4月に入社した新社会人もそろそろ会社に慣れてくる頃かと思います。
4月下旬から5月には初月給を手にして使い道をどのようにしていくか迷う時期でもあります。
職場に出入りしている生命保険会社の営業社員(募集人)から「社会人になったから生命保険に入っておいたほうが良い」などと勧誘を受け、社会経験に乏しくお金の知識もないため、どうしたらいいか判断に困る事も多いかと思います。
そこで今回は新社会人の方がどのような保険に入ればよいのかを一般的な例で考えていきます。
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目次
生命保険会社が勧める一般的な商品とは
生命保険の種類は数多くありますが、ここでは一般的に保険会社が勧める商品をご紹介します。
a. 死亡に備える死亡保険
保険の代表的な商品として死亡(高度障がい含む)時に保険金が出る死亡保険ですが、保険期間を定めているものを定期保険、保険期間が一生にわたっているものを終身保険といいます。
定期保険は60歳など期間が決まっていますので、例えば同じ保険金額3,000万円でも終身保険など一生涯の保障に比べて保険料は格段に安くなります。
定期保険は結婚して子供が社会人になる60歳までなど期間を決めて保障が必要な場合、終身保険は一生涯の保障ということでお葬式代や相続対策などに適しています。
b. 入院や手術、がんなどに備える医療保険やがん保険
・ がんと診断された場合やがんで入院した場合に保険金が出るがん保険
・ 最近は単独のがん保険に加入せずに、医療保険にがん保険が特約としてセットされている保険
もあります。
C. 貯蓄性のある個人年金保険
個人年金保険とは、国民年金や厚生年金などの公的年金を補てんする目的で加入する私的年金の一種です。
個人年金保険は、契約時に定めた60歳や65歳から、一定期間(5年、10年など)もしくは一生涯にわたって毎年一定額の年金が受け取れる貯蓄性のある保険です。
堅実なイメージのある個人年金ですが、最近はドルなど外貨で運用する「外貨建て個人年金」や保険会社の運用実績によって年金額が変動する「変額個人年金保険」など元本割れのリスクのある商品も増えてきています。
新社会人にとってどんな保険が必要か考えてみましょう
死亡保険について
まず死亡保険ですが、あなたが死亡した場合に誰がどのぐらい金銭的に困るかという視点で考えてください。
親の年金が十分でなくで金銭的に困窮している場合などを除いて、新社会人でまだ配偶者や子供がいない独身者であれば一般的には必要ありません。
医療保険について
医療保険やがん保険については、過度に心配することはないと思います。
あなたが新社会人として会社で公的な健康保険に加入している場合はもし入院や手術をした場合も医療機関で支払う金額は治療費の3割相当となります。
治療費が高額な場合でも1か月の自己負担額が一定額を超えた場合には高額療養費という制度があります。
一般的な収入の新社会人であれば1か月8~9万円程度が自己負担額の上限となります。
また病気やケガのために働くことができず、連続して3日以上勤めを休んだときには、傷病手当金として4日目から1日につき標準報酬日額の3分の2が1年半を限度に支給されます。
ですから医療保険に加入するか検討する場合は高額療養費がや傷病手当金という制度があることを念頭に検討してください。
がん保険について
がん保険については外来で5年以上通院治療を続けるケースもあり、医療保険に加入していたとしても入院や手術をしなければ出ない事になります。
外来で毎月抗がん剤治療等で多額の治療費が長期にわたって必要な場合があり、高額療養費制度があるにしても相当な出費になりますので、検討の余地は十分にあると思います。
個人年金保険について
個人年金保険については、史上最低金利ということもあり運用に苦戦しており、保険期間満了まで引き出すことは原則できず、長期にわたって拘束されることになりますのでお勧めできません。
外貨で運用する個人年金について
また外貨で運用する「外貨建て個人年金」や保険会社の運用実績によって受取額の変動する「変額個人年金保険」など元本割れのリスクのある商品もよほど余裕のある場合を除いてお勧めできません。
まとめ
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新社会人が加入を検討してもよい保険としては、
入院日額は5,000円程度、健康保険の適用外となる先進医療特約とがん一時金特約100万円(がんと診断された場合に給付金が複数回でるもの)を付ければ十分です。
18歳~22歳の新社会人であれば保険料を65歳で払込を終わらせる短期払い(保障は一生涯続きます)でも月額の保険料は3,000円程度で加入できます。
保険会社は営利企業であり、保険会社が勧めする保険があなたにとって最適なものとは限らないという事を前提に、医療保険を検討するにしても急いで加入する必要はありません。
複数の保険会社をじっくりと比較してから契約するようにしてください。(執筆者:後藤 誠道)