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大手生保が軒並み、配当金増額の計画
先日の新聞記事に、大手生命保険会社が2014年度決算で、個人契約者への配当金の増額を計画しているという内容が掲載されていた。(該当記事) 株高や円安で資産運用による収益が増え、保有契約者増加の影響もあり、契約者へ利益を還元するという内容だ。
3月11日の日経新聞では、1面に掲載されていた。タイトルは「日本生命7年ぶり増配」
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生命保険の配当金のしくみとは?
生命保険会社は、予定していた死亡者数や運用利回り、事業費と、実際のそれらの数値の差によって生じる「剰余金」を貯めている。
この「剰余金」の中から、契約者へ分配することがあり、その分配するお金のことを「配当金」と呼ぶ。
保険会社は「配当金」の原資となる「剰余金」を貯めるために、
(2) できるだけ運用利回り(予定利率)は低めに
(3) できるだけ経費率(予定事業費率)は高めに
設定している。
(2) の差益のことを「利差益」
(3) の差益のことを「費差益」
と呼ぶ。
この3つの差益の総和が「剰余金」。
保険会社は堅い経営が方針であるから、できるだけたくさんの「剰余金」が発生するように、1~3の予定基礎率を決めているのだ。
ところが、「剰余金」が発生したとしても、必ず「配当金」を分配するわけではない! また「配当金」を分配するかどうかは、保険会社が決定している。しかも、すべての契約者へ按分して分配するわけではない。
最大手の日本生命の場合、契約期間が10年未満で予定利率が低い契約を中心に増配するとのこと。
配当付きの保険は選択するべき保険ではない!
予定利率が低い=保険料が高い保険であり、そもそも、配当金が出る保険は、配当を全く出さない保険よりも高い保険料を徴収しているのだ。
配当が出るかどうかは保険会社次第であり、配当が出たとしても、分配されるかどうかも不確かであり、配当が出ない保険(無配当保険)よりも高い保険料を徴収されるという配当付きの保険(有配当保険)。おすすめできる保険商品とは言えないのだ。
「リスクに対しての経済的補てんを確保する」という保険本来の役割から考えれば、無配当保険を選択するのがベターである。(執筆者:釜口 博)