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内縁の夫が亡くなった。預貯金は下ろせないのに、死亡届は自分で出せる

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内縁の夫が亡くなった。預貯金は下ろせないのに、死亡届は自分で出せる
内縁の夫が亡くなった。預貯金は下ろせないのに、死亡届は自分で出せる

お盆に親族が顔をそろえ、はじめて相続の話が出た家もあるでしょう。何十年一緒に暮らしていても、婚姻届を出していない相手には相続権がありません。預貯金の払戻しを求めることも、遺産を分けてもらうこともできません。それでも、同居していたからこそ自分の名前で進められる手続きは残っています。

死亡届の届出義務者に、同居していた内縁の相手も入る

戸籍法は、死亡の届出をすべき人を順に挙げています。第一が同居の親族、第二がその他の同居者、第三が家主、地主または家屋・土地の管理人です(戸籍法87条1項)。婚姻届を出していない相手でも、一緒に暮らしていたなら第二の「その他の同居者」にあたります。順序にかかわらず届出ができるというただし書きもあります。

期限は死亡の事実を知った日から7日以内です(同法86条1項)。届出先は死亡者の本籍地、届出人の所在地、死亡地のいずれかの市区町村になります(同法25条・88条)。

預貯金に手が届かないのは、相続人にならないから

民法は、被相続人の配偶者は常に相続人となると定めています(民法890条)。ここでいう配偶者は婚姻届を出した相手を指すため、内縁関係のままでは相続人になりません。金融機関に預貯金の払戻しを求める立場にないわけです。

遺産分割の前に一定額を引き出せる仮払いの仕組みもありますが、条文が主語に置くのは「各共同相続人」です(民法909条の2)。相続人向けの制度で、内縁の相手は使えません。葬儀の費用は自分の資金で立て替える前提で考えておくと安心です。

埋葬料は、親族かどうかで決まらない

健康保険法は、埋葬料を受け取る人を、被保険者により生計を維持していた者であって埋葬を行うものとしています(100条1項)。全国健康保険協会は、生活費の一部でも維持されていればよく、民法上の親族や遺族であることは問われないとしています。金額は、健康保険法施行令で5万円と定められています。受け取れる人がいないときは、実際に埋葬を行った人にその範囲内で支給されます(同条2項)。

遺族厚生年金の側でも、「配偶者」には婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者が含まれます(厚生年金保険法3条2項)。日本年金機構は事実婚関係と生計同一関係の申立書の様式を用意しています。認定は個別に判断されます。

住み続けられるかは、相続人がいるかどうかで分かれる

借家では、賃借権の行方が貸主の意向ではなく相続人の有無で変わります。

内縁の夫が亡くなった。預貯金は下ろせないのに、死亡届は自分で出せる

承継を断る道も借地借家法36条にあります。相続人なしに亡くなったと知った後1か月以内に、貸主へ反対の意思を伝えればよいという定めです。

頼りになるのは、同居と生計を示す記録

内縁の相手を見送った直後は、相続の枠とそれ以外を分けて考えると迷いません。遺産に関わる手続きは相続人しか動かせませんが、死亡届も埋葬料も住まいの承継も、同居や生計の実態を見て判断される場面です。住民票や公共料金の領収書、送金の記録が、その実態を示す材料です。手元に何が残っているかを確かめて、市区町村の窓口や年金事務所、弁護士や司法書士などの専門家へ早めに相談してみてください。

《編集部》
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執筆者: 編集部 編集部

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