
友人の親が亡くなり、届いた知らせには「家族葬で行います」の一言だけ。参列してよいのか、香典は送るべきかで手が止まりがちです。家族葬という言葉が指す範囲は一律ではなく、決め手になるのは案内に書かれた一文と喪主側の意向です。親族として参列するときの仕事の休みも含め、知らされた側の動き方を確かめておきましょう。
友人の親の家族葬を知らされ、香典で迷う50代の女性
「家族葬で送るって書いてあるけど、香典くらいは送ったほうがいいのかしら」。学生時代の友人から、父親が亡くなったと連絡を受けた50代の女性は、文面を何度も読み返しました。葬儀の日時や場所は書かれておらず、香典や供花の扱いにも触れていません。
行かないのは冷たい気もしますが、身内だけで送りたい家族の負担にはなりたくありません。弔意を伝えたい気持ちと遠慮の間で、女性は迷いました。
家族葬という言葉の意味と範囲、仕事の休みの扱い
国民生活センターが2026年6月3日に公表した葬儀サービスの料金トラブルの報告書は、家族葬を「という場合がある」と含みを持たせて説明しています。取り扱う範囲も葬儀社によって異なることがあり、言葉だけでは友人が参列してよいかまでは分かりません。公的な資料で確かめられることを場面ごとに並べると、次のとおりです。

厚生労働省は、慶弔休暇のような特別な休暇を、法律で義務とされた休暇ではなく企業が任意に設ける制度と説明しています。参列が決まったら、勤務先の就業規則で休めるか、何日休めるかを確かめます。一方、国家公務員は人事院規則で、亡くなった親族に応じた日数の休暇(忌引)が定められています。人事院の休暇制度の概要は、父母の場合を7日と例示しています。
参列・香典・供花は、案内の一文と喪主側の意向で決める
まずは案内の文面を読み返します。参列や香典、供花を辞退すると書かれていれば、その意向に従います。辞退の記載が無いときは自分で決めず、連絡をくれた友人に「お香典をお送りしてもよいか」と短く確かめると安心です。
供花や弔電も、辞退の記載があれば控えます。葬儀に参列しなかったときや、知らせを受けたのが葬儀の後だったときは、落ち着いた頃に喪主側の都合を聞いて弔問し、お悔やみを伝える方法があります。
冒頭の女性も、案内を読み返したうえで、友人に香典を送ってよいかを短いメッセージで尋ねることにしました。遺族の意向を先に聞いておけば、送ってから気まずくなることも、何もせずに悔やむことも避けられます。
知らせてくれた相手の気持ちに沿って動く
家族葬と知らされたときに頼りになるのは、言葉の印象より案内の一文です。辞退と書かれていれば従い、書かれていなければ連絡をくれた人に確かめ、行けなかったら後日の弔問で気持ちを届けます。親族として参列するなら、就業規則で休みの扱いも確かめておきましょう。知らせてくれた相手の気持ちに沿って動けば、迷いは小さくなります。


