最近、同じ話をする、冷蔵庫の中にいくつも同じ商品が並んでいるなど、親の物忘れが目立ってくると、認知症のことが心配になります。

そんなとき、これからの身の回りの介護サービス、施設入所など考えるかと思いますが、「財産管理」について、お考えになったことはあるでしょうか?

「財産管理」を考えるときに知っておきたいポイントしては、「身内だからといっても勝手に親の財産を使うことはできない」という点です。

まだ早いと思っていても、いざという時に親の財産管理は必要になってくることもあります。その場合、どうしたらよいのでしょうか?

介護が必要になったときの身の回りの管理について、今回は財産管理にスポットをあててみました。

認知症になった場合の財産管理

親の口座管理について

親の財産の管理については、子供だから管理可能なのは当然だと思いがちですが、口座管理については、安易に管理することができないのです。

では、どのようにすればいいのでしょうか。

まず、軽度の症状である場合、本人に管理する権利があり、本人の意向を尊重することが大切です。そこは気を付けておきましょう。

しかし、認知症が進行した場合等は、本人が管理することが難しくなるでしょう。このような時に特に問題になるのが財産の管理についてです。

このような場合には以下のような解決方法があります。

成年後見人制度を利用する方法

「成年後見人制度」とは、精神障害や認知症の症状などが進行した場合に、本人に代わって預貯金の管理、介護サービスの手続きなどを行う権利を与えるものです。

申し立てには1件につき800円(収入印紙)の手数料や登録手数料として1件につき2,600円(収入印紙)とその他、切手代などの諸経費がかかります。

成年後見人制度には、次の2種類があります。

法廷後見

本人が判断することが難しくなった場合、後見人、保佐人、補助人が本人の能力に応じて付けられます。後見人の選出は家庭裁判所が行うことになっています。

成年後見制度には2種類ある

任意後見

前もって後見人を決めて、公式証書で契約を行います。

成年後見人に選出されると、成年後見人の権限で預貯金の出し入れ、施設入所が出来るようになるのです。成年後見人は約8割が配偶者や子などの親族が行うことが多いです。

成年後見人に選出された場合は、家庭裁判所へ本人の資産状況の定期的な報告をしなければなりません。財産状況の確認・収益計算書などの提出が必要です。

また、居住用財産の処分は家庭裁判所の許可が必要なので注意しましょう。

日常生活支援事業を利用する方法

日常生活支援事業とは、主に市町村にある社会福祉協議会が運営しています。

判断能力が低下した人に対して介護福祉のサービスの利用援助や金銭管理を担当します。社会福祉協議会の担当者が選出され、日常のお金の管理を行ってくれます

社会福祉協議会は市の組織であるため、成年後見制度よりもハードルが低く利用しやすいのが大きなメリットです。

サービス内容は、住んでいる地域によって大きく違う場合があるので、気になる人は直接社会福祉協議会に確認してみましょう。

日常生活支援事業の主なサービス内容

日常生活支援事業がおこなっている事業内容は主に次のとおりです。

・日常の金銭管理
医療費や公共料金の支払い手続きや年金の受け取り等の手続きを行うことができます。

・福祉サービスの援助
利用契約代行、利用料の支払い代行、介護・福祉サービスや地域社会資源の情報提供を行います。

・その他 重要書類の預かり 等

親が大切にしてきた財産だから

親が大切にしてきた財産を大切にしたい

親が要介護になった場合の財産管理や身の回りの管理について解説しました。

いつ親が要介護状態や認知症になり、介護が必要となるかは予測がつかないものです。そうなった場合には財産管理についてまで考える余裕がない! ということもあるかもしれません。

しかし、お金は親御さんが大切に残されてきた財産です。

介護サービスや援助を受けるにもお金が発生します。後々慌てないように、このような制度を知っておくだけでも大切なことなのです。

普段からコミュニケーションを図り、親子でしっかりと話し合いをして確認をしておくことが大切であると言えるでしょう。

まだ早いかな、と思いながらも今後の財産管理について声をかけてみると、親御さんも考えていた、ということもありますよ。(執筆者:佐々木 政子)