスタイルの食堂やフードコートが、けっこう好きなんですよ。
そういうスタイルなんです。ほっといてほしい。
W杯のようなスポーツイベントって異文化理解の場でもあるのではないでしょうか?
わが家のスタイルも「ほっといてほしい」

でもこの「ほっといてほしい」、なぜかもっと小さな場ではうまく機能しません。
どうしてか、私たちは周りの人たちと比べてしまいます。
(2) 安全面が吟味された、割高な食材を毎日使っている。[食費]
(3) 週に1度は外食に行く。[食費]
(4) 子どもたちには複数の習い事をさせたり、私立学校に通わせたりしている。[教育費]
(5) 子どもたちと関わる時間をたっぷりとっている。[教育費?]
(6) 月に何着かは、百貨店で服を購入する。[衣料費]
(7) 年に数回は家族旅行に行く。[レジャー費]
(8) 知人友人にさそわれたランチ会や飲み会は断らない。[交際費]
(9) マイカーを持っている。[車費]
(10) 毎月美容室へ通う。[理容・美容費]
(11) 共働きではない。[収入]
(12) 残業や休日出勤が少ない[収入]
思いつくままにざっと書き出してみました。
ヒントは私が使っている家計簿の「費目」(1)~(12)それぞれの末に記載しました。
(1)~(12)のすべての実現なんて、不可能でしょう!
高収入なご家庭でも、(1)、(2)、(3)、(4)、(6)、(7)、(8)、(9)なんかが標準的なご家庭より膨らむと聞いておりますので、やはり不可能でしょう。
でも、(1)~(12)のなかのいくつかで良いのであれば、どのご家庭でも実現しているのではないでしょうか。
わが家の場合は(1)、(2)、(5)、(11)、(12)が実現しています(おお、5つもあった!)。
しかしたまに言われるんですよね。
「マイカー無くて不便じゃない?」って。「子どもに習い事させなくていいの?」って。特に身内は言いますよね…。
はい。ほっといてほしい。それなら私だって言いたくなってしまいます。
「なんでアナタのご自宅、駅まで徒歩すぐなのにマイカーが必要なの?」って。
「共働きで毎週のようにお出かけするのに、なんで立派な自宅をもつ必要があるの?」って。でも言いません。自由ですから。
わが家の芝生は青い
うちの夫婦は、とにかく子どもと遊ぶのが好きなんです。だから(5)は必須です。
そしてそこから自動的に(11)と(12)がついてきました。
逆に、自家生産するから(4)はいりません。
夫は「おれと遊んでるほうが賢い子になる」なんて言っています。ほんまかいな。
それに子どもには、幼いうちからドタバタしてほしかったので、(1)はちょっと無理して手に入れました。
放っておいても劣化していくマイホームですから、子どもたちには一生懸命消耗させてほしい。
ということで、自宅や自宅周辺で遊びます。
自転車でどこまでも行きます。遠方は電車です。(7)、(9)は要りません。
それから、夫は手を付けずにおくといつまでも古い服を着続けるダサい人。
最低限見られるようにと、ファストファッションで小ぎれいにはさせています。
外出も少ないので、よそ行きの服も最小限ということで、(7)そして(10)も要らない。
(2)、(3)、(11)はバランスだと思います。
わが家は(2)だけを選びました。だって私、料理が好きだから。
あまり深く考えず挙げてみた(1)~(12)の項目ですが、7つ失っていてもわが家はけっこうハッピー。
自慢したいくらいです。わが家の芝生は青い。
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おたくの芝生も青い
もちろん、これを真似しましょうと言う話では絶対にありません。
だって、
だからこその話だからです。
それがわが家の強みであり、強みを生かして家族を経営しているのです。
そこにはお金だけでなく、時間や体力、能力や趣向といった要素が複雑にからみあっています。
ここで読者のみなさまに質問です。
周辺の地理に明るくて車の運転が上手なことですか?
手芸が上手で子ども服なんてお手のものなことですか?
街を歩けば注目を集めてしまうくらいオシャレなことですか?
それとも、夫婦ともバリバリ働いて賃金収入が多いことですか?
それらの家族の強みを生かした家族マネジメントの方法が、きっとあるはずです。
最悪なのは、自分たちの強み弱みを理解しないままに「他人がやっているから」とまねして自分たちのスタイルを崩してしまうことです。おたくの芝生も青いんですよ!
ということで、日本人サポーターがこれからもゴミを拾い続けることに私は賛意を示します。
私も、それが雇用創出を阻むのだとしても、公共スペースはきれいに使い続けます。
わが国のスタイルがそっちに重きを置く方が、私たちには暮らしやすいと思うので。(執筆者:徳田 仁美)