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夏の出費が重い今こそ家計を点検。固定費の節約と「医療費10万円」の勘違い

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夏の出費が重い今こそ家計を点検。固定費の節約と「医療費10万円」の勘違い
夏の出費が重い今こそ家計を点検。固定費の節約と「医療費10万円」の勘違い

夏は電気代や帰省費、レジャー費が重なり、家計が膨らみやすい季節です。食費を無理に削る前に、通信費や保険料など毎月続く固定費を点検しましょう。「医療費は10万円超でないと控除できない」といった誤解も含め、見直しの要点を整理します。

出費が増える主な原因と、見直しの優先順位

毎月の支出が思ったより多いと感じるとき、その原因は一つの大きな無駄遣いよりも、少額の費用が積み重なっていることが少なくありません。総務省の家計調査によると、2025年(令和7年)平均の二人以上世帯の消費支出は1か月あたり314,001円でした。費目ごとに支出を見ていくと、家計のどこに手を入れるべきかが見えてきます。

出費を減らすうえで大切なのは、闇雲に我慢するのではなく、見直す順番を意識することです。金融広報中央委員会が公開していた「知るぽると」(現J-FLECのアーカイブサイト)が示すように、家計の見直しはまず固定費からというのが基本の考え方です。固定費は一度見直せば効果が継続するため、少ない労力で長く効く点が特徴といえます。

固定費と変動費の違いと、見直しがきく理由

固定費とは、家賃や住宅ローン、通信費、保険料、電気やガス、水道の基本料金、サブスクリプションなど、毎月ほぼ一定額で継続的に発生する費用を指します。金額があらかじめ決まっているため、一度見直すとその後もずっと効果が続きます。

一方、変動費(流動費)は、食費や日用品、外食費、交際費、被服費、娯楽費など、月ごとに支出額が変わる費用です。両者の違いは、金額が毎月ほぼ一定か、月ごとに増減するかにあります。変動費は都度の節約努力が必要になるのに対し、固定費は一度の見直しで継続的に効くため、まず固定費から手をつけるのが効率的です。

なお、電気やガス代は基本料金という固定的な部分と、使用量に応じた従量料金という変動的な部分で構成されています。家計管理の実務では光熱費全体を固定費として整理することも多いのですが、厳密には従量料金の部分は変動費にあたる点を押さえておくと分類がすっきりします。

固定費の節約術と、見直しの注意点

固定費の中でも効果が大きいのが、通信費と光熱費、住居費、保険料です。通信費は、格安SIMや料金プランの見直しで負担を抑えやすい費目です。現在の通信量や通話の使い方、オプション契約を確認し、利用実態に合うプランへ変更することが、現行でも有効な手段といえます。

電気やガスは、2016年4月の電力小売全面自由化、2017年4月の都市ガス自由化により、家庭でも契約先や料金プランを選べるようになりました。契約するプランを見直すことは、固定費削減の有効な手段です。

ここで注意したいのが、契約アンペア数を下げて基本料金を節約する方法です。これは、総務省統計局の資料でアンペア制とされる北海道、東北、東京、北陸、中部、九州電力の規制料金では効果があります。一方、最低料金制とされる関西、中国、四国、沖縄電力の規制料金では、契約アンペアを下げて基本料金を下げる方法は使えません。自由料金や新電力のプランでは料金体系が異なる場合があるため、お住まいの電力会社の料金制度を確認したうえで検討しましょう。

住居費については、手取り収入の25パーセントから30パーセント程度が一つの目安とされることがあります。ただしこれは法令や公的機関が定めた基準ではなく、あくまでファイナンシャルプランナーなどが用いる目安です。数字を絶対視せず、家計全体のバランスを見る材料として捉えるとよいでしょう。

保険料は、年払いにすると月払いより割安になるのが一般的です。ただし割引率は保険会社や商品によって異なり、一律に決まった基準があるわけではないため、加入している商品ごとに確認することをおすすめします。

変動費(流動費)を無理なく抑えるコツ

変動費は、日々の選択で金額が変わる費用です。食費であれば、まとめ買いや買い物の回数を減らす工夫、外食やコンビニ利用の頻度を見直すことが効果につながります。日用品はストックを把握して重複購入を防ぎ、娯楽費や交際費は月ごとに使う上限をあらかじめ決めておくと、使いすぎを防ぎやすくなります。

固定費と違い、変動費は一度見直しても継続的な意識が欠かせません。無理な我慢はストレスや反動につながりやすいため、削る費目と楽しむ費目にメリハリをつけることが、長続きのポイントです。家計簿アプリなどで支出を見える化すると、どこに無駄があるかを把握しやすくなります。

出費を取り戻せる、見落としがちな制度

出費を抑えるうえで、使える制度を知っておくことも大切です。よく誤解されるのが医療費控除で、「医療費が10万円を超えないと使えない」と思われがちですが、これは正確ではありません。

医療費控除額は、実際に支払った医療費から保険金などで補てんされる金額を差し引き、そこからさらに基準額を引いた残りが対象になります。この基準額は、総所得金額等が200万円以上の方は一律10万円、200万円未満の方は総所得金額等の5パーセントとされています。つまり所得によっては、医療費が10万円未満でも控除の対象になり得るのです。なお、控除できる金額の上限は200万円です。

医療費がそれほど多くない世帯には、セルフメディケーション税制という選択肢もあります。現行制度では、2017年1月1日から2026年12月31日までの間に、本人または生計を一にする配偶者・親族のために対象医薬品を購入し、健康診査や予防接種など一定の取組を行っている場合、通常の医療費控除との選択により、年間購入額のうち12,000円を超えた分(上限88,000円)を所得から控除できます。日頃から市販薬を活用している世帯にとって、検討する価値のある制度といえます。

補助に頼らない、家計の土台づくり

2026年7月からは、電気・ガス料金の政府による支援が始まりました。資源エネルギー庁によると、この支援は7月から9月の使用分に適用され、電気は7月と9月が1kWhあたり3.5円、8月が4.5円、都市ガスは7月と9月が1立方メートルあたり14.0円、8月が18.0円の値引きとなります。標準的な家庭で3か月合計およそ5,000円の負担軽減が見込まれ、申請は不要で自動的に値引きされます。

こうした支援は家計の助けになりますが、期間限定の措置であり、恒久的な制度ではありません。だからこそ、補助があるうちに固定費そのものの構造を見直し、支援が終わっても負担が増えにくい家計をつくっておくことが大切です。あわせて、ふるさと納税やNISAといった、出費を将来の得につなげる制度に目を向けておくと、家計の選択肢が広がります。

続けられる家計管理への第一歩

出費を減らす基本は、我慢の量ではなく見直しの順番にあります。まずは効果が長く続く固定費から手をつけ、通信費や光熱費、住居費、保険料を一つずつ点検していきましょう。そのうえで変動費にメリハリをつけ、医療費控除やセルフメディケーション税制のように、使える制度を取りこぼさないことが、着実な節約につながります。思い込みで損をしないために、正しい情報をもとに、今日できるところから始めてみてください。

《編集部》
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