
お盆の帰省で親の暮らしぶりが気になり、介護保険の認定まで進んだという家庭は少なくありません。認定が出れば必要なだけサービスを使えて、負担は1割で収まると思われがちです。ですが使える量には要介護度ごとの枠があり、認定を受けたからといって自由に使えるとは限りません。
認定後に使えるサービスは大きく6つ
介護保険で受けられるのは、ホームヘルパーの訪問だけではありません。厚生労働省は、利用できるサービスを大きく6つのまとまりで示しています。相談とケアプランの作成、自宅への訪問、施設に出かけて日帰りで受けるもの、宿泊しながら受けるもの、訪問と通いと宿泊の組み合わせ、そして福祉用具です。
どれをどう組むかは、ケアプランで決めます。要介護1以上なら居宅介護支援事業者のケアマネジャーへ、要支援1・2ならお住まいの地域包括支援センター、または市区町村から介護予防支援の指定を受けた居宅介護支援事業者へ相談します。ケアプランがないと、サービスの利用は始まりません。

使える量を決めるのは要介護度ごとの枠
サービスは好きなだけ使えるわけではありません。自宅で暮らしながら使う居宅サービスには、1か月に使える量の上限が要介護度別に定められています。これが区分支給限度基準額で、要支援1から要介護5までの区分ごとに額が違います。根拠は介護保険法で、要介護の人は43条、要支援の人は55条に定めがあります。
気をつけたいのが、この枠が全国一律とは限らない点です。どちらの条文にも、保険者である市区町村が条例で、国の定める額を超える額を自分の限度額にできると書かれています。自分の枠がいくらなのかは、ケアマネジャーか市区町村の窓口で確かめるのが確実です。
枠の中は1割から3割、超えた分は全額
枠の中で使ったサービスの自己負担は、かかった費用の1割です。一定以上の所得がある人は2割または3割となり、割合は所得に応じて決まります。施設に入って使う場合は、この負担に加えて居住費と食費、日常生活費もかかります。
見落としやすいのは枠を超えたときの扱いです。超えた分は保険の対象から外れ、費用の全額が自己負担になります。同じサービスでも、枠の内と外では支払いの重さがまるで変わります。
負担が重くなりすぎないための仕組みも用意されています。月々の利用者負担の合計が所得に応じた上限を超えたときは、超えた分が高額介護サービス費として支給されます。ただし受け取るには市区町村への申請が必要で、福祉用具の購入費、住宅改修費、食費、居住費などは対象から外れます。
枠を踏まえたケアプランづくり
使えるサービスの種類は幅広く、組み合わせ方にも自由度があります。ただしお金の面では、要介護度ごとの枠と、超えた分は全額という線が最後までついてまわります。ケアプランを作る段階で、枠のどのあたりまで使う計画なのかをケアマネジャーに確かめておきましょう。判断に迷ったら、市区町村の窓口や地域包括支援センターが相談先になります。


