
退職の日取りが決まると、次に来るのが健康保険をどうするかという問いです。任意継続、国民健康保険、家族の被扶養者の3つがあり、どれが軽く済むかは人によって入れ替わります。ところが比べているうちに、いちばん短い期限のほうが先に来てしまいます。期限を押さえてから中身を比べる順番で、3つの道を見ていきます。
3つの道は、届け出る先も期限も違う
まず押さえるのは、どこへいつまでに言うかです。

国民健康保険の14日は、健康保険の被保険者でなくなったために資格を取得した場合の届出期限として、国民健康保険法施行規則3条が定めています。任意継続の20日は健康保険法37条1項です。ただし同項のただし書は、正当な理由があると保険者が認めるときは期間を過ぎた申出でも受理できるとしています。過ぎたら終わり、と決めつけずに保険者へ相談する余地は残っています。
任意継続は2年。ただし途中で抜けられる
任意継続を選べるのは、退職日までに被保険者期間が継続して2か月以上ある人です(健康保険法3条4項)。加入できる期間は、任意継続被保険者となった日から2年です(同38条1号)。
見落とされやすいのが、その2年を待たずにやめられる点です。任意継続被保険者でなくなることを希望する旨を保険者に申し出て受理されれば、申出が受理された日の属する月の翌月1日に資格を失います(同38条7号)。かつては2年の途中で自分からは抜けられませんでしたが、いまは資格喪失申出書を出せば動けます。1年目は任意継続、収入が下がった2年目は国民健康保険へ、という切り替え方ができるということです。
軽く済む道は、自分の保険者と自治体でしか出ない
任意継続の保険料は、原則として退職時の標準報酬月額と、保険者が管掌する全被保険者の平均をもとにした額の、いずれか少ないほうで決まります(同47条1項)。ただし健康保険組合では、規約で定めることにより、退職時の標準報酬月額などを算定基礎にできる場合があります(同47条2項)。このため、協会けんぽなどでは上限があるぶん、給与が高かった人ほど頭打ちの効果が効きます。一方で会社が半分を持っていた分がなくなるため、多くの場合は退職前の自己負担より重くなります。
国民健康保険は市区町村ごとに算定方式が違い、前年の所得や世帯の人数で変わります。家族の被扶養者は、主としてその被保険者である家族によって生計を維持していると認められることが条件です(同3条7項)。どれが軽いかは、この3つを自分の数字で並べないと出ません。保険者と市区町村の窓口に、それぞれ見込み額を聞くのが早道です。
14日と20日を押さえてから比べる
3つの道は、届け出る先も期限も保険料の決まり方も違いました。数字だけで見れば、国民健康保険の14日のほうが任意継続の20日より先に来ます。まず14日と20日を手帳に書き、そのうえで市区町村と保険者に見込み額を聞けば、比べる時間が残ります。家族の健康保険に入れる可能性があるなら、勤務先にも早めに伝えておきましょう。


