よく知られているとおり、会社を退職した後にハローワークで手続をすることで、失業中の生活を支えるために、雇用保険から失業給付(基本手当)が支給されます。
この失業給付を受給できるかどうかは、
・雇用保険の被保険者期間
で判断されます。それでは、次のような短期間で離職した場合に、失業給付は出るのかを一緒に考えてみましょう。
目次
1. 花子さんの離職の理由は?
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A社の離職理由は、転職のため自己都合退職になります。他方、B社の離職理由は、会社の業績悪化による解雇です。
離職理由は、直近の離職理由で判定されるため、花子さんの離職理由はB社の会社の業績悪化による解雇で判定されます。
2. 花子さんの被保険者期間は?
離職の理由が一身上の都合などの「自己都合退職」である時には、原則として最低1年間、雇用保険に加入していたことが必要です。
但し、
・期間の定めのある労働契約が更新されなかった場合
などのやむを得ない理由によって離職した場合には、雇用保険に加入していた期間が6か月以上で足ります。
花子さんの場合、離職理由はB社で判定されますが、B社では5か月しか働いていないためB社だけの被保険者期間では失業給付を受給できません。
この場合、受給できるかどうかの判定は、2社(A社とB社)での離職票をハローワークに提出することで行われます。
花子さんは、
・A社とB社の間のブランクが1年以内
の要件を満たすため、2社(A社とB社)の被保険者期間が通算され、総10年5か月分(A社で10年、B社で5か月)の被保険者期間があると判定されます。従って、失業給付を受給できると判断されます。
3. 花子さんは、いつから、どのくらいの失業給付を受給できるの?
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花子さんの離職理由が会社の業績悪化による解雇ですから、ハローワークに求職の申し込み後8日目から失業給付が開始されます。
また失業給付の内容は、離職理由・離職時の年齢・雇用保険の被保険者であった期間に応じて決定されます。
花子さんは、離職理由が会社の業績悪化による解雇・離職時の年齢は45歳・雇用保険の被保険者であった期間は10年5か月ですから、270日分の失業保険を受給できます。
離職理由は直近の離職理由で判断されること、雇用保険の被保険者期間が短期であっても失業給付の受給の可能性があることを知っていただければ幸いです。
単独では雇用保険の被保険者期間が短い場合であっても、他の会社での被保険者期間と繋げることで失業保険を受給できることがありますので、期間が短くとも離職票を発行してもらうことをお勧めします。(執筆者:岡村 ひろ子)