とても魅力のある優待だけれども、業績を見ると赤字…
投資するべきかどうか迷いますよね。
赤字が原因で優待が廃止されてしまっては元も子もありません。
今回は投資するかしないかの判断のために、確認しておくべき2点を解説します。
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目次
1. お金がある企業かどうか
株主優待を実施するには当然コストがかかります。
赤字で利益がない以上は、これまで貯めた資金から出すしかありません。
これまでの利益の蓄積については
を確認します。
もちろん、この項目の金額がすべて自由につかえる現金というわけではありませんが、おおまかに余裕資金の有無を判断することができます。
企業の発表する決算短信や会社四季報で確認することができます。
赤字であっても利益剰余金の数字が大きければ、今後も優待を継続できると考えて、この株を「買う」と判断することができます。
2. 市場はどこか
どの市場に上場しているかも重要なチェックポイントとなります。
市場によっては、業績の状況により上場廃止基準に抵触する場合があるからです。
主な市場の基準を簡単にご紹介します。
東証マザーズ:売上高が1億円に満たない場合
JASDAQ:営業利益及び営業活動によるキャッシュフローが5年連続マイナスとなる場合
詳細は日本取引所グループのサイトで確認できます。
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実際に見てみよう
三光マーケティングフーズ[2762]
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売買単位:100株
必要投資金額:10万2,200円
権利確定月:6月・12月
1株あたりの年間配当:16円(2018年6月期予想)
配当利回り:1.5%
優待利回り:5.87%
優待内容:
100株:
3,000円(1,000円券3枚)の株主ご優待券または精米1kg
200株以上500株未満:
6,000円(1,000円券6枚)の株主ご優待券または精米3kg
500株以上:
1万2,000円(1,000円券12枚)の株主ご優待券または精米5kg
「金の蔵」、「アカマル屋」、「月の雫」などの居酒屋チェーンの会社です。
売上は減少傾向で赤字を出す年も多く、今期も赤字の見込みです。
ですが、優待利回りが非常に高く、配当まで出しています。
・2017年損益:▲2億9千万円
この会社には、損失を補えるだけの余力があることが分かります。
ちなみに、自己資本比率は約70%、有利子負債は0と、財務面ではかなり優秀です。
当面優待制度は維持できるのではないかと判断できます。
シベール[2228]
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売買単位:100株
必要投資金額:29万1,200円
権利確定月:8月
1株あたりの年間配当:15円(2018年8月予想)
配当利回り:0.51%
優待利回り:1.03%
優待内容:
100株以上499株:約3,000円相当の自社製品
500株以上:約6,000円相当の自社製品
東北拠点の洋菓子メーカーです。
2月と8月の年2回優待を実施していましたが、2017年から1回になりました。
これまでと同じ優待を出すのが難しくなったようです。
・2017年損益:▲3億8千円
2016年、2017年と2期赤字となり、2018年月期は黒字予想をしていましたが、下方修正されて赤字となる見込みです。
JASDAQ上場ですので、営業利益と投資キャッシュフローが5年連続マイナスとなると上場廃止基準に抵触します。
企業としては必至で回避すると思われますが、その手段として優待を廃止する可能性も捨てきれません。
魚喜[2683]
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売買単位:100株
必要投資金額:16万1,300円
権利確定月:8月末
1株あたりの年間配当:0円
配当利回り:0%
優待利回り:3.0%
優待内容:
100株以上:自社ギフト商品
魚介類の小売り、寿司・惣菜の販売、レストラン経営をしている会社です。
会社ホームページには明記されていませんが、毎年5,000円相当の塩数の子がもらえます。
12月にもらえるのでお正月のおせち用に魅力的な優待ではありますね。
・2018年損益:▲1億6千万円
2018年2月期の決算では2年連続の赤字となりました。
利益剰余金がマイナス状態です。
このような状態で優待を続けていけるのか不安があります。
優待を貰うことが目的になっていませんか?
優待狙いの株式投資をしていると、ついつい「優待を貰うこと」が目的になってしまいがちです。実際にはその優待をそれほど欲しいとは思っていないこともあるかもしれません。
赤字の企業で投資に迷う場合は今回ご紹介した2点を確認した上で、「自分が本当に欲しい優待なのか。自分で支払って買う方がリスクが少ないのではないか」と自分に問いかけてみてください。(執筆者:高橋 珠実)