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「会社員の生涯賃金」に答えは1つではない。学歴・企業規模・退職金の有無で自分の数字を探す

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「会社員の生涯賃金」に答えは1つではない。学歴・企業規模・退職金の有無で自分の数字を探す
「会社員の生涯賃金」に答えは1つではない。学歴・企業規模・退職金の有無で自分の数字を探す

求人票や同僚との雑談で「大卒なら生涯で億単位」といった数字を耳にしても、それが額面か手取りか、退職金を含むのか、何年の統計なのかまでは語られないものです。労働政策研究・研修機構が公表する生涯賃金の推計は、条件ごとに別の表に分かれています。同じ「生涯賃金」でも、見る表が違えば数字は変わります。

生涯賃金の正体は「今の各年齢の平均賃金」の足し上げ

公的な推計としてよく引かれるのが、労働政策研究・研修機構(JILPT)の「ユースフル労働統計2025」です。ひとりの人が実際に受け取った賃金を追った統計ではなく、厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2024年調査)の年齢階級別の統計を用い、入職年齢から59歳まで(59歳の賃金は6.5か月分に調整)足し上げた推計値です。前提は、学校を卒業してすぐ就職し、60歳で退職するまでフルタイムの正社員を続ける職業生涯で、転職は平均的に起きても途中で職を離れない形です。

足し上げる賃金は、その年齢が属する年齢階級のきまって支給する現金給与額を12倍した額に、一つ上の年齢階級の年間賞与などを加えたものです。賃金構造基本統計調査の用語の定義では、きまって支給する現金給与額は手取り額ではなく、所得税・社会保険料などを控除する前の額で、基本給や各種手当のほか超過労働給与額も含まれます。つまり生涯賃金は手取りではなく、所得税や社会保険料などを引く前の総支給(額面)の合計です。

学歴と男女で分かれる60歳までの生涯賃金

次の表は、退職金を含まない60歳までの生涯賃金で、2024年の調査結果をもとにした値です(ユースフル労働統計2025 図21-1)。

「会社員の生涯賃金」に答えは1つではない。学歴・企業規模・退職金の有無で自分の数字を探す

この表は、学歴が6区分ある元の表から、グラフに載っている高校卒と大学卒だけを抜き出したものです。元の表(表21-1)には中学卒、専門学校卒、高専・短大卒、大学院卒の値も、企業規模別に2020年から2024年まで年ごとに載っています。自分の最終学歴の欄を、同じ年の値で見るのが基本です。

企業規模の差と、退職金・60歳以降を足した別の表

同じ学歴でも、企業規模で数字は大きく動きます。男性大学卒の場合、企業規模1,000人以上では3億円に達するのに対し、10~99人では2億1千万円です(退職金を含まない60歳まで、2024年)。この推計は、転職しても同じ企業規模の企業に移るものとして計算されているので、勤め先の企業全体の常用労働者数に当たる欄をそのまま見ます。

60歳で定年退職金を受け取り、その後は平均的な引退年齢までフルタイムの非正社員として働き続けた場合の生涯賃金は、図21-2として別に載っています。そこで足される退職金は、就労条件総合調査による定年退職者1人平均の退職給付額で、勤続20年以上・45歳以上の退職者(パートタイムを除く)を対象にした男女計・2022年分の値です。企業規模は30人以上です。同じ企業で60歳まで勤め続けた同一企業型の生涯賃金も別の図で示されています。退職金を含むかどうか、60歳までか引退年齢までかで、同じ学歴・性別でも別の数字になるため、どの表の値かを確かめずに比べることはできません。

自分に当てはめる前にそろえたい4つの条件

生涯賃金の数字を見たら、まず退職金を含まない60歳までの値か、退職金を含めて引退年齢までの値かを確かめます。次に自分の学歴区分、企業規模、男女別の欄を選びます。値は2024年の調査にもとづく総支給の合計で、手取りではありません。この4つの条件をそろえて初めて、自分に近い数字として使えます。

《編集部》
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執筆者: 編集部 編集部

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