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実家の手すりは工事より先に申請から。介護保険の住宅改修費は20万円まで

シニア 介護
実家の手すりは工事より先に申請から。介護保険の住宅改修費は20万円まで
実家の手すりは工事より先に申請から。介護保険の住宅改修費は20万円まで

お盆に実家へ帰って、玄関の上がりかまちや廊下の段差が急に気になった。そんな方は少なくないはずです。介護保険には住宅改修費という給付があり、手すりの取付けや段差の解消に使えます。ただし、この給付は工事を始める前に書類を出しておくのが原則です。業者を探すより先に、ケアマネジャーへ相談してみましょう。

介護保険が対象にする6種類の工事

介護のための家の手入れであれば何でも給付の対象になる、というわけではありません。厚生労働省の資料では、住宅改修の種類として6つが挙げられています。

1つ目が手すりの取付け、2つ目が段差の解消、3つ目が滑りの防止および移動の円滑化等のための床または通路面の材料の変更です。続いて4つ目が引き戸等への扉の取替え、5つ目が洋式便器等への便器の取替え、そして6つ目が、これらの改修に付帯して必要となる住宅改修とされています。

6つ目があるおかげで、手すりを取り付けるための壁の下地補強や、便器を替えるのに伴う給排水の工事なども対象に入ります。逆に言えば、この6種類のどれにも結びつかない工事は含まれません。段差をなくすついでに床を張り替えたい、浴室を丸ごと新しくしたい、といった希望は、介護保険とは別のお金で考えることになります。

なお屋外の工事も、玄関から道路までの段差解消や手すりの取付けであれば対象になります。同資料は、平成12年12月以降、建物と一体ではない屋外での工事にも支給が可能になったと説明しています。

支給限度基準額は20万円、要介護度では変わらない

住宅改修費の支給限度基準額は20万円です。ここが介護保険のほかのサービスと違うところで、要支援・要介護の区分にかかわらず定額とされています。要介護5だから枠が大きい、要支援1だから小さい、ということはありません。

実際に戻ってくるのは、20万円の枠のうち工事にかかった費用に応じた額です。介護保険の利用者負担は原則1割で、一定以上の所得がある人は2割または3割になります。20万円の工事をして負担が1割の人なら、自分で払うのは2万円、残りが給付される形です。20万円を超えた分は全額が自己負担になります。

この20万円は、原則としてひとり生涯で20万円という考え方です。ただし例外もあり、最初に住宅改修費の支給を受けた住宅改修の着工時点と比べて「介護の必要の程度」の段階が3段階以上上がった状態で初めて改修する場合(この取扱いは1回限り)と、転居した場合には、あらためて20万円までの支給限度基準額が設定されると同資料は説明しています。一度使い切ったから終わり、と決めつけないでください。

支給の方法は原則として償還払いです。いったん工事費の全額を業者へ支払い、あとから保険者である市区町村に請求して戻してもらう流れになります。自治体によっては受領委任払いを用意しているところもあるため、手元の資金が心配なときは窓口で確かめてください。

工事の前に出す書類、工事の後に出す書類

この給付でいちばん取り違えやすいのが、書類を出す順番です。厚生労働省の資料は、住宅改修を行おうとするときに必要な書類を添えて申請書を提出し、工事完成後に領収書等を提出することにより支給される、という順序で説明しています。つまり書類は工事をはさんで2回に分かれます。

実家の手すりは工事より先に申請から。介護保険の住宅改修費は20万円まで

前半で市区町村が見ているのは、保険給付として適当な改修かどうかです。理由書と見積り書、完成予定の図を突き合わせて、その人の状態に照らして必要な工事かを判断します。ここを飛ばして工事だけ終わらせてしまうと、判断の材料が残りません。

後半は、事前に出した内容どおりに工事が行われたかの確認です。写真は箇所ごとに改修前と改修後の両方が要り、原則として撮影日が分かるものとされています。工事が始まってから慌てて撮ろうとしても、改修前の写真はもう撮れません。ここも順番が効いてきます。

住宅改修が必要な理由書は、ケアマネジャーなどが作成します。だからこそ最初の一歩は業者選びではなく相談で、段取りとしては、ケアマネジャー等への相談、書類の提出と確認、施工、そして工事後の支給申請という流れになります。

すでに工事を始めてしまったとき

事前の申請が原則だと知らないまま、先に業者へ頼んでしまうことはあります。その場合でも、あきらめる前に市区町村へ相談してください。同資料には、やむを得ない事情がある場合には工事完成後に申請することができる、と明記されています。厚生労働省の通知では、入院または入所中の人が退院・退所後に住む住宅での受け入れのため、あらかじめ住宅改修に着工する必要がある場合などが例として挙げられています。工事完了後に、支給申請書と住宅改修が必要な理由書を提出できる扱いです。

ただし、実際にやむを得ない事情に当たるかは、保険者である市区町村が判断します。認められる保証はないと考えたほうが安全です。原則は工事の前、という理解は変えないでください。

賃貸住宅の場合は、もう1つ確認することがあります。住宅の所有者が本人でない場合は、住宅の所有者の承諾書が必要です。介護保険法施行規則では、所有者が住宅改修を承諾したことが確認できる書類を添付する扱いになっています。厚生労働省の手続き資料では提出書類に挙げられているため、実家が借家であれば、家主の承諾を取るところから始まります。この確認も工事の前に済ませ、提出タイミングや様式は市区町村で確かめておくと、あとで止まりません。

帰省のうちに、聞いておきたいひとこと

住宅改修費は、金額の大きさよりも順番でつまずきやすい給付です。工事の前に理由書と見積りを出し、改修前の写真を残し、それから着工する。この並びさえ守れば、20万円の枠は無理なく使えます。帰省しているうちに、親の担当ケアマネジャーの連絡先だけでも聞いておくと、次の一手が早くなります。まだ介護保険の認定を受けていないなら、市区町村の窓口か地域包括支援センターが入口になります。

《編集部》
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執筆者: 編集部 編集部

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