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誰でも簡単にサラリーマン大家
最近、こんな見出しのセミナーや広告、書籍をよく目にします。日銀がマイナス金利政策を導入して以来、不動産セミナーが活況のようです。
不動産業者からは、「マイナス金利の今が買い時」や「東京オリンピック前に売却しましょう」などの勧誘を受けます。
確かに、現在の金利環境は、ローンを借りるには良いチャンスかもしれません。
異次元の金融緩和とは、今が異常であるということです。安い金利で資金調達ができるのは、今しかないかもしれません。
しかし、そんなに簡単に資産家になれるのでしょうか?
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不動産投資シミュレーション
少しシミュレーションしてみましょう。
物件価格1,610万円の物件で、月額家賃6万9,000円。
フルローン(頭金なし)で1,610万円を銀行借り入れ、金利は全期間固定金利1.85%の32年間で完済予定。
収支の説明では、下記のような説明を受けると思います。
収入
支出
毎月のローンの支払い5万5,586円
年間収支
表面利回り
こんな低金利時代に5%を超える利回りで、良い資産になりますよ!
「何棟もの物件を所有すれば、更なる家賃収入増も期待できます」などと勧誘されるかもしれません。
しかし、本当にこれだけの情報で、不動産購入を決めていいのでしょうか?
バランスシートで考える
バランスシートとは貸借対照表のことで、表の左右がピッタリ同じになります。左側には資産、右側には負債と純資産という項目がきます。
資産
現預金や不動産、車などの資産価値があるもの
負債
返さないといけないお金(借金)
純資産
返済の必要がないお金で、あなたの本当の資産価値を示す
純資産が最も大切
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金融機関がローンの審査などで最も重視するのは、純資産がいくらあるかです。
資産がいくらあっても、負債が資産を上回ってしまえば債務超過です。借入で不動産投資をしても、純資産は増えません。先ほどの例をもう一度見てみましょう。
資産は不動産で1,610万円、負債は2,134万円(1,610万円を1.85%の金利で32年間借りた場合の返済金総額)、純資産は-524万円です。
ということは、毎月入ってくる6万9,000円の家賃は、524万円の借金を返すまではあなたのものではありません。
つまり、物件価格が現状維持であれば約6年間は1円も利益は出ないことになります。
不動産購入を検討する場合は、家賃収入とローン支払いの差額の収支だけで考えるのではなく、バランスシートで考えるようにしましょう!
物件価格の上昇がなければ、不動産投資で成功するのは難しいです。
投資で成功する3つのポイント
2. バランスシートで考える(純資産をどう増やすか)
3. 正しいマネー教育を学ぶ
住宅ローンは、住宅の購入資金を銀行に立て替えてもらっているのです。
ローンを払いきるまでは、ローンで買ったモノはあなたのモノではありません。世の中、うまい話はありません。
自分の身を守るには、自分で勉強するしかありません。業者の提案をそのまま受け入れるのではなく、自分自身で考える習慣を身に付けましょう。
特に不動産は、人生で最も大きな出費の一つです。日々の節約生活も、大きな買い物や投資でお金の使い方を間違えてしまうと、いつまでたってもお金は貯まりません。
お金の増やし方はもちろん大切ですが、お金の使い方にも注意しましょう!(執筆者:渡邊 一慶)