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お盆に親と話したい「遺言」のこと。公正証書遺言は2025年10月から作り方が変わりました

シニア 終活
お盆に親と話したい「遺言」のこと。公正証書遺言は2025年10月から作り方が変わりました
お盆に親と話したい「遺言」のこと。公正証書遺言は2025年10月から作り方が変わりました

お盆は、家族が集まり終活について話しやすい時期です。遺言を考えるなら、公証人が関わる「公正証書遺言」を思い浮かべる方も多いでしょう。実は2025年10月から、手数料の改正と手続きのデジタル化で、公正証書遺言の作り方が変わりました。親が元気な今だからこそ知っておきたい、新しい制度のポイントを整理します。

公正証書遺言の基本と検認不要という利点

公正証書遺言は、遺言者が伝えた内容をもとに公証人が作成し、原本が公証役場または日本公証人連合会が運営するシステムで保管される遺言です。証人2人以上の立会いのもとで作成され、原本が保管されるため、紛失や偽造の心配がありません。

自筆証書遺言と大きく異なるのが、相続開始後に家庭裁判所の検認が不要である点です。検認は遺言書の形状や内容を確認する手続きで、相続人にとっては手間と時間がかかります。公正証書遺言であればこの手続きを省けるため、遺された家族の負担が軽くなります。方式の不備で無効になるリスクが低いことも、公正証書遺言が選ばれる理由です。

2025年10月改正後の公証人手数料

公正証書遺言の作成にかかる公証人手数料は、公証人手数料令の別表で目的価額ごとに定められています。長年据え置かれていた手数料が2025年10月1日の改正で見直され、あわせて少額の枠が新設されました。現行の基本手数料は次のとおりです。

  • 50万円以下=3,000円

  • 50万円超100万円以下=5,000円

  • 100万円超200万円以下=7,000円

  • 200万円超500万円以下=1万3,000円

  • 500万円超1,000万円以下=2万円

  • 1,000万円超3,000万円以下=2万6,000円

  • 3,000万円超5,000万円以下=3万3,000円

  • 5,000万円超1億円以下=4万9,000円

手数料は財産をもらう相続人や受遺者ごとに、その人が受け取る財産の価額をあてはめて算出し、全員分を合算します。改正前は最下限が「100万円以下=5,000円」でしたが、改正で50万円以下=3,000円の枠が加わりました。

遺言加算と、実費として加わる費用

基本手数料に加えて、いくつかの費用が上乗せされます。まず、財産全体の価額が1億円以下のときは、算出した手数料に1万3,000円を加算します。これは遺言加算と呼ばれ、少額の遺言でも一定の手数料がかかるようにするものです。改正前は1万1,000円で、2,000円引き上げられました。

公正証書原本を紙に出力した場合の枚数が3枚を超えると、超過分は1枚につき300円が加算されます。正本・謄本に相当するものを電子データで発行する場合は各1通2,500円、書面で発行する場合は1枚につき300円です。書面での交付手数料は改正前の250円から引き上げられました。さらに、公証人が病院や自宅へ出張して作成する場合は、日当が1日2万円(4時間以内は1万円)かかり、これに交通費の実費が加わります。加えて、嘱託人の病床などで作成されたときは基本手数料が50パーセント加算されることがあります。

ウェブ会議で作れるデジタル化への対応

2025年10月1日以降、法務大臣が指定する公証人が作成する公正証書について、作成手続きがデジタル化されました。遺言公正証書もその対象で、作り方の選択肢が広がっています。

大きな変更点は3つです。第一に、法務大臣が指定する公証人については、ウェブ会議システムを使い、公証役場に出向かずに遠隔で作成できるようになりました。第二に、原本を原則として電子データで作成・保存します。第三に、正本・謄本に相当するものを電子データで発行でき、従来どおり紙での発行も可能です。

高齢や病気で外出が難しい方、公証役場から遠い場所に住む方にとって、ウェブ会議方式は大きな助けになります。ただし、この方式は公証人が相当と認め、本人確認や意思確認ができる場合に限られます。不適当と判断されれば、従来どおり対面での作成となります。

証人の要件と、用意できないときの対応

公正証書遺言には証人2人以上の立会いが必要です。ただし、誰でも証人になれるわけではなく、民法974条で欠格となる人が定められています。

証人になれないのは、未成年者、推定相続人や受遺者とその配偶者・直系血族、公証人の配偶者・四親等内の親族・書記および使用人です。財産を受け取る立場の人やその近しい家族は証人になれない点に注意が必要です。もし適切な証人を用意できない場合でも、公証役場で証人を紹介してもらえる場合があります。紹介の可否や費用は公証役場に確認しましょう。

自筆証書遺言書保管制度との違い

公正証書遺言と比べて検討されることが多いのが、自筆証書遺言書保管制度です。2020年7月10日に始まった制度で、自分で書いた遺言書を法務局に預けられます。両者の主な違いを整理します。

  • 手数料=公正証書遺言は財産額に応じた公証人手数料。保管制度は1件(遺言書1通)につき3,900円を収入印紙で納付

  • 検認=どちらも家庭裁判所の検認が不要

  • 作成方法=公正証書は公証人が作成。保管制度は遺言者が自分で書いた遺言書を預ける

保管制度は費用を抑えられる一方、内容の正確さは自分で担保する必要があります。公正証書遺言は費用がかかるものの、公証人が関わるため方式の不備を避けやすい点が強みです。なお、保管制度では遺言書情報証明書が1通1,400円、保管事実証明書が1通800円、遺言書の閲覧がモニターで1回1,400円、原本で1回1,700円と定められています。

費用と手続きを踏まえた遺言選び

公正証書遺言は、検認が不要で無効になりにくい、確実性の高い遺言です。2025年10月の改正で手数料体系が見直された一方、ウェブ会議による作成が可能になり、外出が難しい方でも利用しやすくなりました。

手数料は財産額と受け取る人ごとに決まり、遺言加算や電子データ・書面の交付手数料、出張時の実費などが上乗せされます。費用を抑えたい場合は自筆証書遺言書保管制度という選択肢もあります。それぞれの費用と手続きを比べ、ご自身の状況に合った方法を選んでおきましょう。

なお、専門家に作成を依頼した場合の報酬は事務所ごとに異なり、公表されている金額はあくまで一例です。相場として一般化せず、依頼先ごとに確認することをおすすめします。

《編集部》
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執筆者: 編集部 編集部

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