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注目記事お金の価値観診断を更新「暑い夏の自分へのご褒美スタイル診断」2026年8月

退去時の壁紙代はどこまで払うのか

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退去時の壁紙代はどこまで払うのか
退去時の壁紙代はどこまで払うのか

退去の立ち会いが終わったあと、思っていたより高い請求書が届くことがあります。とくに壁紙は部屋全体の張り替えになりやすく、金額が大きくなりがちです。どこまでが借りた側の負担なのか、線引きには考え方があります。

20代会社員が退去の請求書を見て手が止まった場面

「4年住んだ部屋を出たら、壁紙を全部張り替える費用を請求されまして」。都内で一人暮らしをしていた20代の会社員は、届いた明細を前にそう話しました。心当たりは、ベッドの頭側に付いた小さな汚れくらいだったといいます。

こうした場面で最初に確かめたいのが、法律がどこまでを借りた側の義務としているかです。民法621条は、賃借人は借りた物に生じた損傷を原状に復する義務を負うとしたうえで、その損傷から「通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化」を除くと定めています。日々の暮らしで自然に生じた傷みや、時間の経過による変化は、そもそも義務の外に置かれているということです。

住んだ年数で負担割合が下がる

もう一つの柱が、年数の考え方です。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、壁(クロス)について「6年で残存価値1円となるような負担割合を算定する」としています。

つまり、同じ傷でも入居して間もない時期と、何年も住んだ後とでは負担の割合が変わります。年数が経つほど価値が下がっていく前提で計算するので、長く住んだ人ほど請求できる額は小さくなっていく組み立てです。ここで具体的に考えると、入居直後に付けた傷と、5年住んでから付けた傷とでは、同じ張り替え工事でも負担する割合が違ってくるということになります。

なお、この扱いはどの部位にも一律ではありません。同じガイドラインは、襖や障子などの建具部分、柱については「経過年数は考慮しない」としています。壁紙の話をそのまま他の場所へ広げないほうが安全です。

部屋全体の張り替えを求められたら

見落としやすいのが、負担する「範囲」です。色や模様を合わせるために部屋全体を張り替えること自体はよくありますが、その費用を丸ごと借りた側に負わせてよいかは別の話になります。

ガイドラインは、部屋全体のクロスの色や模様を一致させるのは商品価値の維持という側面が大きく、全体の張り替えを賃借人の義務とすると「原状回復以上の利益を賃貸人が得ることとなり、妥当ではない」としています。そのうえで、平方メートル単位が望ましいものの、毀損した箇所を含む一面分までは賃借人負担としてもやむをえない、という整理を示しています。

例外もあります。喫煙などで居室全体のクロスがヤニで変色したり臭いが付いたりした場合に限っては、居室全体のクリーニングまたは張り替え費用を賃借人負担とすることが妥当、とされています。

線引きを知ってから話をする

このガイドラインは法令ではなく、裁判例などを踏まえて考え方を整理したものです。それでも、通常損耗と経年変化は義務の外、年数で負担割合は下がる、壁紙の負担範囲は平方メートル単位が望ましいものの毀損箇所を含む一面分まではやむをえない、という3点を押さえておけば、明細のどこを見ればよいかが分かります。納得できなければ、契約書の条項と併せて消費生活センターに相談する方法もあります。

《編集部》
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執筆者: 編集部 編集部

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