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親の後見人は、8割超が親族以外。誰がなるかは家庭裁判所が決める

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親の後見人は、8割超が親族以外。誰がなるかは家庭裁判所が決める
親の後見人は、8割超が親族以外。誰がなるかは家庭裁判所が決める

お盆に実家へ帰ると、親の受け答えに以前との違いを感じることがあります。そんなときに候補として浮かぶのが成年後見制度です。家族が申し立てれば家族が後見人になるものだと思って調べ始める人は少なくありません。ですが実際に選ばれているのは、8割を超えて親族以外の人です。誰がなるかは、申し立てた側では決められません。

後見人を選ぶのは家庭裁判所

成年後見制度は、判断能力が十分でなくなった人に代わって、財産の管理や契約を担う人を付ける仕組みです。判断能力が欠けているのが通常の状態にある人については、本人や配偶者、四親等内の親族などの請求により、家庭裁判所が後見開始の審判をします(民法7条)。

このとき成年後見人を選ぶのは、申し立てた家族ではありません。家庭裁判所が審判をするときに、職権で選任します(民法843条1項)。誰を選ぶかは、本人の心身の状態や生活と財産の状況、後見人になる人の職業や経歴、本人との利害関係の有無などを考慮して決められます(同条4項)。

申立書には後見人の候補者を書く欄があります。ただし、書いたとおりに選ばれるとは限りません。令和7年1月から12月までに認容で終局した後見開始、保佐開始及び補助開始の各審判事件のうち、親族が候補者として各開始申立書に記載されていたものは約19.7%でした(最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況」令和7年1月から12月まで)。

親族以外が8割超。司法書士や弁護士が中心

誰が選ばれているのかは、統計に表れています。令和7年1月から12月までに認容で終局した後見開始、保佐開始及び補助開始事件で、開始と同時に選任された成年後見人等と本人との関係をみると、配偶者、親、子、兄弟姉妹、その他の親族が選ばれたものは全体の約16.4%でした。親族以外が選ばれたものは約83.6%で、親族を上回っています(同概況)。

親族以外の内訳では、司法書士がもっとも多く、弁護士、社会福祉士が続きます。後見人は本人の財産を管理し、財産に関する法律行為について本人を代表する立場にあります(民法859条1項)。家庭裁判所はいつでも後見の事務の報告や財産目録の提出を求めることができ(民法863条1項)、就いたあとも裁判所の監督が続きます。

なれない人は法律で決まっている。元気なうちに選ぶ道もある

後見人になれない人も条文で決まっています。未成年者、家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人・補助人、破産者、本人に対して訴訟をした人とその配偶者や直系血族、行方の知れない人の5つです(民法847条)。親族であっても、これに当たれば選ばれません。

任せる相手を自分で決めておきたいなら、本人の判断能力があるうちに手を打つ方法があります。任意後見契約です。将来に備えて、誰にどこまでの事務を委託するかをあらかじめ契約しておき、判断能力が不十分な状況になった段階で家庭裁判所が任意後見監督人を選任すると効力が生じます(任意後見契約に関する法律2条1号)。誰に任せるかを自分で選べる点が、家庭裁判所が選任する法定後見との違いです。

判断能力が落ちてからでは、相手を選べない

なお、成年後見制度は見直しが決まっています。令和8年6月24日に公布された民法等の一部を改正する法律(令和8年法律第45号)で、後見と保佐を廃止して補助の制度に一元化することとされましたが、成年後見制度の見直しに係る改正の施行は公布の日から起算して2年6月を超えない範囲で政令で定める日で、今はまだ現行のままです。制度が変わっても、任せる相手を自分で決められるのは判断能力があるうちだけという点は動きません。顔を合わせたときこそ、話しておく機会になります。

《編集部》
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執筆者: 編集部 編集部

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