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「介護療養型医療施設」の廃止に伴い「介護老人保健施設」が変わろうとしています

シニア 介護
「介護療養型医療施設」の廃止に伴い「介護老人保健施設」が変わろうとしています

めまぐるしく変化し続けている高齢者介護の世界ですが今回は1つ、知っておけば慌てない、損をしない現状がありますので、お伝えしておきたいと思います。


介護療養型医療施設とは

介護療養型医療施設とは、病院での急性期の治療がすみ症状が比較的安定されている方で、治療というよりは療養を送るために必要とされてきた施設です。

要介護認定で要介護1以上の認定を受けている方が利用できます。

介護療養型医療施設は療養型と介護型に分かれていて、介護型の場合には介護保険が適応されるため、利用料金の比較的安くて知られる特別養護老人ホームとならび利用しやすい介護施設となっています。

介護療養型医療施設は、単独での設立は少なく、病院や診療所の一部や敷地内に併設されていることが多いので、あまり目につかず周知度も低いのはこの為です。

廃止に至った理由は?

医療的な処置や療養が不要になると本来であれば退去しなくてはなりません。しかしながら治療や療養を必要としないくらい回復されていても、

・ 自宅の環境が整っておらず戻ることができない

・ ご家族がいても介護拒否や介護できない

といった事情から長期に入居し続けてしまうといった現状が続いています。

また、医師や看護師の配置も他の介護老人施設に比べると多いことから、介護保険の財政難の要因の1つとしてマークされ、この度改善のメスが入れられたといっても過言ではないでしょう。

廃止の方向性は、既に2011年から指示されており2012年以降は新たな開設は認められていません

介護療養型医療施設に入居されていた入居者のその後は、ご自宅に戻り在宅サービスや住居系サービスへ移行しサポートすることになるか、介護老人保健施設で対応することとされています。

対応を任された介護老人保健施設は変わります!


介護保険は私たちに厳しい風を吹きつけますが、どうやら見捨てるような事はしないようです。

次の一手を考えてくれました。

介護を担っている皆さまにとっては、介護老人保健施設はデイケアやショートステイなどで利用されていたり、退院後に2、3か月リハビリに利用したなど馴染みのある施設かもしれません。

第2の特別養護老人ホームといわれることもあります。これからの介護老人保健施設は新たに療養型として変わろうとしています

介護保険施設で利用料金が安くても待機者が多くて入りにくい特別養護老人ホームは要介護3以上という条件があります

介護療養型医療施設は要介護1以上での利用ができます。新たな療養型の介護老人保健施設の基準はまだ公表されていませんが、同じ条件で要介護1以上の方が利用できるとなれば、施設介護の選択肢が1つ増えることになります。

進まぬ現状

療養型の介護老人保健施設は2017年を目標にすすめられてきたのですが、国に整備や施設側の準備が思うように進んでおらず2020年までさらに延長されてしまいました。

思うようにすすまない理由としては…

・ 療養型への転換を受け負う介護老人保健施設が少ない

・ 在宅サービスについても介護療養型医療施設からの入居者を受けいれる体制が整っていない

ことがあげられます。

療養型の介護老人保健施設がどの程度増えてくるのかも予想がつきませんが、簡単な医療行為の必要な要介護者の方が利用しやすい環境の幅を広げられるものになってくれることは間違いありません。

是非、私たちのニーズに合った改正を期待したいものです。(執筆者:佐々木 政子)

《佐々木 政子》
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佐々木 政子

執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子 佐々木 政子

ケアマネージャーを7年経験して、現在は現役で老人ホームの施設長を務める介護のプロです。女性ならではの目線も入れながら、介護に悩み困り不安を持つ皆さまにお役立ち情報を提供していきたいと思います。我が家の親も要介護者です。同じ目線で不安と戦っていきましょう! 寄稿者にメッセージを送る

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