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事実婚では配偶者控除を受けられない。それでも扶養に入れる制度がある

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事実婚では配偶者控除を受けられない。それでも扶養に入れる制度がある
事実婚では配偶者控除を受けられない。それでも扶養に入れる制度がある

事実婚のパートナーを扶養に入れられるのかは、税金と社会保険で答えが変わります。所得税の配偶者控除は法律上の配偶者に限られますが、健康保険や国民年金では事実婚も配偶者に含まれます。どちらがどうなるのかを、条文と国税庁の説明で整理します。

同じ「扶養」でも、税と社会保険は別の制度

扶養に入る、という言い方は日常でひとまとめに使われますが、中身は二つに分かれています。ひとつは所得税や住民税を計算するときの扶養で、もうひとつは健康保険や年金の扶養です。

この二つは所管も根拠となる法律も別で、条件もそろっていません。だから、片方で扶養に入れるのに、もう片方では入れないという結果が普通に起こります。事実婚のケースは、その差がいちばんはっきり出る場面です。

順番としては、まず税のほうから見ていきます。ここがいちばん厳しく、答えもはっきりしているためです。

税の配偶者控除は、法律上の配偶者に限られる

国税庁は、配偶者控除の対象となる控除対象配偶者の要件として、まず民法の規定による配偶者であることを挙げ、内縁関係の人は該当しないと明記しています。あわせて、納税者と生計を一にしていること、その年の合計所得金額が58万円以下であること(令和7年分から適用)、事業専従者として給与を受けていないことが要件とされています。なお、令和8年度税制改正により、同一生計配偶者の所得要件は令和8年12月1日以後、令和8年分以後の所得税について62万円以下に引き上げられます。

金額の面では、一般の控除対象配偶者の場合、納税者本人の合計所得金額が900万円以下であれば控除額は38万円です。900万円を超えて950万円以下なら26万円、950万円を超えて1,000万円以下なら13万円と下がります。老人控除対象配偶者の場合はそれぞれ48万円、32万円、16万円となり、1,000万円を超えると配偶者控除は受けられません。

配偶者特別控除も同じです。国税庁は配偶者特別控除の要件についても、民法の規定による配偶者であること、内縁関係の人は該当しないと書いています。所得の条件は合計所得金額が58万円を超えて133万円以下という範囲です。なお、令和8年度税制改正により、配偶者特別控除の対象となる配偶者の所得要件は令和8年12月1日以後、令和8年分以後の所得税について62万円超133万円以下に引き上げられますが、その手前で法律上の配偶者であることが求められています。

つまり、どれだけ生計をともにしていても、婚姻届を出していなければ税の配偶者控除も配偶者特別控除も使えません。ここは例外のない線引きです。

健康保険の被扶養者には、事実婚も含まれる

ところが、健康保険では扱いが変わります。健康保険法3条7項は被扶養者を定めた規定で、その中で配偶者について、届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むと書いています。

条文がわざわざこの括弧書きを置いているのは、婚姻届の有無で線を引かないという意思のあらわれです。生活の実態として夫婦と同じ関係にあり、主としてその収入で生計を維持されているのであれば、事実婚の相手も被扶養者になり得ます。

税の側で内縁関係の人は該当しないと書かれているのと、まったく逆の書き方になっている点に注目してください。同じ「配偶者」という言葉でも、法律ごとに範囲が違うということです。

なお、実際に認定してもらえるかどうかと、その際に何を出すのかは、加入している健康保険によって扱いが分かれます。手続きに入る前に、勤務先か加入先の窓口に確認しておきましょう。

国民年金の第3号被保険者も、同じ考え方をとる

年金も健康保険と同じ側に立っています。国民年金法5条7項は、この法律において配偶者、夫および妻には、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むと定めています。

そのうえで同法7条1項3号が、第2号被保険者の配偶者であって主として第2号被保険者の収入により生計を維持する20歳以上60歳未満の人を、第3号被保険者としています。第2号被保険者は会社員や公務員として厚生年金に加入している人を指します。

この二つを重ねると、会社員に扶養される事実婚の配偶者も、20歳以上60歳未満であれば第3号被保険者になり得るということになります。第3号被保険者の期間は自分で保険料を納めなくても国民年金の加入期間として扱われるため、将来の年金額に直接かかわる部分です。

制度ごとに答えが違うので、確認先も別になる

ここまでを一枚に整理すると、次のようになります。

事実婚では配偶者控除を受けられない。それでも扶養に入れる制度がある

税で使えないものを社会保険で埋められるわけではありませんし、その逆もありません。控除の話は税務署や勤務先の年末調整の窓口へ、健康保険と年金の話は加入先へと、聞く相手が分かれます。

もうひとつ頭に置いておきたいのが、相続の場面です。事実婚の配偶者には法律上の相続権がありません。扶養に入れているかどうかとは別の問題として、遺言などの備えが必要になります。

届出の前に、どちらの窓口の話かを分ける

事実婚では、税の配偶者控除も配偶者特別控除も使えません。一方で、健康保険の被扶養者や国民年金の第3号被保険者には、事実婚の配偶者も含まれます。同じ扶養という言葉でも、確認する先は税と社会保険で別々です。どちらの扱いになるのかを、手続きに入る前にそれぞれの窓口へ確かめてみてください。

《編集部》
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執筆者: 編集部 編集部

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