自分の親などに介護が必要となった場合、仕事との両立が難しいと考えることもあるであしょう。

そのため、介護に専念しなければならないと不安になる人も少なくありません。

介護と仕事を両立したいと考えている方の強い味方となる「介護休業制度」というものをご存じでしょうか。

介護離職しないための制度

介護と仕事の両立の味方「介護休業制度」

介護休業制度とは、雇用されている労働者が要介護状態にある対象家族を介護するために活用する事ができる制度です。

介護休業制度を適用できる対象となる「要介護状態」とは、さまざまな理由により2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態の事を指します。

介護休業制度の内容は

「介護休業の活用」

「介護休暇の取得」

「短時間勤務等の措置」

「時間外労働の制限」

の4つに大別されており、これらの制度を活用する事で、介護離職を防ぎ、介護と仕事の両立を図る事を目的とした制度です。

対象となる家族は、父母や祖父母をはじめ配偶者や子、孫、配偶者の両親など広範囲にわたるため、活用しやすい制度となっています。

対象となる家族
≪画像元:厚生労働省

介護休暇とは

次に、介護休業制度の1つである「介護休暇」の内容と取得するメリットについて紹介していきたいと思います。

介護休暇対象となる家族が1人の場合は年5日、2人以上の場合は年10日取得する事が可能な制度です。

この休暇を取得するための条件は、入職後6か月以上経過し週の所定労働日数が3日以上ある労働者とされているため、比較的取得がしやすい制度であると言えます。

介護休暇を取得するメリットと注意点

次に、介護休暇を取得するメリットと注意点について解説していきます。

介護休暇を利用しても仕事を続けることができる

介護休暇を取得するメリットは、時間単位で休暇が取得でき、仕事が続けられるという事です。

正社員で雇用されている人や一定の条件を満たした非正規社員の方には「有給休暇」が付与されます。

しかし、有給休暇の取得方法は会社によってさまざまであり、多くは「1日単位」または「半日単位」での取得とされている会社が多くなっています。

介護を行う中では1日または半日では時間が多いと感じる用事も少なくありません。

短時間の用事で有給休暇を消費したくない場合や既に有給休暇を使い終わってしまっている場合には、介護休暇という形で休暇を取得する事が可能となっています。

介護休暇の取得は、1日単位か時間単位での取得ができるため、有給休暇を消費する事がもったいないと感じた時には、時間での休暇取得を申請すれば有給休暇を残しておく事が可能になります。

会社は介護休暇を取得した事によって労働者に不当な扱いをする事が禁止されているため、労働者は不利益を被る事なく仕事を続ける事が可能になります。

時間での休暇取得を申請
≪画像元:厚生労働省

介護休暇を取得できても無給の可能性が

ただし、介護休暇を取得する際には、介護休暇中の給与が支払われない可能性があるという事に注意する必要があります。

介護休暇を取得した際に給与を支払うかどうかはその会社で規定して良い事とされているため、介護休暇中は無給となる可能性もあります

有給休暇を取得する場合とは異なり、介護休暇を取得した際には給与が減少する可能性があるので、会社の規則を事前に確認しておき取得するかどうかを決めると良いでしょう。

仕事のキャリアを失う事なく生活しよう

介護と仕事の両立は想像以上に大変な事です。

公的な支援や周囲のサポートを受けながら乗り越えていく事が重要と言えます。

今回紹介した介護休暇の取得も公的な支援の1つではありますが、正しく理解して活用しなければ、予想していた収入よりも得られる収入が少なくなる可能性もあります。

介護休暇を利用する際には、給休暇制度などと組み合わせながら、上手に介護と仕事を両立し、仕事のキャリアを失う事なく生活していけるよう活用していきましょう。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)