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親が生前に墓を建てたいと言う。代金を払い終えれば非課税、残った未払代金は引けない

税金 相続・贈与
親が生前に墓を建てたいと言う。代金を払い終えれば非課税、残った未払代金は引けない
親が生前に墓を建てたいと言う。代金を払い終えれば非課税、残った未払代金は引けない

秋の彼岸の墓参りで、親から「自分の墓は元気なうちに建てたい」と言われる人もいるでしょう。墓地や墓石は相続税がかからない財産で、生前に預金で買って払い終えれば、その分の現金は非課税の財産に変わります。ただし代金を残したまま亡くなると、その未払代金は遺産から差し引けません。生前に買うなら、支払いまで済ませておくことが要です。

父から墓の話を切り出された50代の女性の戸惑い

「お父さんが、自分の墓は自分で建てておきたいと言い出したんです。」都内で暮らす50代の女性は、父からそう告げられました。代金は父の預金から出すそうです。希望はかなえたい一方で、相続税の申告に響かないかが気がかりでした。税理士の答えは「墓は非課税財産です。ただし、代金の残し方には気をつけてください」でした。

墓地や墓石は非課税財産。預金で買えばその分が非課税に変わる

相続税法12条は、墓所、霊びょう、祭具とこれらに準ずるものの価額を相続税の課税価格に算入しないと定めています。国税庁はこれを、墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている物と説明しています。親が生前に預金で墓を買えば、課税される預金が非課税財産の墓に置き換わります。亡くなった後に相続人が買っても、相続の時点で残っていた預金は課税される財産のままです。

ただし、骨とう的価値があるなど投資の対象となるものや商品として所有しているものには相続税がかかります。分かれ目は、日常礼拝をしている物かどうかです。

代金を残して亡くなると、未払代金は遺産から差し引けない

気をつけたいのが、代金の残し方です。相続税には、被相続人が死亡したときに現に存在した債務で確実と認められるものを遺産総額から差し引く債務控除があります(相続税法13条)。同じ13条は、墓所や祭具などの取得、維持、管理のために生じた債務の金額を控除に算入しないとも定めています。国税庁も「被相続人が生前に購入したお墓の未払代金など非課税財産に関する債務は、遺産総額から差し引くことはできません」と案内しています。

親が元気なうちに、支払いと書類をそろえておく段取り

段取りは3つです。まず、代金は親の名義で、親の預金から払い終えます。ローンや分割払いを残す買い方は、未払代金が債務控除から外れるので避けます。次に、契約書と領収書を保管し、誰がいつ買ったかを家族が示せるようにします。そのうえで、選ぶ物は日常礼拝に使う範囲にとどめます。

親の希望をかなえるなら、支払いまで親の名義で済ませておく

親が生前に墓を建てたいと言うなら、代金は親の預金から親の名義で払い終え、契約書と領収書を残しておくのが手堅い進め方です。払い終えた分の現金は非課税財産の墓に変わり、未払代金が残ると遺産から差し引けません。迷ったら、税理士か税務署に相談してみてください。

《編集部》
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