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お盆の墓参りで考える「墓じまい」。費用や手続き、最初に知っておきたいこと

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お盆の墓参りで考える「墓じまい」。費用や手続き、最初に知っておきたいこと
お盆の墓参りで考える「墓じまい」。費用や手続き、最初に知っておきたいこと

お盆の墓参りで、草の伸びたお墓や遠さ、管理の負担から「このお墓、これからどうしよう」と感じる方もいるのではないでしょうか。墓じまいを選ぶ人は増えていますが、他の墳墓や納骨堂へ遺骨を移す改葬には市町村長の許可が必要で、費用も供養先しだいで大きく変わります。手続きの流れと費用相場、法律の基本を整理しておきましょう。

墓じまいが増える背景と「改葬」の基本

墓じまいとは、今あるお墓を撤去して更地に戻し、取り出した遺骨を別の墓地や納骨堂などへ移すことを指します。法律上の「改葬」は、埋葬した死体を他の墳墓に移すこと、または埋蔵・収蔵された焼骨を他の墳墓または納骨堂に移すことをいい、遠方で管理が難しくなったお墓を近くへ移したり、承継する家族の負担を軽くしたりする目的で選ばれています。

背景には、家族構成や暮らし方の変化があります。厚生労働省の衛生行政報告例によると、全国の改葬件数は令和6年度(2024年度)に176,105件と過去最多を記録し、前年度から約5.5パーセント増えました。令和4年度(2022年度)に初めて15万件を超えて以降も増加が続いており、2015年度と比べるとおよそ1.92倍の水準です。

改葬に必要な市町村長の許可と法律の決まり

墓じまいで見落としてはいけないのが、他の墳墓や納骨堂へ遺骨を移す改葬には行政の許可が必要だという点です。墓地埋葬法(墓地、埋葬等に関する法律)第5条では、「改葬」を行う人は、市町村長の許可を受けなければならないと定められています。この許可を受けずに改葬に当たる移動を行うことは、法律に反する行為となります。

許可を求める申請先は、改葬先でも自分が住んでいる地域でもなく、現在その遺骨が納められている墓地や納骨堂がある市区町村の役所です。窓口は自治体によって異なり、たとえば横浜市では各区役所の戸籍課が担当しています。まずは現在の墓地や納骨堂がある自治体に問い合わせることが、手続きの出発点になります。

墓じまい全体の流れと必要書類

墓じまいは、おおまかに次の順序で進みます。はじめに親族や墓地の管理者、お寺と方針を相談し、続いて新しい供養先や供養方法を決めます。そのうえで役所へ改葬許可を申請し、許可が下りたら遺骨を取り出して墓石を撤去し、新しい供養先へ納めるという流れです。

改葬許可の申請には、決められた書類がそろっている必要があります。墓地埋葬法施行規則第2条では、申請書に亡くなった方の本籍・住所・氏名・性別、死亡年月日、埋葬または火葬の場所と年月日、改葬の理由と移す先、申請者と故人との続柄や墓地使用者等との関係などを記載すると定めています。あわせて、現在の墓地や納骨堂の管理者が作成する埋葬(埋蔵・収蔵)の事実を証する書面が必要で、墓地使用者または焼骨収蔵委託者以外が申請する場合は、墓地使用者等の承諾書またはこれに代わる裁判書類なども求められます。

なお、申請書の必要な通数は遺骨1柱につき1通が一般的ですが、法令で部数が決められているわけではなく、複数の遺骨をまとめて記載できる自治体もあります。手数料も自治体ごとに差があり、横浜市のように無料のところから数百円程度までさまざまです。正確な通数や費用は、現在の墓地や納骨堂がある自治体の窓口で事前に確認しておくと安心です。

墓じまいにかかる費用の相場

墓じまいの費用は、大きく「今あるお墓を片づける費用」と「新しい供養先の費用」に分けて考えると整理しやすくなります。片づける側には、僧侶に読経してもらう閉眼供養(魂抜き)のお布施、墓石の解体・撤去工事、役所での手続き費用などが含まれます。

墓石の撤去費用は、面積1平方メートルあたり約10万円から15万円が目安とされ、お墓の広さや立地、基礎工事の有無によって変わります。総額では約20万円から50万円程度になることが多く、遺骨の取り出しに別途数万円かかる場合もあります。閉眼供養のお布施は約3万円から10万円が相場で、役所での手続き費用は自治体によって異なり、横浜市のように改葬許可が無料の自治体もあります。

離檀料の考え方と高額請求への対処

費用を考えるうえで戸惑いやすいのが、お寺の墓地を引き払うときに渡す「離檀料」です。離檀料は、長年お世話になったお寺への感謝として包むお布施の一種ですが、国民生活センターは、離檀料に明確な基準はないと案内しています。

ここで押さえておきたいのは、離檀料には明確な金額基準がなく、基本的には当事者間で話し合う費用だという点です。国民生活センターには、300万円や700万円といった高額な離檀料を求められた相談例も紹介されています。金額に納得できないときは、まず丁寧に相談・交渉し、それでも折り合わない場合は消費生活センター(消費者ホットライン188)や弁護士などの専門家に相談するのが安全です。

新しい供養先と広がる自治体の補助制度

遺骨をどこへ移すか、またはどのように供養するかで、墓じまい全体の費用は大きく変わります。代表的な供養先・供養方法の費用の目安は、次のとおりです。

  • 永代供養墓:約5万円から150万円

  • 合祀(合葬)墓:約5万円から30万円

  • 樹木葬:約20万円から80万円

  • 納骨堂:約10万円から150万円

  • 海洋散骨:約5万円から50万円

  • 手元供養:数百円から50万円程度

  • 一般墓の新規建立:約80万円から250万円

複数の人をまとめて納める合祀は費用を抑えやすく、個別に安置する形式ほど高くなる傾向があります。閉眼供養や墓石撤去、新しい供養先・供養方法までを含めた総額は、選ぶ内容によって約30万円から300万円と幅があり、墓石の撤去だけなら約20万円程度からが目安です。

ただし、墓地埋葬法上の「改葬」は、埋葬した死体を他の墳墓に移すこと、または埋蔵・収蔵された焼骨を他の墳墓または納骨堂に移すことを指します。海洋散骨や手元供養の扱いは自治体や現在の墓地管理者の運用によって異なるため、改葬許可が必要かどうかは現在の墓地や納骨堂がある自治体に必ず確認しましょう。

費用の負担を和らげる動きもあります。自治体によっては、市営・公営墓地の返還促進や無縁墓対策として、墓石撤去費等の助成、合葬式墓地への改葬支援、使用料の還付、返還協力金などを設けています。たとえば、浦安市は墓石撤去費等の補助と合祀室改葬等許可制度、太田市は八王子山公園墓地の墓石撤去費用助成、水戸市は未納骨区画を対象とする公園墓地返還促進事業の協力金、泉大津市は公園墓地の永代使用料返還制度を案内しています。市川市の一般墓地返還促進事業は、2026年5月22日時点で予算額に達したため受付終了と公表されています。制度の有無や条件、受付状況は自治体ごとに異なるため、お住まいの地域で確認してみるとよいでしょう。

お盆の墓参りは家族で考えるきっかけ

お盆の墓参りは、お墓の現状やこれからの供養について、家族で見つめ直す貴重な機会です。墓じまいは、他の墳墓や納骨堂へ遺骨を移す改葬に市町村長の許可が必要な法的手続きであり、費用も供養先や供養方法の選び方によって大きく変わります。だからこそ、その場の勢いで急いで決めるのではなく、親族やお寺と丁寧に話し合いながら進めることが、後悔を防ぐ近道になります。まずは現在の墓地や納骨堂がある自治体の窓口に相談し、補助制度なども確かめながら、無理のない形で次の供養のかたちを考えていきましょう。

《編集部》
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執筆者: 編集部 編集部

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