世界経済の先行きが不透明になり、株式投資に不安を覚えている人も多いと思います。
もちろん筆者もその一人。
リーマンショックから11年近くが経ち、不穏な空気が立ち込めています。
このような時、私たちはどのようにして長期投資にのぞめば良いのでしょうか。
一つの回答として長期に渡って安定した「配当」を受け取る、という戦略があります。
本記事では、配当にこだわった投資信託を紹介いたします。
目次
25年以上の増配企業だけに投資をする商品とは

「SMT米国配当貴族インデックス」という投資信託があります。
S&P500(アメリカを代表する大型株500社の指数)から25年以上連続して増配している銘柄だけに投資をする商品です。
特徴は以下の4点です。
・ 連続増配25年以上の企業
・ 時価総額30億ドル以上の企業
・ 各銘柄の比重を均等化
企業の時価総額ではなく、各銘柄に対して均等に投資をしている点も良いです。
例えば、SMT米国配当貴族インデックスのうち、1社が20%近い比率を占めていた場合、その企業の業績次第では投資信託全体の価値が下がってしまいます。
SMT米国配当貴族インデックスは57銘柄に分散しているので、1社がこけたとしても安定した運用が可能ということですね。
また、25年以上ということはリーマンショックの時にも、配当は増額していたということ。
成熟しきった上で、それだけ安定した商売をしている企業ともいえますね。
日本で25年以上連続増配をしているのは「花王」一社だけです。
米国配当貴族インデックスは、その名のとおりアメリカの企業へ投資する商品となります。
為替の影響や、アメリカ一国集中が不安という方もいらっしゃると思いますが、グローバル化の影響で世界はどんどん狭くなってきました。
世界の株式時価総額は50%がアメリカということを考えると、大きな不安要素にはならないと筆者は考えます。
株価と違って配当は確定利益
日々、値動きをする株価と違って、配当は企業が稼いだ利益を株節に還元したものです。
不確実な未来の株価よりも、稼いだ利益を高い水準で還元することで投資家は安定したリターンを享受できます。
株式投資というと「安く買って高く売る」というキャピタルリターンを想像しがちですが、成熟した企業からじっくり配当を得るという投資法も悪くない戦略ですね。
配当を出さずに株価を上げて株主にリターンを出すという企業もあります。
例えばAmazonやGoogleといった企業がそれに当たります。
ただ、未来永劫に高成長が続く企業はなく、どこかで終焉を迎えます。
昔はIBMがそうでしたし、近年でいうとMicrosoftですね。
配当は、株式投資で数倍のリターンを求めるよりも、少しずつ安定して資産を伸ばしたい、という人に最適な投資法ともいえます。
設定来のチャートから見える堅調な実績
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※2019年9月19日時点のデータ画像は設定来のチャートです。
相場の波を受けているものの、設定来より順調に実績を伸ばしていますね。
昨今の低コスト投資信託に比べると、信託報酬が0.55%と若干高くはありますが、安定したリターンを持ちつつ、特定の大型株に依存しない商品として個人的に高く評価しています。
この投資信託一本だけというのはオススメできませんが、最近は高配当を好む投資家も増えてきました。
メインではなく、サテライト運用の一つとして採用するのは面白いと思っています。
SMT米国配当貴族インデックスは時代に即した投資信託
記事の内容をまとめると以下のようになります。
・ SMT米国配当貴族インデックスは興味深い運用をしている
・ 均等投資なので1社が沈んでも分散投資の効果が高い
・ 株価と違って配当は確定利益
・ 設定来のリターンは安定している
世界の先進国では金利低下に歯止めが効かない状況になっています。
こういった時こそ、高配当株式をコツコツと貯めていきたいですね。
ちょっと変わった商品の紹介になりましたが、長期投資の参考になれば幸いです。(執筆者:松崎 正義)