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「掛け捨てはもったいない」で積立保険を選ぶ前に。保険料と元本割れの注意点

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「掛け捨てはもったいない」で積立保険を選ぶ前に。保険料と元本割れの注意点
「掛け捨てはもったいない」で積立保険を選ぶ前に。保険料と元本割れの注意点

夏のボーナスをきっかけに、保険を見直そうと考えていませんか。「掛け捨てはもったいない」と積立型を選んでも、保険料は高くなりやすく、早期解約では元本割れすることがあります。金利が上昇していても、すべての商品が有利とは限りません。加入前に確認したい注意点と選び方を整理します。

積立保険の正体と、5つの種類

積立保険は、貯蓄性のある保険をまとめて指す呼び名として使われます。商品名に「積立保険」を含むものもありますが、保険の中身は商品ごとに異なります。契約者から集めた保険料を、保険会社が運用に回します。そのお金は商品に応じて、死亡時には死亡保険金、満期がある場合には満期保険金、解約時には解約返戻金という形で戻ります。

こうした貯蓄性のある保険をまとめた呼び名が積立保険です。「貯蓄型保険」とも呼ばれ、老後資金や教育資金づくりに使われます。

代表的なのは、終身保険、養老保険、学資保険(こども保険)、個人年金保険、外貨建て保険の5つです。同じ積立保険でも目的と役割は大きく違い、混同すると後悔のもとになります。

終身保険は、死亡保障が一生涯続く保険で、所定の高度障害状態になった場合にも保険金を受け取れます。保険料の払込期間には、一定期間または一定年齢まで払い込む「有期払」と、一生涯払い続ける「終身払」があり、「一時払」もあります。途中で解約したときは、その時点の解約返戻金を受け取ります。

養老保険は、加入時に10年・20年といった保険期間を決めるタイプです。期間中に亡くなれば死亡保険金が、満期の時点で生きていれば満期保険金が受取人に支払われます。解約すればその時点の解約返戻金が戻ります。死亡保障と貯蓄の機能を1つの契約に載せている分、保険料は比較的高めです。

学資保険は、教育費づくりに的を絞った保険です。決められた期間だけ保険料を払い込み、進学や入学の時期に合わせて学資金や祝い金を受け取ります。契約者になるのは主に父親か母親です。

払込期間の途中で契約者が亡くなった場合、以後の保険料の払い込みは一般に免除され、学資金や祝い金は当初の予定どおり受け取れます。高度障害などについても、生命保険会社所定の状態に当てはまれば同じく免除となるのが一般的です。ただし対象や条件は商品ごとに違うため、契約前の確認が欠かせません。

個人年金保険は、老後の公的年金を民間の保険で補うための商品です。現役のうちに一定期間保険料を積み立て、65歳や70歳など契約時に定めた年齢から、年金として、あるいは一括で受け取ります。

外貨建て保険は、保険料の運用を外貨で行うタイプを指す呼び名です。「外貨建て保険」という名前の商品が並んでいるわけではなく、実際には外貨建て終身保険、外貨建て養老保険といった商品名で売られています。注意したいのは為替の動きです。レートが不利に振れると、受け取るお金が減るケースもあります。

個人年金保険は「受け取り方」で中身が変わる

見落としやすいのが、個人年金保険の受け取り方の違いです。受け取れる期間と、被保険者が亡くなったときの扱いが変わります。

「掛け捨てはもったいない」で積立保険を選ぶ前に。保険料と元本割れの注意点

このうち有期年金は、年金受取開始後、契約時に定めた10年や15年などの一定期間中、被保険者が生存している限り年金を受け取れます。「生存している限り」と聞くと、途中で亡くなれば何も残らないように思えますが、そうとは限りません。生命保険文化センターは、保証期間がない有期年金について「年金受取期間中に被保険者が死亡すると、既払込保険料相当額または年金原資から既に受け取った年金の合計額を差し引いた残額があれば一時金で受け取れるものが一般的です」と説明しています。

保証期間がある有期年金や保証期間付終身年金では、保証期間中に死亡すると、遺族は残りの保証期間分を年金または一時金で受け取れます。ただし保証期間分の受け取りでは、年金原資相当額を下回る場合があります。このほか、夫婦のどちらかが生きている間は年金が続く夫婦年金という形もあります。

積立保険で先に知っておきたい3つのデメリット

貯蓄性があることは、そのまま裏返しのデメリットになります。

保険料は掛け捨て型より高い

積立保険の保険料が、定期保険のような掛け捨て型より高くなるのは、保障のほかに貯蓄の機能を抱えているからです。負担を軽くしたいなら、必要な保障額を先に見積もってから加入するのが基本になります。払い込みが苦しくなったときは、保険金額を減らして保険料を下げる手も残されています。

早く解約するほど元本割れしやすい

契約から日が浅いうちに解約すると、戻ってくる解約返戻金が、それまでに払い込んだ保険料の総額に届かないことがあります。下回るかどうかは、商品や契約からの経過年数によって変わります。早期解約を避けたいなら、この先も払い続けられるかを家計簿で見極めたうえで、本当に要る保障だけに絞り込んでおくことです。

定額型はインフレに弱い

定額型の積立保険は、保険金額や解約返戻金の額が契約の時点で固定されます。受け取るころにインフレが進んでいれば、額面は同じでも、そのお金で買えるものは目減りします。

こうした目減りに備える選択肢が変額保険です。株式や債券などで保険料を運用し、その成果しだいで保険金や解約返戻金の額が動きます。

ただし最低保証の範囲は限られます。死亡・高度障害保険金には、基本保険金額の最低保証があります。一方、有期型の満期保険金と、有期型・終身型の解約返戻金には最低保証がなく、払い込んだ保険料の総額を下回ることがあります。

「低金利だから増えない」という説明は、もう前提が違う

積立保険のデメリットとして長く語られてきたのが、「円建ての積立保険は低金利だから、たいして増えない」という説明です。

財務省の「現在募集中の個人向け国債・新窓販国債」によると、2026年7月募集の新窓販国債は10年固定金利の表面利率が年2.7%、応募者利回りが年2.678%です。個人向け国債も、変動10年の表面利率は年1.80%、固定5年は年1.95%、固定3年は年1.56%(いずれも税引前)となっています。この数字を踏まえると、低金利を前提にした従来の説明は、今の金利環境にそのまま当てはまるとは言えません。

ただし、だから積立保険が有利だと言い切れるわけでもありません。円建て積立保険の予定利率や返戻率は、保険会社・商品ごとに異なります。一般化した数字で決めつけず、検討する商品そのもので確認するのが確実です。

掛け捨て型との違いは、満期保険金の扱いに出る

掛け捨て型が選ばれるのは、少ない保険料で万が一に備えられるからです。定期保険や収入保障保険がその代表で、満期保険金は設定されず、解約返戻金も少額かゼロの商品が一般的です。医療保険やがん保険については、解約返戻金があるかどうかが商品ごとに分かれるため、加入前に個別の確認が要ります。

ここで気をつけたいのが、満期保険金の扱いです。「積立保険なら満期保険金がある」とまとめている解説を見かけますが、正確ではありません。生命保険文化センターは終身保険について「満期保険金はありませんが、期間の経過とともに解約返戻金が増えていきます」と説明しています。満期保険金があるのは、養老保険や学資保険(こども保険)など、満期が設定された種類に限られます。

「掛け捨てはもったいない」で積立保険を選ぶ前に。保険料と元本割れの注意点

もちろん、積立型の側にも強みはあります。商品に応じて解約返戻金や満期保険金、死亡保険金という形でお金が戻り、死亡・高度障害という万が一に備えながら貯蓄も進められます。受け取る時期を契約の段階で決められるので、計画的に準備しやすいのも利点です。

もう一つ知っておきたいのが、契約者貸付制度です。契約している生命保険の解約返戻金の一定範囲内で、保険会社からお金を借りられる仕組みで、積立保険に限った制度ではありません。商品によっては利用でき、使えるのは契約者のみです。

ただし貸付金には所定の利息が複利でつき、未返済のまま満期や死亡を迎えると保険金から元利金が差し引かれます。元利金が解約返戻金を超え、指定の期日までに返済できないと契約が失効することもあります。

逆に、「死亡保障1,000万円」といった手厚い備えを、月々の負担を抑えて確保したい方には掛け捨て型が向きます。

加入前に決めておく目的と金額

積立保険で失敗しやすいのは、目的が曖昧なまま加入し、途中で解約して元本割れするケースです。まずは加入目的をはっきりさせましょう。

たとえば「子どもの大学資金を用意したい」。あるいは「自営業なので公的年金が細く、70歳から10年間は年金を受け取りたい」。ここまで具体化できれば、5つの種類のどれを見るべきかは自然に絞れます。

次に決めるのが、受け取る金額です。満期保険金や年金、学資金など呼び方は種類によって変わりますが、いずれも加入目的から必要額を算出します。ただし受取額を大きくするほど、毎月の保険料は重くなります。10年・20年と払い続けられる水準かどうかを、家計の実感と突き合わせて決めてください。

そのうえで確認したいのが返戻率です。受け取れるお金(満期保険金や年金の受取総額など)を、払い込んだ保険料の総額で割った割合です。同じ目的でも条件によって差が出るので、複数のプランを見比べてください。最後に、主契約に付加できる特約も含めて、保障内容を明確にしておきましょう。

目的が決まっていないなら、加入を急がない

積立保険は、保障と貯蓄を1本の契約でまかなえる代わりに、保険料が高く、早く解約すれば元本割れします。「低金利だから増えない」という定番の説明も、今の金利水準では前提が変わりました。だからこそ、条件は商品ごとに確かめる必要があります。まずは加入目的と必要額を決め、返戻率と保障内容を見比べましょう。積立型と掛け捨て型を組み合わせる形が合うこともあります。迷ったら、目的を書き出すところから始めてみてください。

《編集部》
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