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金利上昇に備えた住宅ローンの借り換えは損得抜きで

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  アベノミックスの影響で、最近は住宅ローンの借り換えについての相談が増えています。借り換えを検討されている方のほとんどが、「月々の返済額を下げる」効果を期待されて相談にみえられますが、残念ながら期待に応えられないケースもございます。

  借り換えには主に「今現在の返済額を抑える」、「総返済額を抑える」、「金利変動リスクを抑える」と3つの目的があり、それぞれ借り換えるローン商品が異なります。そして現在もっとも多い目的は「金利変動リスクを抑える」借り換えです。

  金利変動リスクを抑える借り換えでは、今現在返済中のローンの固定期間残存年数よりも固定期間の長いローンへの借り換えがメインとなります。

  例えば現在、固定期間10年のローンを返済して5年経過している方は、固定期間が残り5年のため、借り換えるローン商品は固定期間が5年以上のものになります。しかも借り換えの趣旨が「金利の低いうちにより長い固定期間のものへ」なので、最低でも10年固定、理想はローンの残りの期間全部を固定金利にしたいものです。

  しかし、定期預貯金のように、通常「金利は期間が短いものより長いものの方が高くなる」ものです。ですから固定期間を長くすると、適用金利も上がるので、毎月の返済額は上がってしまいます。

  およそ2009年頃から金融機関の住宅ローン金利の初回優遇競争が激しくなっているため、それ以前にローンを組んだ方が、固定期間終了前に、今と同じ固定期間のローンに借り換えると、初回優遇金利の分だけ金利が下がっているので、今のローンよりも月々の返済額は下がります。

  しかし金利競争が激化した2009年以降ローンを組まれた方は、さほど初回優遇金利に差がないため、今のローンよりも、月々の返済額は高くなります

  ライフプランを考える時、この場合「持家に住む」と言うプランを考えた時、「金利が何%までの上昇なら持家に住み続け、それ以上金利が上昇したら自己破産」などと一か八かの計画を立てたわけでは無いと思います。

  ですから固定期間を長くした為の月々の返済額の上昇は、「金利上昇リスクに対する安心への保険料」と考えてください。

  損得でものを考えるのは最終的に個別金融商品を選択する段階(A社かB社か)であり、金融商品のカテゴリーの選択(全期固定か10年固定か)までは損得ではなく、ライフプラン・ライフイベントが「何があっても実行可能もしくは継続可能な」ファイナンシャルプランであるものを選択してください。

《田島 稔之》
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田島 稔之

田島 稔之

田島FP事務所(T.F.P.O) 代表 東京情報大学情報学科卒。大学卒業後、小売業に就職。その時にFPと出会い、FPとして独立することを決意。資格取得後、実務経験を得るために転職。不動産業、生命保険セールスを経て2006年田島FP事務所(T,F,P,O)を開業する。「FPにとっての金融商品は、医者にとっての処方箋。診察あっての処方箋」をモットーに、あくまで診察がメインのコンサルティングを行っている。長野県長野市を拠点に、住宅ローン相談や401Kセミナーを中心に活躍している。 <保有資格>:CFP®  1級ファイナンシャル・プランニング技能士  住宅ローンアドバイザー 寄稿者にメッセージを送る

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