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お盆の帰省で親の暗号資産に気づいたら。相続税と手続きの進め方

税金 相続・贈与
お盆の帰省で親の暗号資産に気づいたら。相続税と手続きの進め方
お盆の帰省で親の暗号資産に気づいたら。相続税と手続きの進め方

お盆に実家へ帰り、親のスマホやパソコンで暗号資産の取引所アプリを見つけたら、端末を処分せず保有状況を確認しましょう。暗号資産も相続財産となり、相続税の課税対象です。申告が必要な場合は原則10か月以内。手掛かりを失わないための注意点と、評価方法や取引所での手続き、家族が今からできる備えを解説します。

暗号資産は「見えない資産」でも立派な相続財産

暗号資産(仮想通貨)は、インターネット上で価値をもつデジタル資産の一種です。現金や不動産、株式のように手に取れる形はありませんが、取引所の口座などを通じて保有状況を確認でき、日本円に換金できる場合もあります。国税庁も相続や贈与で暗号資産を取得した場合に相続税または贈与税が課税される財産として扱っており、資産としての位置づけははっきりしています。

代表的な銘柄はビットコインやイーサリアムで、世界には多くの銘柄が流通しているといわれます。売買は国内外の暗号資産交換業者(取引所)を通じて行いますが、なかには信頼性が担保されていない銘柄や、詐欺の道具に使われるものもあるため注意が必要です。ビットコインはサトシ・ナカモトと名乗る人物が考案したとされますが、その正体も国籍も特定されていません。

保有者が亡くなると、暗号資産はどうなるのか

暗号資産は、配偶者や子どもへ引き継げる相続財産です。預貯金や不動産と同じく遺産分割の対象になり、相続税の課税対象にもなります。「目に見えないから対象外」ではなく、相続税の申告が必要な場合には、価値のあるものとしてきちんと含める必要があると考えてください。

気をつけたいのが、相続税の申告が必要な場合には期限があることです。被相続人が死亡したことを知った日(通常は死亡の日)の翌日から10か月以内に、申告と納税をすませる必要があります。暗号資産は相続実務でまだ扱い慣れていない専門家も多く、口座や銘柄の把握に時間がかかりがちです。存在に気づくのが遅れると、この10か月が一気に窮屈になります。心配なときは、元気なうちに保有内容を家族と共有しておくと安心です。

相続税の評価方法は国税庁FAQで示されている

暗号資産の相続税評価について、「決まった方法がない」と誤解されがちですが、そうではありません。国税庁の「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」4-2が評価方法を説明しており、活発な市場が存在するかどうかで扱いが分かれます。

活発な市場が存在する暗号資産は、相続人等の納税義務者が取引を行っている暗号資産交換業者が公表する、課税時期(相続開始日)の取引価格で評価します。交換業者が公表する価格を使うため、上場株式に近い考え方です。一方、活発な市場が存在しない暗号資産は、客観的な交換価値を示す相場が成立していないため、その内容や性質、取引実態などを勘案して個別に評価します。

はっきりしないのは評価方法そのものではなく、それぞれの銘柄が「活発な市場あり」「なし」のどちらに当たるかという区分の線引きです。十分な数量および頻度で取引され、継続的に価格情報が提供されているなどの要件を満たす銘柄は前者に当たりますが、新興の銘柄は判断が分かれることもあります。

お盆の帰省で親の暗号資産に気づいたら。相続税と手続きの進め方

相続手続きは「取引所探し」から始まる

実際に相続が起きたとき、暗号資産の手続きは取引所を突き止めるところから始まります。まずは被相続人のスマートフォンやパソコン、確定申告書から利用履歴をたどりましょう。よく使う取引所はブックマークされていることが多く、口座の入出金明細や取引所からの郵便物も手がかりになります。

利用先がわかったら、取引所へ相続の発生を連絡し、必要書類や残高証明書を受け取ります。多くの取引所は第三者に個人情報を開示しないため、相続人であることの証明が欠かせません。求められる書類は取引所によって異なりますが、死亡がわかる書類や代表相続人の本人確認書類、相続人全員の印鑑登録証明書などが一般的です。金融機関のような店頭窓口はなく、郵送やオンラインでの手続きが中心になります。

手続きが完了すると、取引所の案内に沿って、換金して代表相続人の銀行口座へ入金する、残高を移管するなどの対応を進めます。相続人ごとに暗号資産のまま分けられるかは取引所や銘柄、相続人側の口座状況によって異なるため、早めに確認しましょう。

焦ってスマホを処分しない。相続で気をつけたいこと

暗号資産の相続で最も避けたいのが、端末を処分してしまうことです。デジタル資産の相続には利用者アカウントの情報が必要なため、被相続人のスマートフォンやパソコンを焦って手放すと、資産へたどり着けなくなります。葬儀費用を工面しようと不要品を整理する場面でも、端末だけは残してください。

もう一つ知っておきたいのが、パスワードがわからないだけで、すぐに「課税対象外」と決めつけないことです。国税庁FAQは、金銭に見積もることができる経済的価値のある財産を相続等で取得した場合、相続税や贈与税の課税対象になると説明しています。実際に引き出せるか、評価額をどう見るかは状況によって変わるため、口座確認の手順は取引所ごとに確認しましょう。国内の取引所なら言葉も通じ、書類をそろえれば対応してもらえますが、海外の取引所は言語の壁があり、最悪の場合は現金化できないおそれもあります。海外の口座が疑われるときは、早めにサポートへ連絡することが大切です。

早めの「見える化」が家族を守る

暗号資産は、目に見えなくても大切な相続財産であり、相続税の対象にもなります。評価方法は国税庁FAQで説明されており、活発な市場があれば取引価格、なければ個別評価です。手続きは取引所探しから始まり、相続税の申告が必要な場合の期限は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月。端末やパスワードの扱いを一つ間違えると、資産へたどり着けなくなります。まずは家族で保有状況を共有し、迷ったら相続の専門家へ相談することから始めましょう。

《編集部》
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