新学期が近づき、新年少児と新小学3年生を抱えるわが家には、4月からスタートできる習い事の宣伝広告がポストにたくさん入るようになりました。
英語・算数・プログラミング・コミュニケーション力など、これからの子どもたちに必要といわれる能力は多岐にわたり、親としてはできるだけのことをしてやりたいと思うものです。
とはいえ、習い事は継続的にお金が出ていく大きな「固定費」の1つです。
安易に習い事を増やしてしまうと、今後の進学資金や老後資金に影響が出る可能性もあります。
子どもに習い事をさせようと思うとき、確認しておきたいステップを紹介します。
目次
STEP1:子どもの習い事にかけられる金額を把握する
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世帯の収入から子どもの習い事にかけられるお金を計算しておきましょう。
家計における子どもの習い事費の割合は、手取り月収の5%程度が適切だといわれています。
ただし、子どもの年齢が低いほど習い事費は安く、中学3年生まで年々増加するというのが一般的なので、子どもの年齢に応じて3~10%程度を目安にすると良いのではないでしょうか。
子どもが2人以上いる場合は、きょうだい間で予算のバランスを取る必要もあります。
手取り月収から、おおよその「毎月習い事費として出せる額」を割り出し、子ども1人当たりにかけられる金額を把握しておくことが大事です。
STEP2:月謝以外の費用も含めた支出額を見積もる
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習い事を始めるときは、月々支払う月謝に目が行きがちですが、それ以外にも追加費用がかかることはよくあります。
たとえば、ユニフォーム代や楽器代、教材費などです。
筆者は小さなころダンスを習っていたのですが、レッスンで使うシューズは良い値段がするものの消耗品で、しょっちゅう親に買い替えをお願いしていました。
また、発表会や遠征費など、イベントに応じてお金が必要になることもあります。
筆者の長女は空手を習っていますが、年に数回ある試合や夏の合宿などで追加のお金が必要です。
そして見落としがちなのが、習い事に通うための交通費や外食費です。
1回あたりの額は小さくても、毎週通っていれば交通費もそれなりの額になります。
また、習い事の時間帯によっては、補食が必要になったり、外食が増えたりする可能性もあります。
子どもの習い事が終わるまで親が近くで待っている場合は、その間の喫茶店代や、親同士の交際費が必要になることも。
月謝だけにとらわれず、1年間のトータルでどの程度の支出が必要になるか計算し、予算内におさまっているかを確認しましょう。
STEP3:値上がりを考慮する
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特にピアノやバレエなどの芸術系、塾など学習系の習い事は、年齢が上がるとそれにともなって習い事費も上がる傾向があります。
始めたときは数千円の月謝だけで済んでいたのに、数年後には特別レッスンなども増えて、月数万円の出費になることも少なくありません。
習い事を始めるときに「子どもがどのくらい続くか」を予測するのは難しいものですが、あらかじめ教室に尋ねたり、すでに通っている人に質問したりして、
という見通しを立てておくと安心です。
年々習い事費が上がり続け、家計に大きな打撃を与えているにも関わらず、今更子どもに辞めろとも言えない…。
そんな状況を回避するためにも、ある程度の値上がりを考慮しておくことは大切です。
STEP4:他と比較する
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習い事を検討するときは、他の似たような教室や塾と比較するだけでなく、自宅でできることや短期のイベントなども含めて検討してみましょう。
たとえば、子どもに人気の英会話教室は、オンライン英会話を活用することで費用を抑えられます。
タブレットを使った通信教育や、スタディサプリのような動画学習アプリを使えば、幼児教室や塾にいくよりも安上がりです。
長期休暇中の短期スイミングスクールや、プログラミング合宿など、単発で参加できるものも数多くあります。
筆者の長女の場合、定期的に英会話学校へ通うのではなく、普段はプリント学習を中心に行い、長期休暇のときにサマースクールなどに参加することで英会話の機会を設けています。
今は習い事の形態も多種多様です。
「毎週通う」以外の選択肢も含めて、それぞれのメリット・デメリットを確認して検討するのをおすすめします。
STEP5:「辞め時」を決めておく
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習い事を始めるときに忘れてはいけないのが、ある程度の「辞め時」を決めておくことです。
物事は始めるときよりも辞めるときの方が難しいものです。
「いつごろになったら」あるいは「どの程度できるようになったら」辞めるのかをイメージしておいて、子どもと共有しておくことが大切です。
そして1年に1回は子どもと話し合い、「まだ続けるかどうか」意思を確認しておきましょう。
習い事は、お金を支払って学校の授業以外の経験を得るもの。そのため、親も子も「少なくとも無駄にはなっていない」とズルズル続けてしまいがちです。
支払う額に見合うだけの成長や満足が得られているかどうか、「なんとなく続けている」になっていないか、定期的に確認するようにしたいですね。
「辞め時がいつもわからない」という方は、カルチャーセンターの講座など、期間があらかじめ決まっている習い事を選ぶのもおすすめですよ。
子どもの習い事は慎重に選ぼう
2017年に株式会社リクルートマーケティングパートナーズが調査した内容(※)によると、子ども1人あたりの習い事費は、平均で月に1万3,091円。
習い事1つ当たりの平均費用は、6,814円です。
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子どもが2人いる家庭ならば、単純計算で毎月約2.6万円、年間で約31万円支出していることになり、なかなかの大金です。
子どもの力になりそうなことや、子どもが興味のあることにはお金を惜しみたくないのが親心ですが、使い過ぎて「教育費破産」を招いては元も子もありません。
「子どものために」と財布の紐がゆるみがちな習い事だからこそ、ご紹介した5つのステップを踏まえて、慎重に選んでくださいね。(執筆者:AFP、2級FP技能士 青海 光)