
秋の庭仕事で、伸びた庭木の枝が気になる方もいるでしょう。業者に頼むと費用がかさみそうで、つい後回しにしがちです。ただ、枝が隣の土地へ越えているなら話は別です。2023年4月1日から、隣の土地の所有者が自ら枝を切り取れる場合が民法で定められています。決まりと頼み先、切った枝の出し方を確かめておきましょう。
隣の家から枝のことを言われた60代男性の迷い
「お宅の木の枝が、うちの庭まで伸びてきているんです」。一戸建てに住む60代の男性は、隣の家の人からこう声をかけられました。見ると、庭木の枝が塀を越えて隣の敷地へ張り出しています。
業者に頼めば費用がかかり、自分で切るにも高い所は不安です。「このまま様子を見ていたら、隣の人に枝を切られてしまうのだろうか」。男性は迷ってしまいました。
越えた枝は、3つの場合に隣の土地の所有者が切れる
民法第233条では、境界線を越えた枝は、隣の土地の所有者が木の所有者に切らせるのが原則です。2023年4月1日からは、次の3つの場合なら隣の土地の所有者が自ら切り取れます。木の所有者に枝を切除するよう催告したのに相当の期間内に切除しないとき、木の所有者やその所在を知ることができないとき、急迫の事情があるときです。
法務省の資料では、この相当の期間は事案によるものの、基本的には2週間程度と考えられるとしています。隣の土地の所有者が切り取った費用も、基本的には木の所有者に請求できると考えられるとの説明です。言われたら放っておかず、早めに手を打ちましょう。
高い所は無理をせず、シルバー人材センターにも相談
国民生活センターは2019年3月28日、高齢者の脚立・はしごからの転落事故について公表しました。庭木の手入れ中の事故が目立つとして、脚立やはしごを使わない方法の検討や、一人きりで作業しないことを呼びかけています。
頼み先の1つがシルバー人材センターです。厚生労働省の事業概要によると、センターは家庭や事業所、官公庁から地域社会に密着した臨時的かつ短期的な仕事などを有償で請け負い、希望する会員に提供します。仕事の例には植木の剪定も挙がっています。何を引き受けるかや料金は、地域のセンターに問い合わせましょう。
切った枝は、住んでいる自治体の出し方で
たとえば茅ヶ崎市の案内では、家庭から出た剪定枝は予約制の収集(無料)やリサイクル施設への持ち込み(無料)などで出せます。一方、造園業者やシルバー人材センターなどの事業者に頼んで出た剪定枝は有料で、剪定をした事業者に処理・処分を依頼するよう求めています。

言われる前に、隣との境を見ておく
庭木の枝が隣へ越えていないか、ときどき確かめておくと安心です。言われたら早めに切るか頼み先を探し、高い所は無理をせず地域のシルバー人材センターなどに相談しましょう。頼むときは切った枝の処分まで確かめ、自分で切った枝は住んでいる自治体の出し方に沿って出しましょう。


