今年の夏も猛暑日が続き、ようやく秋らしくなってきたと思っていた頃、次々と台風がやってきました。
これまでの台風とは違い、長時間、広範囲にわたり雨が降り続くという極めて危険な状況なりました。
風災、水災、土砂災害、川の氾濫と、数年に1度あるかないかの災害が立て続けに日本各地を襲いました。
これまで、想定できた備えだけでは太刀打ちができない状況です。
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引っ越したばかりで避難経路も分からなく逃げ遅れてしまった…
今も多くの方が通常の暮らしに戻れずに被災している状況が続いています。
この度の災害に際し、心よりお見舞い申し上げます。
一日も早いご復興をお祈りいたします。
目次
近年の降雨の傾向について
近年、「ゲリラ豪雨」という言葉も珍しくはなくなってきました。
昔は夕立の後に涼しい風が吹き、秋の訪れを感じたものです。
しかし、近年のゲリラ豪雨は長時間降り続き、道路も冠水、地下鉄のホームにまで水が流れ込むなど雨の降る量も頻度も増えました。
どのぐらい昔とは違うのでしょうか。
以下は国土交通省のホームページに掲載されている降雨量の推移です。

・ 近年、いわゆるゲリラ豪雨と呼ばれる局地的な大雨等が頻発し、全国各地で浸水被害が多発しており、住民生活・社会経済活動に影響をきたすなど、雨の降り方が「局地化」、「集中化」、「激甚化」する傾向。
・ 全国のアメダスより集計した時間雨量50ミリ以上の豪雨の発生回数(1,000地点あたり)は、昭和50年代は平均174回だったものが、平成20年から平成29年には平均238回となり、約30年前の1.4倍に増加。(引用元:国土交通省)
なんと、時間雨量50ミリ以上の豪雨は30年前の1.4倍に増加しているのです。
温暖化の影響やさまざまな自然現象によるものだと推測されますが、将来のことを考えるとこの数値が減少するとは考えにくいかもしれません。
これまで以上に、どこに住むのか、その土地はどのような特性があるのかを知っておく必要が出てきました。
不動産選びのポイント
これまでは通勤に便利な場所や子育てしやすい街など、暮らし方の希望に合う場所で不動産(家やマンション等)を選んでいたかたが多いかと思います。
私もファイナンシャルプランナーとしてアドバイスをする際は、ご希望のエリアでご予算内の物件を探すお手伝いをしてきました。
ハザードマップを見るのは「火災保険」の内容を決めるタイミングでした。
その土地の特性を把握して必要な補償を選び、備えていただいていました。
つまり、不動産選びの最優先事項はお客様の希望する内容で、購入する物件が決まった後にハザードマップを見ていたのです。
しかし、近年はこれだけ災害が立て続けに起きる為、ご希望のエリアが決まった段階で「同時にハザードマップを見る」必要性が出てきました。
1) 希望エリアを複数選定
2) ハザードマップの確認
3) 相対的に比較して決める
1) 希望エリアを複数選定
これまで通り、暮らしたい街や利便性などまずは希望エリアを選定します。
その際、1か所だけでなく数か所の候補エリアをあげておきましょう。
暮らしやすいエリア、通勤が便利なエリア、住みたいエリアなど、希望に合わせて複数選定しておきます。
2) ハザードマップの確認
次に、実際の物件探しをする前に各エリアの「ハザードマップ」を確認しましょう。
選定したエリアがどのような土地なのかを確認していきます。
希望したエリアの危険度を把握するだけでなく、災害があった場合に備えて近くに避難場所はあるか、電車やバスなど複数路線が使えるかなど調べておくと安心です。
3) 相対的に比較して決める
希望内容や価格、そしてリスクの面からも相対的に比較して決めていきましょう。
相対的に比較することで、実際の暮らしについて多方面から検討することができます。
不動産選びは、最初に思ったエリアにこだわりやすいのですが、一度、視野を広げて検討することも大切です。
山川の多い日本では、全てのリスクに完全に対応するのは難しいかもしれません。
しかし、リスクを把握しておくことで、事前に災害に備えることができたり万が一、災害にあった際にも落ち着いて対応することができます。
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すでにお住いのかたも、ハザードマップを確認しましょう
今回の台風15号、19号の影響は、被害エリアも広範囲にわたりました。
さまざまな被害を今後にいかすには、私たち自身の危機管理も大切です。
これから不動産を購入するかたも、すでにお住いのかたも、ハザードマップを確認するなどできることは多々あります。
ハザードマップは各自治体のホームページ等で確認できますが、ご高齢のかたなどは確認することが難しい場合もあります。
ご自身だけでなくご家族や知人などで分からないかたがいるときは、ぜひサポートしていただきたいと思います。(執筆者:藤井 亜也)