現代日本では高齢化が進行中です。
介護が必要な方も増加しています。
介護が必要になる理由は加齢や疾病などさまざまであり、ある日突然に介護が必要になることも少なくありません。
そのような時がきたら、どこに相談したらよいのか分からずに不安になる人もいるのではないでしょうか。
今回は、介護全般の相談ができる地域包括支援センターの役割とそれを利用するメリットを紹介していきます。
目次
地域包括支援センターの仕事内容とは

センターが設置されている地域に居住する高齢者やその家族などの相談を受け付けて、関係機関と連携を図りながら住み慣れた地域に住み続けられるよう支援することが地域包括支援センターの仕事です。
その他にも、
・ 要介護状態にならないように地域に住む高齢者を対象に介護予防活動をする
・ 要支援と認定された方の介護サービス利用を支援する
などの役割を担っています。
地域包括支援センターを利用するメリット
では、実際にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
メリット1. 複数の分野に精通した専門家に相談できる
地域包括支援センターを利用する第1のメリットは、複数の分野に精通した専門家に相談できるということです。
地域包括支援センターには、
・ 権利擁護の専門家である「社会福祉士」
・ 介護保険に精通した専門家である「主任介護支援専門員」
などの資格を持つ人が配置されています。
そのため、各々が得意とする分野の知識が豊富であり、さまざまな相談に対応できるのです。
突然の介護に悩んでいる方の中には
という人が多いものです。
相談者の話をじっくりと聞き、不安に感じていることを明らかにすることで、最も適した職種の人が関わって必要な関係機関と連携しながら困り事の解決を目指せるのです。
不安に感じている内容そのものを具体的に分からない方であっても相談に乗ってもらうことは可能です。
不安を解消したいと考えている方は、地域包括支援センターを活用しましょう。

メリット2. 高齢者自身が住んでいる地域の情報が得られる
第2のメリットは、高齢者自身が住んでいる地域の情報が得られるということです。
日本では高齢者の方に関する悩みが増え、高齢者に関する相談をさまざまな形でできるようになりました。
しかし、その多くは、施設入所を考えている方が自分でインターネットサイトにアクセスして、一般的な制度の解説を探したり、全国の施設を市町村レベルで絞り込んで検索するというようなシステムです。
これでは、必ずしも地域に密着した情報とは言えません。
また、検索で見つけた相談機関は公的機関ではない場合があり、相談したことによって予想もしなかった料金を請求される危険を孕んでいます。
その点、地域包括支援センターは
・ 市区町村から委託された社会福祉法人等が運営をしている
ため、不当な料金を請求されることはありません。
また、その地域に特化した情報を数多く持っているため、そこに居住する人にとって、身近で役立つ情報を得られるのです。
相談も無料で受け付けてくれますので、地域で継続して生活していきたいと考えている方は、一度相談してみることをおすすめします。
1人で悩まずに相談してみる
介護に関する不安は尽きず、1人で悩んでいる方は多いものです。
地域包括支援センターは地域密着をめざしているので、地域の方が相談料等のお金の心配なく相談できる窓口です。
困った時や情報を知りたい時などにはお近くの地域包括支援センターに気軽に足を運んでみましょう。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)