24節季72候とは、1年を24等分し、それぞれの間隔を約15日と定め、その15日をさらに三等分したものが72候となります。
中国の気候を基準にしているため、日本の季節とは若干異なりますが、季節に即した旬のものを食べ、ささやかな行事をおこなうことで、日々の暮らしにメリハリがつきます。
昔の暦にそって暮らすと、お金をかけずに健康に暮らすことができます。

目次
コタツ開き
10月は秋分と寒露、霜降に分かれます。
霜降は秋の最後の節気で、新暦の10月23日頃にあたりで、立冬を迎えるまでを言います。
暖房器具のなかった昔は、霜降が終わり立冬を迎える11月のはじめになると(今年の立冬は11月7日)コタツや炉を開き、保存食の漬け物を仕込み、家族の綿入れはんてんを縫いました。
コタツは電気代が一番かかりません。我が家の暖房の主流はいまだにコタツです。
暮らしにアクセントをつける行事食
立冬には、昔から猪子餅を作って食べる風習がありました。
猪子餅は源氏物語にも登場する季節の食べ物です。
平安時代から多産な猪にあやかって、子孫繁栄を願って作られていました。
地方によって作り方はさまざまですが、現代でも立冬を迎える行事食のひとつとして、食されています。
我が家では、もち米に山芋や里芋をまぜて炊いたものをつぶして、瓜坊の形を作り、こしあんをのせて筋目をつけたものを作ります。
秋から冬は、肺や腎臓の機能が低下すると言われますが、もち米や小豆、イモ類などは体力をつける食材なので理にかなっています。
季節にそった昔からの伝統の行事食を作ると、暮らしのアクセントになります。
芋煮会のススメ

芋煮会といえば、山形県など東北地方で戸外でおこなわれる宴会料理です。
里芋やコンニャク、牛肉やネギなどを入れて、みんなでワイワイと言いながら食べます。
夫婦とも東北出身ではありませんが、秋から冬にかけてお客さんを招いたときは、必ず芋煮パーティーをおこないます。
芋の種類は、里芋だけでなく、じゃが芋やさつま芋なども入れます。
血の巡りをよくすると言われるネギもたっぷり入れて、ゆずみそ仕立てにします。
ホームパーティーの定番をこんな簡単な料理に決めておくと手間もお金もかからず、喜んでもらえます。
秋から冬の食養生・体を温める食材について
体を温める食材は、根菜類のほか、カボチャ、ゆり根、山芋、黒豆、タマネギ、ニラ、ニンニク、ショウガ、クルミ、クリ、サケ、アジ、サバ、エビ、タコ、イカ、鶏肉、ラム肉などです。
買い物の際は、これらの中からお買い得の食材をチョイスして、キクラゲやナツメ、クコなども加えたと食事を作ると、医食同源の薬膳が手軽に作れます。

まとめ
霜が降り始め、時雨がちになり秋は深まっていきますが、季節を楽しみながら暮らすと、お金をかけずに、心豊かに過ごすことができます。(執筆者:志水 恵津子)